7 / 13
七難八苦の記念日
宜しくお願い致します -ファナ-
しおりを挟む
さて、リディーシアお嬢様の部屋を出た私は、音を立てないよう静かに扉を閉めまして素早く脚を動かします。廊下を二度ほど折れ曲がった所で目当ての場所に辿り着きました。そして、それと共に余り見たくない顔も見えてきました。立ったまま寝てるとは器用な。そして無作法な。
侍女としてどころか人としてもアウトな存在を前にして、今すぐ引き返したくなってきました。用があるのが残念です。
仕方が無いのでなるべく足音を立てないように忍び寄ると、その後頭部を思いっきりひっ叩きます。
「ふわっ……!」
パシンッ!と良い音が響くと共に手の平に心地良い痺れが走りました。この機会に普段から溜め込んでいたストレスを発散出来て何よりです。
それを受けた方の少女はというと、言葉にならない声を漏らしながら閉ざしていた目を薄く開きました。それでもまだ寝ぼけ眼な様子。要らぬ所でその頑丈さを実感してしまいます。
「キニャ、目が覚めましたか」
「あれぇ~、ファナだぁ。どうしたの~?ふぁぁ……」
この期に及んでまだ呑気に欠伸している彼女、キニャ。私の同僚にしてリディーシアお嬢様の姉であるリーネリーシェ様の側付き侍女です。
同じお嬢様方の側付きとして関わる機会も多い彼女ですが、正直に言って余り良い印象を持っていません。その癖向こうはそんなこと露も思っていないようで、むしろ一番仲の良い側付き侍女仲間と思っている様子すら伺えまして、とても馴れ馴れしく絡んできます。
……性格が余りにもかけ離れていて苦手というだけであって嫌いという訳では無いので、側付き同士の情報交換の一環として割り切っていますけど。
「リーネリーシェ様に用がありまして。貴女がここにいるということは、まだ中にいらっしゃいますか?」
「そっか~!丁度今日に向けて新調したカメラのお手入れ中だから、まだいるよ~」
「そうですか。では、失礼させて頂いても良いか聞いてきて貰えますか」
「はいは~い。ちょっと待ってね~!リーネリーシェ様、入りますよ~!」
ノックもせず最低限の声だけ掛けるや否や、木製の重厚感ある扉を開けて中に入っていくキニャ。今すぐ叩き出されてそのまま解雇されてもおかしくない無作法っぷり。もう呆れを通り越して関心してしまいます。勿論皮肉ですけど。こういう所が苦手なんです……。
じっと直立姿勢で待っていた私の耳に、いたっ!という悲鳴が聞こえてきます。案の定、無作法を咎められて折檻でも受けたのでしょう。正直言って良い気味でした。まぁ、そんなこと日常茶飯事なのでもう慣れてしまっているでしょうし、コミュニケーションの一環、なのですかね。私には全く以て分かりかねますが。
それから数秒して、頭頂部を両手で抱えたキニャが戻ってきました。反省した様子は無いですが、心なしか不貞腐れた様子で。
「入っていいって。酷いよね~、ちょっとノックをサボった位であんなに思いっきり殴らなくても~……」
「有難う御座います。そして、それはあなたが百パーセント悪いです。反省してください」
「え~~~」
まるで、というよりどこから見ても叱られた子供にしか見えない少女を放って、その手に支えられている扉を通って室内へと入らせて頂きました。
「失礼します」
入ってすぐに丁重にお辞儀。あれと同レベルに見られるのは末代までの恥ですから、きっちりと。
背後で扉の閉まる音がしたのを確認してから、深く下げていた頭を持ち上げる。すると、如何にも重量感のある立派な執務机に向かって何か作業をしているリーネリーシェ様のお姿が目に入りました。
作業する手を止めないままリーネリーシェ様がポツリと呟かれました。
「キニャもお前の十分の一でいいから節度を持ってくれればいいんだがな」
「僭越ながら、それが出来る人間であればもうとっくにやっているかと」
それに、そういう彼女だからこそ、側付きに選ばれたのではないですか?
言外に持たせた含みを理解した上で、微かな苦笑を浮かべられたリーネリーシェ様。けれどそれも一瞬で、手元に向けていた視線をこちらに移されたその時には、その顔から一切の表情が抜け落ちていました。
「さて、ファナ。こんな時間に来るとは珍しいな。何の用だ?」
鋭い目付きに冷たい声色。慣れている私でも思わず身体が強張る威圧感。ですが、それを極力面に出さないよう取り繕いながら、本題を切り出します。
「はい、本日はリーネリーシェ様に折り入ってお願いがあって参りました」
「ほう」
「恐れ入りますが、もう少々近付いても?」
首肯で許可を頂きましたので、間に佇む執務机を避ける為に大きく迂回しながら座ったままのリーネリーシェ様のお隣まで歩み寄りました。そして、そのお顔に気持ち口元を近付け、誰にも聞かれないように小さな声でその「お願い」を口にしました。しようとしました。
「リディーシアお嬢様が……」
「任せろ」
お願いのおの字すら口にしていませんが、そのお名前を出した時点で了承を頂きました。こうなることは自明の理でしたが。
横目でちらりと机の上に目をやると、一寸の曇りなく輝いている丁寧に磨かれたカメラが見えました。キニャからその話が出た時点で、この話が八割方成功するだろうことは分かっていました。拍子抜けするほどに。
そしてリーネリーシェ様と言えば、何でも任せろ、と言わんばかりにキラキラ輝いた瞳でこちらを見つめていました。基本、こういう表情は他人に見せないお方なのですが。
他の者達を前にした時と比べると、普段から秘密の集会をしている私に対しては割と心を許して頂いているようです。勿論キニャ程では無いですが。まぁあんな集会を開いている時点で何を今更、と言われそうですけど。
「了承頂けましたし恐らくリーネリーシェ様のご都合とも合致しているかとは思いますが、改めて説明させて頂きますね」
「うむ」
珍しく年相応に感情の籠った瞳を浮かべられてこちらを喰いつくように見つめてくるリーネリーシェ様。そのご様子に内心だけで苦笑しながら、先の顛末を説明しました。勿論、内緒と仰せつかった部分に関しては当たり障りのない学業へのやる気などとボカした上で。
一通り話し終えた所、
「リーネリーシェ様、大丈夫ですか?」
「わたしの……妹が……尊い……ッ!」
鼻を手で覆い隠しながら、上の空でそんなことを申しております。侍女として何も見ておりませんと無関心を装いながら、鼻血を抑える為のハンカチだけ差し出しておきました。
「つまり、リディを陰から見守りつつ、もし危険が及ぶようであれば排除すればいいんだな?」
「はい、その通りで御座います」
「元々リディの撮影という大事で大事な用に多少のオプションが付いただけだし、キニャも連れて行く。何かあったとしても問題無いだろう。他でも無い、可愛い妹の尊い決意を無為にする訳にはいかん!」
「有難う御座います」
「何、これも姉の務め……。いや、姉の特権だからな!」
「宜しくお願い致します」
無事打ち合わせも終わりました所で、重ねてお礼を申し上げて退室しました。そして、開いた扉のすぐ傍に立っていたのは、うつらうつらと頭を揺らす侍女服を着た少女。
「……はぁ」
溜息をついて。それから、本日二度目の平手打ちをお見舞いしてやりました。
変な声をあげて目を覚ます少女を尻目にその場を後にしました。大分スッキリしたので、今日は気持ち良く仕事に勤しめそうだなと、そう思いました。
侍女としてどころか人としてもアウトな存在を前にして、今すぐ引き返したくなってきました。用があるのが残念です。
仕方が無いのでなるべく足音を立てないように忍び寄ると、その後頭部を思いっきりひっ叩きます。
「ふわっ……!」
パシンッ!と良い音が響くと共に手の平に心地良い痺れが走りました。この機会に普段から溜め込んでいたストレスを発散出来て何よりです。
それを受けた方の少女はというと、言葉にならない声を漏らしながら閉ざしていた目を薄く開きました。それでもまだ寝ぼけ眼な様子。要らぬ所でその頑丈さを実感してしまいます。
「キニャ、目が覚めましたか」
「あれぇ~、ファナだぁ。どうしたの~?ふぁぁ……」
この期に及んでまだ呑気に欠伸している彼女、キニャ。私の同僚にしてリディーシアお嬢様の姉であるリーネリーシェ様の側付き侍女です。
同じお嬢様方の側付きとして関わる機会も多い彼女ですが、正直に言って余り良い印象を持っていません。その癖向こうはそんなこと露も思っていないようで、むしろ一番仲の良い側付き侍女仲間と思っている様子すら伺えまして、とても馴れ馴れしく絡んできます。
……性格が余りにもかけ離れていて苦手というだけであって嫌いという訳では無いので、側付き同士の情報交換の一環として割り切っていますけど。
「リーネリーシェ様に用がありまして。貴女がここにいるということは、まだ中にいらっしゃいますか?」
「そっか~!丁度今日に向けて新調したカメラのお手入れ中だから、まだいるよ~」
「そうですか。では、失礼させて頂いても良いか聞いてきて貰えますか」
「はいは~い。ちょっと待ってね~!リーネリーシェ様、入りますよ~!」
ノックもせず最低限の声だけ掛けるや否や、木製の重厚感ある扉を開けて中に入っていくキニャ。今すぐ叩き出されてそのまま解雇されてもおかしくない無作法っぷり。もう呆れを通り越して関心してしまいます。勿論皮肉ですけど。こういう所が苦手なんです……。
じっと直立姿勢で待っていた私の耳に、いたっ!という悲鳴が聞こえてきます。案の定、無作法を咎められて折檻でも受けたのでしょう。正直言って良い気味でした。まぁ、そんなこと日常茶飯事なのでもう慣れてしまっているでしょうし、コミュニケーションの一環、なのですかね。私には全く以て分かりかねますが。
それから数秒して、頭頂部を両手で抱えたキニャが戻ってきました。反省した様子は無いですが、心なしか不貞腐れた様子で。
「入っていいって。酷いよね~、ちょっとノックをサボった位であんなに思いっきり殴らなくても~……」
「有難う御座います。そして、それはあなたが百パーセント悪いです。反省してください」
「え~~~」
まるで、というよりどこから見ても叱られた子供にしか見えない少女を放って、その手に支えられている扉を通って室内へと入らせて頂きました。
「失礼します」
入ってすぐに丁重にお辞儀。あれと同レベルに見られるのは末代までの恥ですから、きっちりと。
背後で扉の閉まる音がしたのを確認してから、深く下げていた頭を持ち上げる。すると、如何にも重量感のある立派な執務机に向かって何か作業をしているリーネリーシェ様のお姿が目に入りました。
作業する手を止めないままリーネリーシェ様がポツリと呟かれました。
「キニャもお前の十分の一でいいから節度を持ってくれればいいんだがな」
「僭越ながら、それが出来る人間であればもうとっくにやっているかと」
それに、そういう彼女だからこそ、側付きに選ばれたのではないですか?
言外に持たせた含みを理解した上で、微かな苦笑を浮かべられたリーネリーシェ様。けれどそれも一瞬で、手元に向けていた視線をこちらに移されたその時には、その顔から一切の表情が抜け落ちていました。
「さて、ファナ。こんな時間に来るとは珍しいな。何の用だ?」
鋭い目付きに冷たい声色。慣れている私でも思わず身体が強張る威圧感。ですが、それを極力面に出さないよう取り繕いながら、本題を切り出します。
「はい、本日はリーネリーシェ様に折り入ってお願いがあって参りました」
「ほう」
「恐れ入りますが、もう少々近付いても?」
首肯で許可を頂きましたので、間に佇む執務机を避ける為に大きく迂回しながら座ったままのリーネリーシェ様のお隣まで歩み寄りました。そして、そのお顔に気持ち口元を近付け、誰にも聞かれないように小さな声でその「お願い」を口にしました。しようとしました。
「リディーシアお嬢様が……」
「任せろ」
お願いのおの字すら口にしていませんが、そのお名前を出した時点で了承を頂きました。こうなることは自明の理でしたが。
横目でちらりと机の上に目をやると、一寸の曇りなく輝いている丁寧に磨かれたカメラが見えました。キニャからその話が出た時点で、この話が八割方成功するだろうことは分かっていました。拍子抜けするほどに。
そしてリーネリーシェ様と言えば、何でも任せろ、と言わんばかりにキラキラ輝いた瞳でこちらを見つめていました。基本、こういう表情は他人に見せないお方なのですが。
他の者達を前にした時と比べると、普段から秘密の集会をしている私に対しては割と心を許して頂いているようです。勿論キニャ程では無いですが。まぁあんな集会を開いている時点で何を今更、と言われそうですけど。
「了承頂けましたし恐らくリーネリーシェ様のご都合とも合致しているかとは思いますが、改めて説明させて頂きますね」
「うむ」
珍しく年相応に感情の籠った瞳を浮かべられてこちらを喰いつくように見つめてくるリーネリーシェ様。そのご様子に内心だけで苦笑しながら、先の顛末を説明しました。勿論、内緒と仰せつかった部分に関しては当たり障りのない学業へのやる気などとボカした上で。
一通り話し終えた所、
「リーネリーシェ様、大丈夫ですか?」
「わたしの……妹が……尊い……ッ!」
鼻を手で覆い隠しながら、上の空でそんなことを申しております。侍女として何も見ておりませんと無関心を装いながら、鼻血を抑える為のハンカチだけ差し出しておきました。
「つまり、リディを陰から見守りつつ、もし危険が及ぶようであれば排除すればいいんだな?」
「はい、その通りで御座います」
「元々リディの撮影という大事で大事な用に多少のオプションが付いただけだし、キニャも連れて行く。何かあったとしても問題無いだろう。他でも無い、可愛い妹の尊い決意を無為にする訳にはいかん!」
「有難う御座います」
「何、これも姉の務め……。いや、姉の特権だからな!」
「宜しくお願い致します」
無事打ち合わせも終わりました所で、重ねてお礼を申し上げて退室しました。そして、開いた扉のすぐ傍に立っていたのは、うつらうつらと頭を揺らす侍女服を着た少女。
「……はぁ」
溜息をついて。それから、本日二度目の平手打ちをお見舞いしてやりました。
変な声をあげて目を覚ます少女を尻目にその場を後にしました。大分スッキリしたので、今日は気持ち良く仕事に勤しめそうだなと、そう思いました。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話
ルジェ*
ファンタジー
婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが───
「は?ふざけんなよ。」
これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。
********
「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください!
*2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
身勝手な理由で婚約者を殺そうとした男は、地獄に落ちました【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「おい、アドレーラ。死んだか?」
私の婚約者であるルーパート様は、私を井戸の底へと突き落としてから、そう問いかけてきました。……ルーパート様は、長い間、私を虐待していた事実が明るみになるのを恐れ、私を殺し、すべてを隠ぺいしようとしたのです。
井戸に落ちたショックで、私は正気を失い、実家に戻ることになりました。心も体も元には戻らず、ただ、涙を流し続ける悲しい日々。そんなある日のこと、私の幼馴染であるランディスが、私の体に残っていた『虐待の痕跡』に気がつき、ルーパート様を厳しく問い詰めました。
ルーパート様は知らぬ存ぜぬを貫くだけでしたが、ランディスは虐待があったという確信を持ち、決定的な証拠をつかむため、特殊な方法を使う決意をしたのです。
そして、すべてが白日の下にさらされた時。
ルーパート様は、とてつもなく恐ろしい目にあうことになるのでした……
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
【完結】真実の愛とやらに目覚めてしまった王太子のその後
綾森れん
恋愛
レオノーラ・ドゥランテ侯爵令嬢は夜会にて婚約者の王太子から、
「真実の愛に目覚めた」
と衝撃の告白をされる。
王太子の愛のお相手は男爵令嬢パミーナ。
婚約は破棄され、レオノーラは王太子の弟である公爵との婚約が決まる。
一方、今まで男爵令嬢としての教育しか受けていなかったパミーナには急遽、王妃教育がほどこされるが全く進まない。
文句ばかり言うわがままなパミーナに、王宮の人々は愛想を尽かす。
そんな中「真実の愛」で結ばれた王太子だけが愛する妃パミーナの面倒を見るが、それは不幸の始まりだった。
周囲の忠告を聞かず「真実の愛」とやらを貫いた王太子の末路とは?
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる