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ある日…突然過去が襲ってきた!!
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「君嶋ゆこさん…ですよね?」
それは編集部のミーティングルームでの取材のあとの事。
意気投合して彼と雑談をしていたカメラマンのキミちゃんのケータイが着信を告げて鳴り響き、慌ててキミちゃんが外に出た時だった。
私は記事のレイアウトを考えながら、レコーダーや資料などを片付けるために彼に背を向けていて、ふいに背中越しに呼ばれた、もう聞かなくなって久しい名前に、私は一瞬にして固まった。
(落ち着け…私。今は違うんだから…)
静かに呼吸を整えてから笑顔を張り付かせて彼の方を振り返ると、彼は先程よりも私との距離を詰めて目の前に立っていた。
少し肌けたYシャツの首筋からは香る、甘みを含んだ柑橘系の香りに包まれそうな距離に私は身体を再び固くした。
彼と目線を合わそうと見上げれば、明るく艶のある茶髪の前髪を掻き上げ、妖艶に細めて微笑む彼の切れ長の目に出会う。
動揺しそうになるのをグッと堪える。
女性の扱いに長けてる彼の職業を思えば、仕草で女の目線を奪うことなど造作もない。
かといって、さっきの取材中から彼と仕事以外で接点を持ちたくないと思っていた私としては、彼の術中に嵌まる訳には行かなかった。
「…先程ご挨拶の際にお渡した名刺、ちゃんとご覧になりましたか?」
「はい、“木原 柚子”さんと書いてありました。」
「でしたら、私が“君嶋なんちゃらさん”じゃないことは分かりますよね?」
「見間違いしません。何よりその声…貴女は声優の“君嶋ゆこ”さんだ。」
(声…この人やっぱりオタクだったのか…。これは逃げるのが厄介かも…。)
だからと言って、既に過去の存在として封印した“君嶋ゆこ”として彼の前に立つつもりはない。
「私は“君嶋なんちゃら”さんを知りません!」
「僕は知ってます!だって…」
更に間合いを詰めてくる彼から逃げようと、後ずさった。
「本当に人違いですってば!」
「いいえ、僕が貴女のこと見間違えたり声を聞き間違える筈なんてない。貴女はゆこさんだ!」
(どうしよう…このままじゃ…)
そう思っていると、不意に背中に硬い物があたった。
とうとう、壁際まで追い詰められたのだ。
「僕は貴女が好きだったから…それに…。」
私が否定を重ねる毎に、さっきまでの余裕の表情が彼から消えて、彼は切なげに私を見つめていた。
大体からして、女に不自由していないであろう注目のイケメンである彼が何故、過去の存在である“君嶋ゆこ”に執着するのか謎すぎる。
「あ、貴方が何故そんなに必死なのか…私には良く分かりませんが…本当に…ひ、人違いですし…正直言って今…私は貴方が怖いです!」
私を見下ろす彼の顔がハッと我に返った。
「…すっ、すみません。」
彼が避けてくれたので、私はサッと彼から離れて鞄を取った。
「あの…僕…」
彼の口からそれ以上言葉が紡がれない様に、私は言葉で遮った。
「本日はお時間頂き有り難うございました。ほ、本来なら玄関までお送りしたいのですが、い、今の私はこの通り…色々と動揺しておりまして…お見送り出来ないことをお許しください…。後日に控えてますグラビア撮影の方もよろしくお願いします。」
「あ、待っ…」
彼は引き留めるように声を上げたが、私は無視して頭を下げてミーティングルームから飛び出した。
丁度帰ってきた、カメラマンのキミちゃんに彼の見送りを頼み、少し時間は早いが次のスケジュールをこなすべく外に出た。
「…で、どうだった?噂のイケメンAV男優は?」
「最悪…」
「へっ!?」
仕事終わり、高校時代からの親友である成宮貴子と待ち合わせた個室居酒屋で、私はビール片手にテーブルに突っ伏していた。
今日の取材は、女性向け雑誌の特集記事で今注目されている女性専用AVで活躍しているセクシー男優のインタビューだった。
イケメンAV男優・宇佐美 樹
それまでメディアに登場してきたAV男優とは違い、色物臭もなく、イケメンだが灰汁の強さもなく、爽やかで女性受けする人物だった。
AV男優を職業としているだけで、話してみれば好青年。
しかし、インタビュー中に“声フェチ”であると告げられた時、真っ直ぐ私を見つめた彼の熱のある視線に私の頭の中に危険信号が響いた。
そのあとは、案の定…いやそれ以上の展開が待っていた訳だが…。
「“君嶋ゆこ”の亡霊に取り憑かれていた。」
「…あちゃぁ…マジか…」
「いきなり詰め寄られて、壁ドン未遂まで追いやられて泣きそうになったわ…。」
「声優を引退してもう10年経つのに、まだアンタのファンがいたとはね…」
「そんなに有名でもなかった筈なんだけどなぁ…私。」
プチプチと枝豆を口に放り込み、咀嚼しながら私はごちた。
「現役高校生声優って持て囃されてたクセに、アンタって自己評価低いよね…。」
「若いから話題性で持て囃されただけだもん。声優としての実力はそんなになかったのは自分が良く分かってるし。」
だから、小学3年から続けてきた子役声優という仕事から高校3年の春に引退し、必死に大学受験して今の大手出版社に就職したのだ。
その事については、私は後悔していない。
親の言いなりで始めた子役の仕事だったけど、楽しかった。
自分の限界を知るまでは…。
楽しいから好きだから続けたい!とゴネてなんとかならないことも分かっていた。
だから、後悔はしていない。
今は編集者として充実した日々を過ごしているし。
「…で、どうするの?その亡霊に取りつかれてる宇佐美 樹は?」
「どうもしないよ?ビジネス以外で関わるつもり全くない。明後日の撮影が終われば編集者としての私はお役御免!来月の特集記事を書き上げて無事に出せれば、それでよし!それまでは何としてでも、“君嶋ゆこ”だったことはバレないように秘密を死守する!」
先程テーブルに届いたばかりの唐揚げを食べながら、私は拳を握った。
「勿体無いなぁ…AV男優である以外は問題なさそうなのに…。好青年だったんでしょ?」
「貴子、面白がってるでしょ?」
「まぁね。性産業を生業にしているからって、人間性まで否定したりするのは違うと思うんだよね。扱っているのは人間誰しも持ってるの三大欲求の一つである訳だし、誰もが持っている欲求だから需要があっての生業なのに、下事情を扱っているってだけで見下されるとか…。まぁ…ダーティーなイメージがあるから尚更なんだろうけど…」
「人それぞれだとは思うけどね。実は“役者”として括るなら、やってることはあまり変わらないんだよね。人の欲求を満たす職業ってところは…。心を満たすのか?それとも身体的欲求を満たすのか?その差だけだと思う。声優の仕事にも声で欲求を満たすって仕事はあるし。」
「アンタも声優って“役者”を生業にしていたからなんだろうけど、そう言う差別的な考え方を持っちゃいないし、彼とは丁度上手くいくんじゃないかって思っただけなんだけどさ。」
「何それ?」
貴子が一口飲んだジョッキを置き、私の顔を覗き込む。
「柚子、もう28歳だよ?活字を紡ぐ仕事にだけ明け暮れていちゃいけないと思わない?チャンスだと思うけど?」
…分かってる。
女子としても、女性をターゲットにした雑誌編集者としても、まだ枯れちゃいけない。
分かってるよ…。
前の彼氏と別れたのは6ヶ月前…。
出版業界では有りがちな理由で別れた。
『仕事があればお前は…俺が居なくても大丈夫だろう?』
確かに彼氏がイナイならイナイでなんとかなってしまっている。
別れた当初は相当に凹んだけど…。
風の噂で年下の彼女と婚約したらしい彼の事は、流石にもうどうでも良いけど、恋愛に前向きになるには、まだ心の傷が疼く。
貴子に言われるまで、あまり気にしていなかったけど、そろそろ年齢的に御一人様でいることがキツい歳になっていることも自覚している。
でも…だからと言って、今日出会ったばかりの好青年ではあるけど、私専用の得体の知れない地雷を隠し持っていそうな男を選ぶのは安易すぎだ。
「声フェチオタク男に色目使うほど、男に飢えてないし!」
「まぁ…面白いことになることを私は祈ってるわ。」
「祈らなくていいから!」
クツクツと笑う貴子を睨みながら、私はビールを飲み干し、再び唐揚げにかぶりついた。
それは編集部のミーティングルームでの取材のあとの事。
意気投合して彼と雑談をしていたカメラマンのキミちゃんのケータイが着信を告げて鳴り響き、慌ててキミちゃんが外に出た時だった。
私は記事のレイアウトを考えながら、レコーダーや資料などを片付けるために彼に背を向けていて、ふいに背中越しに呼ばれた、もう聞かなくなって久しい名前に、私は一瞬にして固まった。
(落ち着け…私。今は違うんだから…)
静かに呼吸を整えてから笑顔を張り付かせて彼の方を振り返ると、彼は先程よりも私との距離を詰めて目の前に立っていた。
少し肌けたYシャツの首筋からは香る、甘みを含んだ柑橘系の香りに包まれそうな距離に私は身体を再び固くした。
彼と目線を合わそうと見上げれば、明るく艶のある茶髪の前髪を掻き上げ、妖艶に細めて微笑む彼の切れ長の目に出会う。
動揺しそうになるのをグッと堪える。
女性の扱いに長けてる彼の職業を思えば、仕草で女の目線を奪うことなど造作もない。
かといって、さっきの取材中から彼と仕事以外で接点を持ちたくないと思っていた私としては、彼の術中に嵌まる訳には行かなかった。
「…先程ご挨拶の際にお渡した名刺、ちゃんとご覧になりましたか?」
「はい、“木原 柚子”さんと書いてありました。」
「でしたら、私が“君嶋なんちゃらさん”じゃないことは分かりますよね?」
「見間違いしません。何よりその声…貴女は声優の“君嶋ゆこ”さんだ。」
(声…この人やっぱりオタクだったのか…。これは逃げるのが厄介かも…。)
だからと言って、既に過去の存在として封印した“君嶋ゆこ”として彼の前に立つつもりはない。
「私は“君嶋なんちゃら”さんを知りません!」
「僕は知ってます!だって…」
更に間合いを詰めてくる彼から逃げようと、後ずさった。
「本当に人違いですってば!」
「いいえ、僕が貴女のこと見間違えたり声を聞き間違える筈なんてない。貴女はゆこさんだ!」
(どうしよう…このままじゃ…)
そう思っていると、不意に背中に硬い物があたった。
とうとう、壁際まで追い詰められたのだ。
「僕は貴女が好きだったから…それに…。」
私が否定を重ねる毎に、さっきまでの余裕の表情が彼から消えて、彼は切なげに私を見つめていた。
大体からして、女に不自由していないであろう注目のイケメンである彼が何故、過去の存在である“君嶋ゆこ”に執着するのか謎すぎる。
「あ、貴方が何故そんなに必死なのか…私には良く分かりませんが…本当に…ひ、人違いですし…正直言って今…私は貴方が怖いです!」
私を見下ろす彼の顔がハッと我に返った。
「…すっ、すみません。」
彼が避けてくれたので、私はサッと彼から離れて鞄を取った。
「あの…僕…」
彼の口からそれ以上言葉が紡がれない様に、私は言葉で遮った。
「本日はお時間頂き有り難うございました。ほ、本来なら玄関までお送りしたいのですが、い、今の私はこの通り…色々と動揺しておりまして…お見送り出来ないことをお許しください…。後日に控えてますグラビア撮影の方もよろしくお願いします。」
「あ、待っ…」
彼は引き留めるように声を上げたが、私は無視して頭を下げてミーティングルームから飛び出した。
丁度帰ってきた、カメラマンのキミちゃんに彼の見送りを頼み、少し時間は早いが次のスケジュールをこなすべく外に出た。
「…で、どうだった?噂のイケメンAV男優は?」
「最悪…」
「へっ!?」
仕事終わり、高校時代からの親友である成宮貴子と待ち合わせた個室居酒屋で、私はビール片手にテーブルに突っ伏していた。
今日の取材は、女性向け雑誌の特集記事で今注目されている女性専用AVで活躍しているセクシー男優のインタビューだった。
イケメンAV男優・宇佐美 樹
それまでメディアに登場してきたAV男優とは違い、色物臭もなく、イケメンだが灰汁の強さもなく、爽やかで女性受けする人物だった。
AV男優を職業としているだけで、話してみれば好青年。
