1 / 132
第一章 魔法学校入学
第一話 爆破計画
しおりを挟む『カン!カン!』
サリル金山で働く作業員達の持つツルハシの音が坑道に響く。音は絶えず鳴り続ける。
「ふぅ~。あと6時間か…」
リアクは額にかいた汗を手首で拭う。
坑道には30人以上の作業員が重い重いツルハシを降って山を削っている。中は暗く唯一明るいのは広場の松明だ。
「おいそこ!手が止まってるぞ!金を貰うならちゃんと働け!」
そう言って監督官のシャベイがリアクを指さしこっちに向かってくる。坑道にはその足跡が響く。
「ん?なんだリアクか少し休憩か?それなら言ってくれればいいんだがなぁ」
リアクは作業員の中でも優秀で毎日のスコアの倍以上働くほどだ。そのため監督官などの幹部の人からも信頼が厚いため昇進の議案もされている。
「ちっ、またリアクかよ」
作業仲間のレア・フィリットは優秀のリアクをひどく恨んでいる。レアの家はリアクの家と長い付き合いであり仲がいいが、レアは性格が良いとは言えなかった。
「そうだ…。おい、タルガテ」
タルガテはレアと仲が良く中学校でも同じクラスである。歳はリアクと同じ15歳。
「なんだ?」
タルガテは坑道の岩をつかみ、潜りこっちへ来る。
「お前の家確か爆弾製造工場だろ?」
レアは悪巧みをした犯人のような目をしタルガテを見る。
「あ、あぁそれがどうし─」
レアはタルガテが話終わる前にタルガテに近ずき犯人のような顔をした。
「だろ!それでさぁ爆弾を少し欲しいんだよ」
坑道に少し響いた。それを聞いたのか別の監督官が来る。
「おいお前ら、爆弾だどぉ?何に使う」
近ずいてくる足音が近ずいてくる。監督官アレイバーク。元軍人でもあるから監督官の中では怖い評判がたっている。
「あぁ、これはこれはアレイバーク監督官。爆弾は私の趣味の実験で使うために」
レアは焦らず冷静にいつも通りに振舞った。
「そうか…ならいい。ちゃんと手を動かせ」
アレイバーク監督官はそう言って坑道の奥へ進む。
「それでリアクを呼び出し通路を爆破。窒息死させるんだ!」
「な、何言ってんだよ!」
タルガテは驚いた表情だった。その声は坑道に響いただろう。恐らく奥へ行ったアレイバーク監督官にも聞こえただろう。
「しー!大丈夫。金はあげるからよ…」
タルガテは息を飲む。その音はレアにも聞こえるほどに。
「い、いくらだ…」
「20万Oでいいか?」
焦りながら、闇金に手を出すかのような震えた声でタルガテに言う。1O日本円にして2.93円。つまり日本円で58万6000円。
「そ、そんなに…いいのか?」
「あぁ」
坑道の壁を向き作業してる振りをしながら話を続ける。
「じゃあ明日渡すな!」
「わかった」
タルガテは運び途中の石が満杯に入った手押し一輪車を再び運び出す。
『ガラガラ』
話が終わり岩を掘る音、石の揺れる音が一段と大きくなった気がした。
「ははは…死ねリアク…」
この時レアという人格はもう消えていただろう。
4
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
ちょっとエッチな執事の体調管理
mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。
住んでいるのはそこらへんのマンション。
変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。
「はぁ…疲れた」
連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。
(エレベーターのあるマンションに引っ越したい)
そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。
「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」
「はい?どちら様で…?」
「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」
(あぁ…!)
今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。
「え、私当たったの?この私が?」
「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」
尿・便表現あり
アダルトな表現あり
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる