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第四章 公爵の野望

第二十九話 世界の破滅

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「そうしたら私が建造した戦艦で迎え撃つとするか」

エスロはタバコを吸いながら言った。

「それはいいなぁ…」

その言葉を聞いた時場の空気は一変した。

統合会長ベジャガル・フェアルド・バクティアル。7代目バクティアル家当主。資産は1180億Oオルド(3457億4000万円)ウィル帝国軍とも仲が良く、支援金もだしている。

「統合会長殿。どうされたのですか、普段は役員会議に出席などされないのでは」

第4支部会長ゼバルーア・ゲンビオネスが機嫌を伺いながら言った。

「ジャイネス・サンベークが殺れた」

「なっ、!ベルリアルの弟が?」

第5支部会長トレグス・アンベーク。27という若さで会長に上り詰めたエリートだ。

「そしてジャイネスの領地の半分が私らに、もう半分がアトラス政府に渡された。そのためジャイネスが経営してた企業が無くなったため保有率が下がった。まぁ、20%は維持できているが」

「何とかしてジャイネスの分を埋めないとですね」

第9支部会長レル・メイロステ。歴代初めての女会長である。

「それはベルソガの役目だ。頼んだぞ」

「了解しました」



「な、なんだ…」

「この揺れは…!」

地面に無数の亀裂が走る。その亀裂からの隙間が白く光る。そして地面が爆発し巨大な影が現れる。爆発音が鳴り止まない。煙が全てを覆うかのようだ。

「で、でかすぎる…」

レグゼータの高さは3,200m。200km近く離れたバベルティア王国最南端からも見えるほどだ。

「それじゃあ第17級魔法。広範囲攻撃ケルツ

ベルリアルはレグゼータの脳部から命令を出している。

レグゼータを囲むように空から雷が出現しだんだんその雷の輪は広がっていき地面の建物に直撃し爆発していく。家はレンガ、木、コンクリート。コンクリートは1691年に実用化され始め大陸全体の37%がコンクリート建築である。だからすぐに爆発していく。まさにレグゼータは破壊王にふさわしいだろう。

「全艦砲撃よーい!」

ペルドティア帝国海軍中将のベルトが海軍の第二艦隊から第六艦隊まで全28艦の戦艦がレグゼータの方に主砲を向ける。

「てぇい!」

直後、爆発音が無数になる。だがレグゼータは
防御魔法を展開して砲撃を無力化した。

「一点集中狙いだ!」

ベルトは一点に集中攻撃をしてバリアを突破しようとしている。

「てぇい!」

そして、バリアが破れた。
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