しかし、インタビュー中に“声フェチ”であると告げられた時、真っ直ぐ私を見つめた彼の熱のある視線に私の頭の中に危険信号が響いた。
そのあとは、案の定…いやそれ以上の展開が待っていた訳だが…。
「“君嶋ゆこ”の亡霊に取り憑かれていた。」
「…あちゃぁ…マジか…」
「いきなり詰め寄られて、壁ドン未遂まで追いやられて泣きそうになったわ…。」
「声優を引退してもう10年経つのに、まだアンタのファンがいたとはね…」
「そんなに有名でもなかった筈なんだけどなぁ…私。」
プチプチと枝豆を口に放り込み、咀嚼しながら私はごちた。
「現役高校生声優って持て囃されてたクセに、アンタって自己評価低いよね…。」
「若いから話題性で持て囃されただけだもん。声優としての実力はそんなになかったのは自分が良く分かってるし。」
だから、小学3年から続けてきた子役声優という仕事から高校3年の春に引退し、必死に大学受験して今の大手出版社に就職したのだ。
その事については、私は後悔していない。
親の言いなりで始めた子役の仕事だったけど、楽しかった。
自分の限界を知るまでは…。
楽しいから好きだから続けたい!とゴネてなんとかならないことも分かっていた。
だから、後悔はしていない。
今は編集者として充実した日々を過ごしているし。
「…で、どうするの?その亡霊に取りつかれてる宇佐美 樹は?」
「どうもしないよ?ビジネス以外で関わるつもり全くない。明後日の撮影が終われば編集者としての私はお役御免!来月の特集記事を書き上げて無事に出せれば、それでよし!それまでは何としてでも、“君嶋ゆこ”だったことはバレないように秘密を死守する!」
先程テーブルに届いたばかりの唐揚げを食べながら、私は拳を握った。
「勿体無いなぁ…AV男優である以外は問題なさそうなのに…。好青年だったんでしょ?」
「貴子、面白がってるでしょ?」
「まぁね。性産業を生業にしているからって、人間性まで否定したりするのは違うと思うんだよね。扱っているのは人間誰しも持ってるの三大欲求の一つである訳だし、誰もが持っている欲求だから需要があっての生業なのに、下事情を扱っているってだけで見下されるとか…。まぁ…ダーティーなイメージがあるから尚更なんだろうけど…」
「人それぞれだとは思うけどね。実は“役者”として括るなら、やってることはあまり変わらないんだよね。人の欲求を満たす職業ってところは…。心を満たすのか?それとも身体的欲求を満たすのか?その差だけだと思う。声優の仕事にも声で欲求を満たすって仕事はあるし。」
「アンタも声優って“役者”を生業にしていたからなんだろうけど、そう言う差別的な考え方を持っちゃいないし、彼とは丁度上手くいくんじゃないかって思っただけなんだけどさ。」
「何それ?」
貴子が一口飲んだジョッキを置き、私の顔を覗き込む。
「柚子、もう28歳だよ?活字を紡ぐ仕事にだけ明け暮れていちゃいけないと思わない?チャンスだと思うけど?」
…分かってる。
女子としても、女性をターゲットにした雑誌編集者としても、まだ枯れちゃいけない。
分かってるよ…。
前の彼氏と別れたのは6ヶ月前…。
出版業界では有りがちな理由で別れた。
『仕事があればお前は…俺が居なくても大丈夫だろう?』
確かに彼氏がイナイならイナイでなんとかなってしまっている。
別れた当初は相当に凹んだけど…。
風の噂で年下の彼女と婚約したらしい彼の事は、流石にもうどうでも良いけど、恋愛に前向きになるには、まだ心の傷が疼く。
貴子に言われるまで、あまり気にしていなかったけど、そろそろ年齢的に御一人様でいることがキツい歳になっていることも自覚している。
でも…だからと言って、今日出会ったばかりの好青年ではあるけど、私専用の得体の知れない地雷を隠し持っていそうな男を選ぶのは安易すぎだ。
「声フェチオタク男に色目使うほど、男に飢えてないし!」
「まぁ…面白いことになることを私は祈ってるわ。」
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