3 / 132
第一章 魔法学校入学
第三話 事件の後
しおりを挟むグランフラント王国北部。アトラス王国、ノルノニア帝国、そしてグランフラント王国に挟まれた湖、ハガレヤ湖。そこから西に2kmほど言ったとこにある邸。
「リアク様!リアク様!」
メイドのラミ・レビッタが起こしに来た。運命かは知らない、だけどリアクはまたリアクと言う名を持った。
「ん~なに…」
目を擦りながらベットからおりる。外は晴れで陽の光が部屋中が明るかった。
「何じゃありません。今日は首都に行く日ですよ」
メイドは親のように言った。優しく、温かみのある声で。
「それに今日はあの事件からちょうど7年ですし」
「もう7年…」
リアクは悲しい雰囲気になっただろう。見た目からでも分かる。リアクはあの鉱山爆破から生まれ変わり隣国の貴族ヒガルティア公爵の子として生まれた。そしてもう7歳。
グランフラント王国の首都キュズリアに到着したリアク達はすぐに別荘に向かった。
「今日は隣国のノルノニア帝国で起きた国際的事件『サリル金山爆発事件』からちょうど7年です。作業員7人監督官3人執行官1人の計11人が死亡しました。皆で黙祷─」
真ん中にいる人が、悲しみた声で言った。リアク達も悲しくなるような声で。あの後、リアク含む11人が爆破の影響で臓器を悪くし約1ヶ月で死亡した。
「キャッ!」
リアクと同じくらいの少女が悲鳴をあげた。何者かに連れ去られそいつらは路地裏に隠れた。リアクはその方を見、走る。だがリアクはまだ7歳。到底かなわないと思うがー
「おい、離してやれよ」
リアクが言った先には2人組の黒ずくめの20歳くらいの人が少女を抑えていた。
「あぁ?ガキは黙ってろ」
1人がこっちに来る。
〔確か…お父さんの本で…〕
「火弾!」
リアクは左手で右腕をつかみ魔力を振り絞り右手の手のひらから火のようなものが向かってきた1人に当たった。『バァン!』という音が聞こえそいつは倒れた。
「うわぁぁ!」
悲鳴をあげ2人組は逃げた。リアクはさっぱり分からないが、7歳児にしては魔力が強すぎたのだ。
「ふぅ…良かった…」
連れ去られた少女はリアクに泣きながら抱きつく。
「あ…」
リアクは抱きしめられたのは初めてだったため頬を赤らめた。
「……」
「リアク様!」
ラミの声だ。怒鳴る声のような感じの。初めて聞いた声だった。だが、その声はすぐ消え優しい雰囲気な感じが後ろを向いていてもわかるほど。
「もう大丈夫ですよ」
ラミはリアクと少女を優しく抱きしめた。
「お嬢さん、お名前は?」
「ララ・アペニア…」
少女はラミに不安を抱かず素直に言った。
「アペニアってゴルッソ伯爵の?」
「そうだよ、ゴルッソは私のパパだよ」
少女は笑みを浮かべ言ってくれる。赤い瞳でラミを見ながら。その瞳は本当に綺麗だ、国宝級と言ってもいいと思う。
「そうじゃあゴルッソ伯爵はどこ?」
ラミはララを抱き上げて歩きながら言った。
「パパは今貴族の方々と会議してるよ」
「会議?そんなのあったっけ…」
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
ちょっとエッチな執事の体調管理
mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。
住んでいるのはそこらへんのマンション。
変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。
「はぁ…疲れた」
連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。
(エレベーターのあるマンションに引っ越したい)
そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。
「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」
「はい?どちら様で…?」
「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」
(あぁ…!)
今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。
「え、私当たったの?この私が?」
「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」
尿・便表現あり
アダルトな表現あり
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる