上 下
96 / 132
最終章 絶望と克服、全ての始まり 中編

第八話 英雄の帰還

しおりを挟む

「リエ!リアクが起きたって本当か…って─」

ベールックは勢いよく扉を開けるとリアクが水を飲んでいた。

「よ、ベールック。7年振り…?だな!」

「リアクぅぅう!」

ベールックは泣きながらリアクに抱きつく。

「ちょ、離れろって!」

「やっと帰ってきたんだな…。よしこれはすぐ新聞に載せなきゃな!」

ベールックどこかに行った。

「あーあ。リアク大変なことなるね」

リエが2階から降りてきた。

「なんで?」

「だってベールック、魔法隊の広報長官なんだもん。そりゃー多くの情報網あるし都市では誰もが知ってる人物だよ?あ、もちろんリアクもね」

まさかこの7年でベールックが有名人になっていたとは…それに魔法隊って…何?今みんなはどれくらい生きているんだ…

「リエ。今はどれくらいが生きているんだ?それと魔法隊って… 」

「今はゴンバレフォードって言う都市に23万人くらいが住んでるよ。魔法隊って言うのは私が最高長官を務めてる…うーん軍隊?でも…農業とかもしてるし…」

「あーまぁわかった。ありがと…とりあえず俺は久しぶりに魔法の練習でもしてくる」

リアクは家から出て少し遠い平原に向かう。



「ふぅ…英雄ナル我ガ唱エル…属性火…獄炎、白夜」

一瞬だけ空が輝いたあと激しい爆発が起きる。それは数km離れた地面をも焼いた。リアクは絶望して間に前よりも何倍、もしくは何百倍と力が強くなっている。

「力は健在かな…ふぅ…」

『いでよ…希望の剣…ホフルギウス…』

白く持ち手と刃の真ん中に青い宝石が埋まっている。

希望もある…今度こそお前を倒すぞ…キルトス…

ホフルギウスを空に向けるリアク。

「ん?あれはアシュペナと似たような服だな…ちょっと近づこ…」



「セルド様。人間が─」

「わかっている、だかまだ悪と決まったわけじゃない」

険しい顔をするセルド。

「おーい、お前らまさか吸血鬼か…?」

その言葉を聞いた瞬間セルドは剣を抜き、リアクの首に向ける。

「貴様、吸血鬼と接触があるっ─」

「お、お前…」

セルドとリアクは7年ぶりの再会だ。

「兄貴…!」

セルドはリアクを睨む。

「シゼル兄貴のことをなんとも思わなかった…ゲス野郎…まだ生きてたか!」

セルドはものすごい速さで剣を振る。それを焦りながら避けるリアク。

「なんの事だよ!?…俺はシゼル兄さんのことをちゃんと思っていた」

「嘘だ…他の人が死ねばいいのに…なんでシゼル兄貴が…」

リアクはその言葉を聞いた瞬間、瞬間移動したかのような速さでセルドまで近づきセルドの顔を殴った。

「がっ!」

「お前…人の命を軽く見るな…シゼル兄さんが死んだは悲しいだが…死者は死者なんだ…もう戻らない…」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

ちょっとエッチな執事の体調管理

mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。 住んでいるのはそこらへんのマンション。 変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。 「はぁ…疲れた」 連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。 (エレベーターのあるマンションに引っ越したい) そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。 「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」 「はい?どちら様で…?」 「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」 (あぁ…!) 今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。 「え、私当たったの?この私が?」 「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」 尿・便表現あり アダルトな表現あり

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...