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第二章 帝都編

第十四話 謎の大将エンブェルフ

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「閣下。お車の準備完了致しました」

「ああ、今いく」



エンブェルフ大将などはいないはずだ…これは大事になりそうな予感だ…

帝国軍の統合軍事本部に来ていたペルシア。

道行く者は全員敬礼していく。

勢いよく扉を開け、捜査局の中に入る。

「これはこれは…ペルシア准将閣下。今日はどうされました?」

「調べて欲しい人がいる」

「というと…?」

机に書類をだす。

「えーっと…エンブェルフ・ビットーリオル…?聞いたことないな…わかりました!調べてきます!」

「頼んだ」

ペルシアは捜査局を後にし、諜報部にいった。

「長官、諜報部の力をお貸しして欲しい所存であります」

「どうしたペルシア准将、、」

ペルシアは帝国軍諜報部統括長官のイフォルバーク・ベウレントリア大将に話に来ていた。

「実は先程帝都防衛第三連隊長のヴィルロット中佐がエンブェルフ大将の命令で行動をしていたのですが、エンブェルフと言う人をご存知ですか?」

「エンブェルフ…?どこかで聞いたことがあるな…なんだ…」

イフォルバークは悩み込む。

「そのエンブェルフ大将という人を調べて欲しいのです」

「了解した、結果が出したい貴官を呼ぶ」

ペルシアは敬礼をし部屋を去る。



「アリア少尉。貴官もルイス中佐の行方を探っているのか」

「ぺ、ペルシア准将。は、はい…ルイス中佐が何かやらかすとも思えませんし…」

アリアとペルシアは図書館で話していた。

「やはりそうだよな、ルイス君はなにかヘマをするような子では無い。私もついさっき例のエンブェルフ大将という人を調べて欲しいと捜査局と諜報部に依頼をした」

「それはありがたいですね、早く何が起こってるのか理解したいですね」

「あぁ。ルイス君の安否を知らなければな」



「あいつを連れてこい、」

久しぶりに独房から出されたルイス。

「げほっ…、貴様ら…これはれっきとした軍規違反だぞ…っ!」

「黙らせろ」

イフォルバークの付き人がルイスを殴る。

「ぐっ…」

軍人たちはルイスを軍用車に入れる。

「出せ」

1台の軍用車は走りだす。

「しかし閣下、なぜ統一軍事会議本部へ行くのです?」

「軍法会議場はそこにある。こいつを反逆罪で告訴するのだ」

「なるほど、頭が切れますね閣下」

「─よって、ルイス・ヴィルヴィスタンは反逆罪として軍法会議及び軍事裁判所に告訴状を提出致します」

ピポスト中尉は発言する。

「書類は全て揃っているな…」

ルイスが…!?そんなことあるわけない!

傍聴席では内容を耳に入れるアリア。その横にはペルシア准将もいた。

ったく、アイツらが犯人なのに…証拠がない…

「当会議は告訴状を承認し被告、帝国陸軍中佐ルイス・ヴィルヴィスタンを反逆罪として逮捕し、懲役3年。帝国陸軍中佐を剥奪し4階級降格とし帝国陸軍少尉とし、犯罪歴がついたため少尉補に降格とする」

4階級降格!?いくらなんでも酷すぎる!それにルイスが反逆って…そんなことありえない!

アリアは少し焦りを見せる。

そしてペルシアは…

懲役3年…厳しいな…。誰が裏でこんなことをしているんだ…

「くっ…やっとできた…」

小声で言うのは傍聴席にいたヴィルロット中佐であった。

「被告を連れていけ」

ルイスは抵抗せずに連れてかれる。
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