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新・第一章 月ノ氷結花編

第八話 月華神公パレッツ②

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「ふむ…治さないのですか?」

「あぁ。直さない。ハンデだよ…!」

パレッツは顔色を変えない。リアクの顔を伺っているように見える、

「リアク・ガルディア。読めたぞ。貴様のその剣…対象に7回傷を与えれば、魔力を奪うというものか…どこかで見たかと思ったらそう、奸雄エンプェイア…彼と同じ魔法だから気づけたよ…」

奸雄─…エンプェイア・ファンドレイ。アルガン様が殺したはず。いや生きている間に見たかもしれない…。

「危ないねあと何回かな?1?2?3?…どうあれこうするのみっ!」

刹那。
リアクは右腕の感覚を失った。失ったと言うより、失われた。そうパレッツの能力、神速である。神速で動いたパレッツの手刀はいとも容易くリアクの右腕を胴体から分離させたのである。

「…っ…」

くそ…あと2回…あと2回だった…!くそ…勝てたはずなのに…。

「かのギヴェルトス・ツェペルリアを倒した者とは思えんな」

1段階レベルを上げるか…、次元を試そう…術式はまだ早い…。深呼吸をし、唱える。

「ふぅ…英雄ナル我ガ次元ヲ唱エル…」

リアクの目が紫色になる。しかし、久しぶりに使う次元に体はまだ対応出来ていなかった。

「ぐっ…」

唇の端から、血を少し垂れ流すリアク。内蔵が破裂しているのも相まって、血はどんどん流れてくる。

「極聖大っ…!!」

左手に魔力を込める。

あいつを…一撃で殺せるほどの力で…っ、やるしかない…!

「解放っ!!」

リアクの視界は光で包まれた。その光は数十秒続いた。轟音と共に、何かが起きている。でも分からない。何も見えないのだ。

数分後。砂埃も消え、当たりが見えるようになった。巨大なクレーターが出来上がっていた。そしてパレッツの姿もなかった。

「よし…よかった…金河生命術式…金叡電」

失われた右腕から肉塊が生え出す。

「英雄ナル我ガ唱エル、治癒、英雄の嘆き」

そして右腕が右手、指まで生え回復した。

「よし…1度帰ろう…」

リアクは右腕の部分だけ肌が見えたまま、1人帰っていった。



月華議事堂。月光の間。

「…で、なにやってんのパレッツはさ」

そういうのは月華神公の序列9位神授ノ代価レェーファである。そしてそれに続くように言う。

「序列6位なのに恥さらしてくれちゃって、ったく…今日は帝謁総会なのにさぁ…」

帝謁総会とは月1に行われる、月光帝と月華神公による会議である。

「これは陛下怒ってしまうなぁ…」

「レェーファ。陛下の前ではそのようなことはいうなよ?」

第2位、極意ノ神髄ベネフェクトである。

「知ってるよー、。心配せんといてねぇ」

「神公様方。月光帝陛下がお呼びです」

そして月光の間から移動した月華神公達。帝謁総会の始まりである。
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