50 / 132
バベル戦争編
第十四話 家出
しおりを挟む「お前らに伝えなくちゃいけないことがある」
ヒガルティアは真面目な雰囲気を漂わせてた。
「シゼルが死んだ」
「えっ、」
リナはショックのあまり声を漏らした。実の兄が死んだんだそれはそうだろう。
「嘘…だろ?」
セルドの目から光が消える。セルドは小さい頃からシゼルと一緒に遊んできたそれが一気に崩れた気持ちそれが一番この気持ちにあっているだろう。
「…」
何も言えない。目の前で見たんだ。
「誰が誰が殺したんだよ!」
セルドが声を上げる。
「不明…国からはそう聞かされている…」
〔不明…!?国はなぜ悪魔や四天王のことを隠蔽してるんだ…〕
「不明ってなんだよ!家族が死んでんのに!ちゃんと調べてくれよ父上!」
「すまないが…それは叶わない…」
父上は下を向いた。
「クソがっ!クソが…くそ…が……」
セルドの目から涙が出る。
「俺は信じねぇ…シゼル兄貴は生きてる。俺は俺の人生を使ってシゼル兄貴を探し出す…兄貴…今までありがとう。俺はこの家を出る…」
「ちょっと待てよ、セルド!」
リアクが怒鳴る。
「なんだよ…兄貴…兄貴はシゼル兄貴のことがどうでもいいのか!」
「どうでもいいわけないだろ!でもよ、それで家を出るのはおかしいだろ。シゼル兄さんの死を受け止めて、それを経験にして生きていくんだ!兄さんはずっと言っていた!他人の死を受止める。そしてそれを経験にして生きていくんだ、人の死は決して無駄じゃない、だからシゼル兄さんの死も決して無駄じゃないんだ、」
「クソが…兄貴の言い分もかるよ…でも俺の失望感は誰が死のうと補えない。じゃあな兄貴」
セルドは勢いよく家を出ていった。
「すまない…リアク、リナ、ロナ…今言うべきではなかったな…」
「父上今言わないとケジメがつかなかったので大丈夫です…」
ケジメをつける…か…俺に言えたことじゃないか
木々に囲まれた道をだんだんと歩くセルド。
「がはっ…!」
セルドは謎の槍で釣り抜かれた。
「おい、人間。吸血鬼になれ」
女の声が後ろから聞こえる。
セルドは槍を抜かれ血を吐いた。
「大丈夫だ。時期に吸血鬼になり、傷も治るだろう」
「さ、行くぞ」
セルドは襟を引っ張られながら連れてかれた。
リアクとリナは魔法学校に一緒に行っている。
「ねぇお兄。リノの家によっていい?」
「あぁいいぞ」
リノの家の扉が開く。
「おまたせ~ってリアクもいるんだ」
「何、居たら困るか?」
「いやいや、そんなことは無いよ全然!」
「ほんとか?」
平和な会話これが一番楽しい。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる