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僕は今日も祈りを捧げる
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それからブラント君の魔力暴走により駆け付けた教師や警備の騎士が集まり事情を確認した後、項垂れたブラント君を騎士が連れて行った。僕とダラスも応接室へと案内され事情を確認された。
「まさかキアン君がルキアン様だとは思いませんでした……」
この学園関係者で、僕が神子だと知っているのは学園長のみ。僕があまり広めないで欲しいとお願いしていたから、先生が驚くのも無理はない。
「すみません。僕の我儘で起こったも同然です。ご迷惑をおかけいたしました」
「神子様頭をお上げください! こちらもこの問題については理解していました。手をこまねいていたのはこちらの落ち度です」
ブラント君は枢機卿の息子だから学園側も強く出られなかったのだろう。学園側の気持ちも分かるからそれに対して何かを言うつもりはない。
事実確認が終わった後は、食堂内も滅茶苦茶になっているのと、軽傷とはいえ怪我をした生徒も多くいたため今日はそのまま帰ることになった。
馬車に乗って帰路に就く。ダラスの家に付いて行き、御者に明日家に帰ると伝言を頼んだ。
「いいのか、帰らなくて」
「うん。ダラスに言わなきゃいけないことがあったからね」
「……なんだ?」
「ふふ。それは後で教えてあげる。だから今はすこしだけおやすみなさい」
掌をダラスに向けて眠りの魔法を掛けた。そのままダラスはくたりと力が抜けて僕に寄りかかる。そのままだと重いから、魔法の力を借りてダラスを支えた。
さてと。これからダラスにちゃんと教えてあげなきゃね。
「まさかキアン君がルキアン様だとは思いませんでした……」
この学園関係者で、僕が神子だと知っているのは学園長のみ。僕があまり広めないで欲しいとお願いしていたから、先生が驚くのも無理はない。
「すみません。僕の我儘で起こったも同然です。ご迷惑をおかけいたしました」
「神子様頭をお上げください! こちらもこの問題については理解していました。手をこまねいていたのはこちらの落ち度です」
ブラント君は枢機卿の息子だから学園側も強く出られなかったのだろう。学園側の気持ちも分かるからそれに対して何かを言うつもりはない。
事実確認が終わった後は、食堂内も滅茶苦茶になっているのと、軽傷とはいえ怪我をした生徒も多くいたため今日はそのまま帰ることになった。
馬車に乗って帰路に就く。ダラスの家に付いて行き、御者に明日家に帰ると伝言を頼んだ。
「いいのか、帰らなくて」
「うん。ダラスに言わなきゃいけないことがあったからね」
「……なんだ?」
「ふふ。それは後で教えてあげる。だから今はすこしだけおやすみなさい」
掌をダラスに向けて眠りの魔法を掛けた。そのままダラスはくたりと力が抜けて僕に寄りかかる。そのままだと重いから、魔法の力を借りてダラスを支えた。
さてと。これからダラスにちゃんと教えてあげなきゃね。
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