【完結】夫と親友に裏切られた先に待つものは

華抹茶

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9※・ヘルマン様と

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 背中に回した腕は、ヘルマン様の服をきゅっと掴む。初めてヘルマン様に手を伸ばした。嬉しいのと恥ずかしいのと、そして少しの緊張もあって僕の腕は少し震えていた。

「クルト…口づけをしてもいいですか?」

「は…はい」

 キスなんて今までに何度もしたことがある。だけどヘルマン様にそう言われて、まるで初めての時のように緊張が増した。

「真っ赤になって可愛いですね。その顔が愛おしすぎておかしくなりそうです。
 愛しています、クルト。私の気持ちに応えてくれてありがとう」

 そして静かに唇が重ねられてそれは自然と深くなった。僕は恥ずかしくて嬉しくて、背中に回した腕に力が籠った。この人を愛してる。この人を離したくない。この人の側にずっといたい。

 あなたがしてくれたように僕も、あなたの側にいてあなたの支えになりたい。

 下唇を甘噛みされ吸い上げられ舐められて。そのままヘルマン様の舌が僕の口内へと侵入する。

「あ……ふぅ…」

 ヘルマン様との口づけは、今まで経験したもの以上に気持ちが良かった。舌と舌が触れ合うと、もっと絡めて欲しくて追いかける。ヘルマン様も同じ気持ちなのか、直ぐに僕の舌に絡めてくれた。

 体が熱くて熱くて仕方がない。フリッツとのキスは何だったんだろうか。あの時よりも、ずっとずっと気持ちが良い。

 くちゅっと音がしてヘルマン様は離れてしまった。なんで。どうして。僕はもっと欲しいのに。

「クルト……これ以上は私の抑えがききません。このままあなたを抱いてしまいたい。ですがあなたの心の準備も必要だと思っています。今日はここまでにしておきま……っ!?」

 僕がここで何もしなかったら、今日はきっとこのまま終わってしまう。そんなのは嫌だ。
 だから僕は自分からヘルマン様の唇へと吸い付いた。

 僕はきっと初めてだろう。こうして自分から求めたのは。あなたを諦めなくていいのなら。僕の気持ちを受け止めてくれるなら。僕もあなたが欲しいから。

「んん……」

 僕が積極的に舌を絡めて行けば、ヘルマン様はそれに応えてくれた。さっきよりも激しい口づけに心も体も燃え上がる。もっともっとヘルマン様が欲しい。こんなにも誰かを欲しいだなんて思ったことは一度もない。僕にも初めてがまだちゃんと残ってた。

「クルトっ……いいんですね。あなたを抱いてもいいんですね?」

「はいっ…僕もヘルマン様が欲しいんです…。抱いてください」

 そしてそれを合図にまた唇が重ねられた。僕を抱きしめていた腕は服のボタンへと場所を変える。口づけを交わしながら片手で器用にボタンを外されていき、やがて肌が露になった。

 口づけは止まることなく続けられ、ヘルマン様の手は僕の胸元を弄っていく。

「んあ……ヘル、マン…さ…」

「はっ……ウォルテアと。そう呼んでください」

「あ……ウォルテア、さま……」

「ああ、あなたに名前を呼んでもらうことが、ここまで気持ちを昂らせるものだとは……」

 顔中に口づけが沢山振ってきて、僕の事が好きなんだと、愛しく思っているんだと、言葉にせずとも伝わってくるようだった。
 その唇はやがて首筋へと降りて行き、今度は思いっきり吸い付かれた。ピリッとした痛みが起こるが、所有印を付けられたのだとわかりそれをもっと欲しいと思ってしまう。

 仰け反ったことで僕はソファーの座面に背を付けた。上から覆いかぶされ、官能的に首筋を舐められぞくぞくとした快感に襲われる。だけどそれは弱くてもどかしい。まだもっと強い快感があることを知っている僕は、ウォルテア様に与えられることを今か今かと待ち望んでいた。

 ウォルテア様の温かい舌は胸まで降りてくるともう既にピンっと勃った乳首に当たる。舌で転がされちゅっと吸われると体はまたピクリと震えた。

「あ……ウォルテア様っ……」

「クルト、あなたの体は本当に美しい」

 右の先端は舌で転がされ、左の先端はくりくりと指で弄られる。違う刺激を両方同時に与えられると声を止めることが出来ない。

「もっと声を上げてください。その声をずっと聞きたかった」

 口元を乳首から離さず喋られるとまた違った刺激になって官能的な吐息が漏れた。

 ウォルテア様の手はやがて下へと降りて行きベルトへと届く。そのまま外されズボンを下された。見なくてもわかるくらい、僕の中心はとっくに立ち上がっていて下着を押し上げている。ウォルテア様はそのまま下着の上から食むようにして口を付けた。

「んう……」

 布一枚挟んでの刺激でももちろん気持ちが良い。だけど直接与えられないことがこんなにももどかしくて寂しい。僕はとんでもなく貪欲に快感を求めていた。

「ウォルテア様…僕っ……」

「もっと強い刺激が欲しいのでしょう? ココがぷるぷると震えておねだりしていますね」

 ウォルテア様がふふっと笑いながら僕の下着をずり降ろす。押さえつけていたものがなくなり、僕の中心は解放される。そしてすぐに先端に舌を付けて漏れていた先走りを舐め上げられた。それと同時に手も添えられて上下に動き出す。待ち望んだ強い刺激が与えられて体が震えた。

「ああっ…ウォルテア様っ!」

「もっと気持ち良くなってください」

 そのままウォルテア様の口内へと迎えられる。一気に全体が温かさで包み込まれ、あまりの気持ちよさにビクンと腰が浮いた。じゅるっじゅぶっとしゃぶられる音が大きくなり、いきなり強くなった刺激に一瞬息を忘れる。

「あぁぁぁぁぁ! それっ……ダメ、ですっ…」

 あまりの快感に思わずウォルテア様の頭を掴んでしまった。さらさらとした指通りのいい髪の感触が伝わってくる。
 頭を掴まれたのにそれを気にすることなく、ウォルテア様は更に勢いを増して僕のソコを強くしゃぶり上げていく。

「あ、あ、あっ……もうっ…ダメ……っ!」

「イってください。あなたの蜜を飲ませてください」

「んあぁぁぁぁぁぁ!」

 僕は仰け反り、抑えきれなくなった白濁を一気にウォルテア様の口内へと放った。それでもまだウォルテア様はしゃぶることを止めず、中に残った最後の一滴まで吸い上げるようにして、やがてちゅぽんと口から離した。

「はぁ、はぁ……」

「クルト……なんて愛らしい」

 もう息が上がって返事が出来ない。気持ち良すぎてふわふわする…。
 そっとウォルテア様の手が頬を撫でる。大きくて安心するその手にうっとりする。

「ああ、潤んだその瞳も、上気した顔も、この肢体も、何もかもが愛らしくて可愛いですね」

 額にかかった髪を除けるとそこにちゅっと一つキスを落とされる。ただそれだけなのに、ウォルテア様の僕に対する気持ちが伝わってきて無意識に涙が零れた。

「ウォルテア様……好きです。こんなに好きになったことがないくらいに、あなたが好きです」

「私もです。どうしようもないくらいあなたが愛しくて閉じ込めたくなってしまう」

 そしてまたウォルテア様に抱きしめられて体いっぱいでウォルテア様の体温を感じた。僕も力の入らない手を背中に回して精一杯ウォルテア様を包み込む。僕の息が整うともっと深く繋がりたくなって、はしたなくも後孔はひくひくと物欲しそうに蠢いた。

「ウォルテア様……」

 挿れてください、とは恥ずかしくて口に出来なかった。だけどウォルテア様は僕の気持ちが分かったようで、体を起こすと「少し待っていてください」と僕から離れて部屋を出た。

 一気に温かさがなくなって僕は急に寂しくなった。さっきまで感じていたウォルテア様の温もりを逃がしたくなくて体を掻き抱く。するとすぐにウォルテア様が戻って来て、その姿を見た途端ほっと息を吐き安堵した。

「どうしました? もう戻ってこないと思いましたか?」

 優しく微笑みながら頭を撫でてくれる。見透かされていたようで恥ずかしく感じた。

「すみません、これを取りにいっていたのですよ」

 そういって見せてくれたのは香油だった。

「あなたを傷つけたくありませんからね。さ、続きを始めましょうか」

 縮こまった僕の体を開くと、香油を手に垂らしたウォルテア様。足を大きく広げさせられ後孔にそれを塗りつけていく。そしてつぷりと指を入れてゆっくりと解し始める。

「んはぁ……」

 久しぶりのその感覚にふるりと体が震えた。指を動かしながら、僕の顔に体にたくさんのキスの雨を降らせていく。
 たまに吸い付いたり甘噛みされたり、どこもかしこも甘い刺激が与えられた。

 中に入った指が徐々に増えていく。それと共に大きくなる水音と快感が増して、あられもない声が上がっていく。

「ウォル、テア様……早くっ……」

 指じゃなくて、もっと別のモノが欲しい。我慢できなくなっている僕は自然と腰を揺らしていた。

「ぐ……挿れたいのはやまやまですが、もう少し解しましょう。あなたを傷つけたくないのです」

 そっと視線を動かせばウォルテア様のアソコはぱんぱんに膨れていた。それが苦しそうで可哀そうで、早く解放して気持ち良くなって欲しい。

「それ……」

 くらくらする頭の中は早くソレが欲しいということだけ。そっと手を伸ばしても届かずもどかしくなった。

 それに気が付いたウォルテア様は、後孔から指を引き抜くと性急に服を脱ぎだした。あっという間に裸体をさらしたウォルテア様のソコはギンギンに天を向いていた。僕でここまで大きくしてくれたことがただただ嬉しく感じる。
 ウォルテア様は僕の手が届く位置までソレを持ってくると、僕はきゅっと優しく握り上下に動かした。

「あ……んっ…」

 初めて聞くウォルテア様の甘い声が僕の気持ちを昂らせた。
 感じ入りながらもウォルテア様の指は僕の中へと入ってくる。そしてお互い手を動かし息を上げながら、2人で気持ちよさに酔いしれた。

 ウォルテア様のソコは熱くて硬くて、きっと挿れられたら気持ちがいいんだろう。先端からは蜜が溢れていて僕はそれを指で優しくぐりぐりと押し込んだ。

 ほら、我慢できなくなったでしょう? 早く挿れたくなったでしょう? 早く早く。それを早く僕の中に挿れて埋め込んで。

 ウォルテア様の顔は必死に我慢しているように見える。いつもの穏やかな表情は鳴りを潜め、眉間に皺を寄せ欲情を滾らせた瞳で僕を見つめていた。

「ここまでくればいいでしょう……。クルト、もう挿れますよ」

「はいっ……早くソレを中に…」

 割り開いた足の間に体を入れて、熱くて硬いその先端をそっと後孔に押し当てた。今から来るであろう快感が待ち遠しくて腰が揺れる。ぐっと先端が押し込まれ、後孔が無理やり開かれる。

「あっ……あぁ……」

「ぐ……クルトっ…」

 少しずつ中へと押し込まれるたびに、びくびくと体が震える。ただ入ってくるその感覚だけでもうイってしまいそうになる。

「んあっ……すごい……おっきぃ…」

「クルト…あなたの中が…熱くて、とてつもなく気持ちがいい」

 やがてそれは全てを飲み込まれ、僕とウォルテア様は繋がった。ただそれだけなのに心が歓喜で湧き上がる。

「ふぅぅっ……」

「クルト、どうしたのですか? 苦しいのですか?」

 嗚咽を上げながら涙を流す僕を見て、全てを飲み込んだことで僕が苦しいと勘違いしたウォルテア様。違うと伝えたくて首を振った。

「嬉しいんです……ウォルテア様と繋がれたことが、これ以上なく嬉しくて」

「クルト……それは私も同じです。ずっと焦がれたあなたと一つになれたことが、今までで一番嬉しく思います」

 抱きしめたくて口づけたくて、僕はウォルテア様に向かって両手を差し出した。ウォルテア様も分かってくれて体をこちらへと寄せてくる。すぐに首に腕を回してこちらへと引いた。そしてそのまま唇を押し当て舌を入れ込んだ。

 僕がそうしたことで一瞬ぴくりと体を震わせたウォルテア様も、僕の舌を迎え入れて絡めてくれる。上顎を舐められ舌を吸われ、僕も必死にそれに応えた。

「クルト…愛しています」

 口づけを交わしながら腰を動かし始めたウォルテア様。ゆっくりと出し入れされるだけで堪らなく気持ちが良い。  
 ぬちゃっぬちゃっと聞こえる結合部の音が卑猥で、そこから伝わる感覚が気持ちよくて、離したくなくて僕は自然と足でウォルテア様の腰を挟み込んだ。

 ゆっくりとねっとりと、緩慢な動きで快楽を与えてくれるウォルテア様。僕が苦しくないように、痛くならないように、でも気持ち良くなれるように。こんな時でもウォルテア様は僕を大切に優しく扱ってくれる。

 そうされることが嬉しくてまた自然と涙が零れた。どこまでも優しいウォルテア様。こんな僕にここまでしてくれる人はもう二度と出会えないだろう。

「んは……あ、あん……気持ち、いいです…はぁ……」

「私もです……。気持ちよくて、頭がバカになりそうですね」

 そうは言っても本当はもっと早く動きたいはず。こんなゆっくりとした刺激じゃウォルテア様は満足できないはずだ。そして僕も…。

「もっと、動いて、くださいっ……僕はっ、あ……平気、ですからっ……んんっ…」

「ああ、クルトっ!」

 僕がそう言った途端、腰の動きが早まるウォルテア様。やっぱり我慢してたんだ。僕を傷つけないように優しくしようとして。
 それももちろん気持ちが良かったけど、この強い刺激も堪らない。僕の名前を呼びながら必死で腰を打ち付けて、その様がウォルテア様の僕への気持ちを表しているみたいで嬉しさがこみ上げる。

 パンパンと肌がぶつかる音が大きくなって、それに合わせて結合部の音も大きくなる。それが更なる快感を演出して僕の頭は快楽に溺れる。

 ウォルテア様は僕の片足を持ち上げ自分の肩にかけると、ぐっと更に腰を奥へと押し付けた。

「んあぁっ! そこっ……!」

 さっきまでとは違う、もっと奥にソレは届いて感じたことのない快感が僕を襲った。

「はぁ…ぐっ……クルトの中は、まるで劇薬ですねっ…! これを味わったら、他では満足、出来そうにありませんっ!」

 フリッツにだってされたことのない、最奥への刺激。こんなところをノックされるなんて初めてだ。ここがこんなにも気持ちがいいなんて知らなかった。

「こんな、奥っ……ウォルテア様が、はじめ、てっ…あんっ……!」

「それは嬉しいですねっ……この奥を満たすのはっ、私が最初で、最後ですっ!」

 更に動きを速められたことでもう何も考えることが出来なくなった。ぞくぞくとした快感だけが僕の全てを支配する。

「あ、あ、あ、もうっ……イキそうっ……ウォルテア様っ…ウォルテア様!」

「イキましょう、一緒に! 私ももう、これ以上はっ………ぐぅっ!」

「んあぁぁぁぁぁ!」

 頭が弾けるように僕は一気に達した。突かれた動きで揺れ動いていた僕の中心から、ぴゅるっと白濁液が放出される。体は仰け反りながらぴくぴくと痙攣をおこし、頭はもう放心状態だ。

 ウォルテア様も達したようで、全てを僕の中で吐き出すように細かく腰を動かしている。その小さな動きですら感じて、体は細かくイキ続けた。

「あ、あ、あ……」

 息が上手く吸えなくて口はぱくぱくと勝手に動く。こんなイキ方は初めてだ。

 全てを出し切ったのか、ウォルテア様が僕の中からずるりと引き抜いた。その動きですら感じてまた軽くイってしまう。

「クルト、大丈夫ですか? 最後は無我夢中であなたに欲をぶつけてしまいました…」

「あ…あふ……」

 大丈夫だと言いたいのに、イッたばかりの体は言うことを聞かない。返事をしたいのに、僕は目を開けていることが出来ずそのまま意識を失った。
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