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第一章

第六話  100年振りの戦争

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統一歴645年。それは突如始まった。レオタルド王国の陸軍大臣がアーポスト共和国の軍人に刺され死亡したと言う。

「いやぁ…これはこれはよくぞお越しくださいました。アルベータ上級大将レオタルド王国陸軍大臣閣下」

「そちらも招いてくれてありがとう。クリス大将。ここはいい建物があるのぉ…実に羨ましっ…ぞ……」

両国の陸軍大臣が握手を交わした時。後ろにたっていた軍人がアルベータに剣を突き刺したのだ。その軍人はすぐに刺殺された。

これをきっかけに友好関係だったレオタルド王国とアーポスト共和国の関係は一気に対立関係となり、戦争が勃発したのだ。



「え…?それは誠にございますか…?フリーデン大将閣下…」

戦争…?どういうことだ…何が起きている!?世界規模で見ても戦争なんて100年程起きていない…最後に起きたのは531年のキフォス戦争…。現在戦争を経験した者などいない…。どうすればいい。

「あぁ…。そこでだ。東部方面軍第三連隊を派遣せよ」

なぜ…?戦争が勃発した両国とも帝国とは中立関係のため派遣する意味などない。

「質問よろしいですか?」

「許可する」

「なにゆえ、軍を派遣するのですか?両国とも中立関係であり派遣する意味がわかりません」

「当然そう思うだろうな…。だが正当な理由があるのだ」

正当な理由?

「お聞きしても宜しいですか?」

「あぁ。理由としては…政府は秘匿にしているが第三王子殿下がそこにいるのだ」

王子殿下が…一刻を争うな…

「了解致しました。ペルシア准将最善を尽くします」



少佐ともなると、なんか…すごい…な…。

「その体格といい身長と言い、つけまとう女と言いお前はルイスか?」

ん…この声は絶対!100%違いない!

「その声アルストか!?」

振り向くと期待通りにアルストと言うルイスの同期がたっていた。

「あぁ、久しぶりだなぁ。お前は出世してもう少佐か…エリートはすげぇよ」

「お前はたった3週間で中尉に昇進って異例だろ」

ルイスは笑いながら言う。

3週間って本当にすごいよな。俺でさえ結構かかったのに。

「あれれ~?アリアまだお前准尉なんか?」

「う、うっさいわ!私だってもう少しで少尉になれるのよ!」

私はあんたらみたいに優秀じゃないのよ…

「まぁいいや、アルストにもあった事だし俺らはここを出てくか?」

「なんでもいいよ。ルイス少佐にまかせるわー」

アルストは敬礼をして本部の方向に向かった。

「日が沈むな…もうどっかで休むか」

「だね。疲れたし…」

その後俺らは近くの宿舎に行き翌日を迎えた。

「いい日!」

「号外~!号外~!レオタルド王国、アーポスト共和国戦争状態へ!」

っ!?せ…戦争!?

「おじさん見せてくれ!」

ルイスは強引に新聞をとる。

レオタルド王国陸軍大臣、アーポスト共和国軍に暗殺…戦争状態へ…これはやばい。やばいやばいやばい!でも俺は今自由任務行動中…なんの兵も持たないただの放浪士官だ…。やれることはやりたい。向かうか…戦場に…
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