15 / 23
第二章 帝都編
第十三話 眠る者
しおりを挟む帝都郊外の山奥には使用目的が分かるはずもないだろうトンネルがあった。
ルイス達はそこを歩く。
「そういえばルイス中佐殿。銃を預からせて頂きます」
歩きながらピポスト中尉が言う。
「何故だ」
「この先は銃器携帯禁止区域ですので」
へえ、防衛装備が無くなっちゃうな。
「帝国陸軍佐官特権。正式な携帯禁止令状がなければ銃を携帯してもよい…とある」
「わかりました。失礼しました」
しかし例外があるんだよな。将官の命令であれば携帯を許可しない…それがきつい。
「少佐到着しました」
ピポスト中尉と謎の少佐は話す。
着いた…のか。一体何が起きるんだ?
重い扉が開き、中に入るルイスたち。
「連れてきたか…」
「お待たせしてしまい申し訳ございません閣下」
「貴様がルイス中佐とやらか…」
誰だこれ…この軍服は…ん?帝国軍の軍服に似てるが…、何かが違う…。そして階級章を見るに中尉か…。しかし閣下とよばれている…将官では無いのか?
「はっ。帝国陸軍中佐のルイス・ヴィルヴィスタンです」
「そうか…、私は帝国軍少将のプロメテウスだ。訳あって今は尉官服を着ているが、私は将官だ」
プロメテウスは右目に眼帯をしていた。
「そうですか。しかし少将閣下はなぜ私を呼んだのですか?それに私がこの中尉に聞かされた人と違うのですが、この中尉はエンブェルフ大将がお呼びと言っていましたけれど」
「拘束せよ、」
プロメテウスがそう言うと少佐とピポスト中尉はルイスを取り押さえる。
「くっ!なんだ!何をする!」
ルイスは手錠を付けられる。
くっ!…対魔手錠か…、魔力を封じる手錠…。これは動けないな…
「ルイス中佐…貴官を反逆罪として軍法会議にかける」
「反逆罪だと…、!?何も知らされていない者を反逆罪として会議にかける…何が目的だ」
プロメテウスを睨みつけるルイス。
「貴様の始末」
「誰の命令だ…っ!」
「それは言えん。君には関係ない」
「関係しかないだ─っ…く」
スタンガンを腰に当てられ、抵抗していたルイスは動きを辞めた。
「独房にぶち込んどけ」
「ルイス何やらかしたんだろうな…大将に呼ばれるなんて…」
「それは知らんだろ、けどあいつがやらかすとはお前んぞ…、」
アリアと同期のアルストは街のカフェで話す。
「すいません!あのアルスト中尉ですか!?」
1人の10代であろう女子が話しかけてくる。
「あっ、そうだけど…?」
「一緒に写真撮ってもらってもいいですか?」
「あ、いいよ」
えっ、なにこれ。アルスト…あいつファンみたいなのいたの…?え、なんで、え?
「ありがとうございます!」
「はーい」
「え、アルスト…お前如きがなんであんなことされるの…?」
直球な質問をするアリア。
「なんか最近巷でイケメン帝国軍人アルスト中尉っていう新聞の記事が有名になってるんだよね」
「それでか…、お前がなぁ…」
「なんだよ…?やっぱイケメンだからさー人気になっちゃうよね!」
「…は?」
「………すいません…」
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる