21 / 23
第二章 エルフ王国《スーランド》
第十九話 いざ王国へ
しおりを挟む俺ルイス・ヴィルヴィスタンは旅に出た。統一歴646年。ヴィットスタン帝国陸軍中佐の俺は、元帥令でスーランド王国に出向くことになった。
「はぁ…疲れたよー」
「まだ全然つかないぞ。まだカルベージ王国だからなアリア中尉」
ルイスとアリアは現在、カルベージ王国の首都パリストから約400km離れた、リンヨに居た。
そしてちなみに、アリアは中尉に昇進した。
「はぁ…わかったよ。でも今日はここで一泊ね」
「わーったよ!そのかわり明日から頑張れよ」
「はぁい…」
チェックインし、ルイスとアリアは宿へ入る。
「世界に散らばる100以上の物を集めるのはいささかめんどくさいとしか言えませんな…」
黒いスーツを着たものが言う。
「我ら人類の存在を神に近ずけるべき、終末の楽園へと誘わなければならない。そのために行うものに対し、そう考えるなら怠惰と言わざるおえんぞ」
黒い服に飾緒を付けた老人が言う。
世界のどこか、それしか分からない場所で3人の軍人と思われる人がいた。
「相変わらず、計画に対し忠実でありますね」
「第8委員会が我々にこの計画を遂行するように名を出したのは我々が優秀であり、いい駒だからだろう。見かけは忠実な所をみせ隙をつき崩す」
「やはり性格と行動は似るもんですね。ではこれで私は失礼致しますね」
黒いスーツの者はどこかに消えてしまった。
「ジェウス。お前はどこまで彼を利用する気だ」
茶色の軍服を着た老人ものが言う。
「神帝法典どおり進める。委員会が望むのはそれだ。今はそれでいい」
「…昔からお前は変わらないな」
にしても、エルフの国。スーランド王国。どんな感じなんだろうなー。異種族国家に行くのは初めてだし楽しみ。
「ねぇルイス。エルフと人間ってそんなに仲良くないんでしょ?なのに行って平気かな」
「元帥閣下が何を考えているかは正直分からない。けど命令だから行くしかないさ」
「ルイスも中佐っていう高級幹部なのに、元帥閣下の駒だもんね」
皮肉混じりに言うアリア。
「おちょくってんのか、」
「んなわけー中佐殿」
よく分からない会話をしながら、時間を潰す2人。
同日夜。
「はぁ…作戦報告書書くのめんどっ、。その分手当貰えるからええけど、」
時計を見ると22時を回っていた。そんな時。ノックがする。
「ん?アリアか…?入れ」
「失礼します」
アリアだと思っていたがそれは違った。
見知らぬ声に振り向くルイス。
「帝国陸軍省のスン・ブラージェルです。大臣がこれを、」
一通の手紙と紙をルイスに差し出す。
アストラブ閣下が?俺に?
その手紙にはこう書かれていた。
久しいな。ルイス。単刀直入に言うが、貴官が本作戦に失敗した場合、我々は王国に武力行使する羽目になる。くれぐれもミスを犯さずように。それとスーランド王国周辺にテロ組織がいるらしい、気をつけてくれ。
はっ、押しつけかよ
「ありがとう。この手紙は処分しといてくれ」
「はい。失礼しました」
…。陸軍省はこの作戦に命をかけてるな。そろそろグラウが、あの計画を始動し始めている頃合いだろうな。波乱の時代の幕開けだ…。
同時刻。ヴィットスタン帝国帝都。中央省庁街、帝国軍遠征軍司令部。
「そうか。彼奴は今リンヨか。順調なんだろうな」
遠征軍。遠征大参謀室。そこには1人の上級大将と1人の少佐がいた。そして、上級大将セルゲッターは副官、ラウ少佐に尋ねる。
「はい。現在遠征特殊群第五部隊が、追跡中です」
「スーランド王国。人が入ると人ならざるものにそれ帰ってき、スーランド王国の兵隊になってしまう。通称エルフの囁き。彼奴が交渉する時、魔力探知機などを使い、必ず発見しろ。エルフの囁きは国際問題になっている」
「セルゲッター閣下がそこまで危惧されるのですね」
「本件は元帥命令とされているが、本当は勅令なのだ。陛下も危険視されている」
「なるほど…、」
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
バランスブレイカー〜ガチャで手に入れたブッ壊れ装備には美少女が宿ってました〜
ふるっかわ
ファンタジー
ガチャで手に入れたアイテムには美少女達が宿っていた!?
主人公のユイトは大人気VRMMO「ナイト&アルケミー」に実装されたぶっ壊れ装備を手に入れた瞬間見た事も無い世界に突如転送される。
転送されたユイトは唯一手元に残った刀に宿った少女サクヤと無くした装備を探す旅に出るがやがて世界を巻き込んだ大事件に巻き込まれて行く…
※感想などいただけると励みになります、稚作ではありますが楽しんでいただければ嬉しいです。
※こちらの作品は小説家になろう様にも掲載しております。
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
嫌われ者の悪役令息に転生したのに、なぜか周りが放っておいてくれない
AteRa
ファンタジー
エロゲの太ったかませ役に転生した。
かませ役――クラウスには処刑される未来が待っている。
俺は死にたくないので、痩せて死亡フラグを回避する。
*書籍化に際してタイトルを変更いたしました!
転生したら倉庫キャラ♀でした。
ともQ
ファンタジー
最高に楽しいオフ会をしよう。
ゲーム内いつものギルドメンバーとの会話中、そんな僕の一言からオフ会の開催が決定された。
どうしても気になってしまうのは中の人、出会う相手は男性?女性? ドキドキしながら迎えたオフ会の当日、そのささやかな夢は未曾有の大天災、隕石の落下により地球が消滅したため無念にも中止となる。
死んで目を覚ますと、僕はMMORPG "オンリー・テイル" の世界に転生していた。
「なんでメインキャラじゃなくて倉庫キャラなの?!」
鍛え上げたキャラクターとは《性別すらも正反対》完全な初期状態からのスタート。
加えて、オンリー・テイルでは不人気と名高い《ユニーク職》、パーティーには完全不向き最凶最悪ジョブ《触術師》であった。
ギルドメンバーも転生していることを祈り、倉庫に貯めまくったレアアイテムとお金、最強ゲーム知識をフルバーストしこの世界を旅することを決意する。
道中、同じプレイヤーの猫耳魔法少女を仲間に入れて冒険ライフ、その旅路はのちに《英雄の軌跡》と称される。
今、オフ会のリベンジを果たすため "オンリー・テイル" の攻略が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる