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二人を繋ぐ夜光花の灯り

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「ぐっ……エ、ミル……」

「はぁっ……んっ、クロードっ……んあっ……あっ……!」

 灯りのついていない薄暗い宿屋の一室。俺はクロードの上に跨り必死に腰を振っていた。


 魔物討伐をして金を稼ぎ、酒場で食事をして酒を飲む。それはいつも通りの日常だった。いつも通りなら食事の後は解散となって、俺は一人宿屋へ戻りクロードは声をかけて来た女と一晩過ごす。だけど今日、クロードのアレを挿れられているのは女じゃなくて俺だった。

 俺はクロードが飲んでいた酒にこっそり媚薬と痺れ薬を仕込んだ。その影響で具合の悪くなったクロードに「今日はもう宿に戻って休もう」と言って連れて帰る。そして部屋に入るなり俺はクロードを押し倒し、大きく硬くなったクロードの陰茎を取り出すと口いっぱいに頬張った。
 クロードは痺れ薬で動けない。それをいいことに俺は好き放題していた。ズボンを脱いで自分の指に香油を垂らし、その指を自分の尻穴に入れ搔き回す。いつもクロードと別れた後、部屋で散々やっていたことだ。何回やったかなんてわからない。おかげでこの拡張作業も手慣れたもんだ。
 
 ほとんど毎日やっているからか、俺の尻穴はすぐに柔らかくなって準備万端だ。指を引き抜くのと同時にクロードの肉棒を口から離した。媚薬の効果も相まってか、もうギンギンという表現がぴったりな雄々しいイチモツが目の前で揺れている。それを見て俺の喉はごくりと鳴った。
 クロードの上に跨ると、俺は自分で熱く立派な肉棒を尻穴に当てる。そのまま腰を落としゆっくりとソレを飲み込んだ。俺の尻穴は雌穴へと変化する。ずっと欲しかったクロードを迎え入れた喜びが体中を駆け巡った。相手の意志なんて関係ない。最低なその行為に俺は心の中で謝りながら腰を振った。

 ごめん、クロード。本当にごめん。だけど俺はずっとお前のことが好きだったんだ。幼馴染のお前とずっと一緒にいられて幸せだった。お前が俺に振り向いてくれなくても、お前がどれだけ女を抱いても、俺はお前がずっと好きだった。


「っミルっ……はっ……」

「んあっ……気持ち、いい? クロードも、気持ち、いい?」

 必死に腰を振りながらクロードに問いかける。痺れて口を動かすことすら満足に出来ないことを分かっていても、そう聞かずにはいられなかった。クロードにすれば不本意だろう。相手が可愛い女じゃなくて俺なんだから。
 だけどこれが最初で最後。俺はもうお前の前から姿を消すから。もう二度とお前の前に現れないから。

「んあっ……クロードッ……!」

 自ら腰を振り、その快感に身をゆだねる。自分の指でも気持ちいいと思っていたけど、それとは比にならないほどの快感。指じゃ届かかない所に刺激が与えられ、ぞくぞくとしたものがせり上がり体が震える。クロードにとっては不本意でも、俺にとってはずっと焦がれた相手。その相手と今、俺は繋がっている。どんな形であれ、それは事実だ。

「ぐっ……!」

「あ、んっ……もう、イキそうっ……クロードッ……っ――!」

 腰が抜けてしまいそうな快感に負けないよう、更に動きを速めて追い込みをかける。中に欲しい。クロードの子種を中に出して欲しい。最初で最後だから。どうかお願い。
 そんな俺の願いが届いたのか、クロードは俺の中で吐き出した。そして同時に俺も勢いよく白濁を放出する。その衝撃で体がびくびくと痙攣した。

 ふぅ、と深く息を吐きだし震える体を叱咤しながらずるりとクロードを引き抜いた。クロードが抜ける瞬間またびくりと快感を感じ、それと同時に深い喪失感に襲われる。終わってしまったのだ。クロードと繋がれる、最初で最後の幸せな時間が。

「ありがとうクロード。疲れただろう?」

 俺は用意していた眠り薬の瓶を口に含み、それをクロードへ口移しで流し込む。クロードは抗えずそのままごくりと嚥下した。それを確認し、一度クロードから口を離すも名残惜しくてもう一度気持ちを込めて口づけた。

「ぁ……」

 愛しい気持ちを込めてクロードの頬を撫でる。すると薬が効いてきたのだろう、クロードの瞼は段々と下りて来た。それに抗うように目を必死に開けようとするも、クロードはそのまま眠りにつく。痺れ薬も眠り薬も、朝になれば抜けるだろう。

「ごめんねっ……今までありがとう。おやすみ、クロード」

 意識のないクロードにもう一度口付けて、最後の思い出を俺の中へと閉じ込める。

 汚れを綺麗にふき取りクロードの服を直してやり、俺はそのまま闇に紛れて姿を消した。
 

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