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しおりを挟むフィリップ様のお家でお茶とお菓子を楽しんで、いっぱいお喋りして。楽しい時間はあっという間だった。
僕とアーネスト様は寮へと戻る。フィリップ様は来る時と同じで、また寮まで馬車を用意してくれた。
「送り迎えまでなんて申し訳ないです。」
「そんなの当たり前だから気にしないで。『英雄が乗った馬車』だって自慢できるし俺も有難いよ。」
なんて冗談言ってくれて。本当に皆優しいな。
「アシェル、寮に着いたら俺の部屋へ来てくれないか?渡したい物があるんだ。」
渡したい物?何かわからないけれど、言われた通りアーネスト様の部屋へと向かった。
「お邪魔します。」
なんかアーネスト様のお部屋、初めて来たけど緊張する…。上級貴族用のお部屋だから凄く広いし立派だ。
…あれ?使用人の人は居ないのかな?ローレンス兄上には1人居たんだけど。
「ああ、俺は騎士になるからな。遠征に出れば自分のことは自分でしなければならない。だから寮に入る際も使用人は連れてこなかったんだ。」
へぇ、すごい。貴族の人ってお世話されるのが当たり前かと思ってたけど、確かに遠征場所にまで使用人の人は連れて行けないもんね。
だとしたらこの広い部屋、すごく勿体ない気がするけど貴族の人とは考え方が違うからただただ凄いとしか言えない。
じゃあここで座って少し待ってて。と言って奥の部屋へと行ってしまった。
この部屋、アーネスト様の匂いがする。なんかそれだけでドキドキしてしまう。…僕、ちょっと変態っぽい。そんな事考えて勝手に顔が赤くなる。
もう落ち着いて僕!赤い顔してたら不振がられるから!
必死に手で顔をパタパタと扇ぐ。すると「待たせてすまない。」とアーネスト様の声が聞こえて、僕は「ひゃあ!」と情けない声を出してしまった。
「? どうした?」
「い、いえ。なんでもありませんっ。」
何でもないです。怪しくてごめんなさい。
「そうか?ならいいのだが。……アシェル、これを。受け取ってほしい。」
そう言って手渡されたのは、小さな四角い箱。
ぱかっと開けてみるとそこには若草色のピアス。
「これって…。」
「まだ婚約は成立していないけど、他の誰かに取られたくないから。先に作ってしまった。」
自分の瞳の色のピアスは、婚約者や結婚相手に渡す『自分の印』。もうこの人に相手はいますよ、とアピールする物だ。
アーネスト様が僕にピアスを…。その事実を理解すると同時に僕は胸がいっぱいで自然と涙が溢れてきた。
「あ、ありがとうございます…。こんな…こんな事って……。」
「アシェル。もう君を離すことはできない。誰にも渡したくない。俺はずっと、初めて会ったあの日から君の事が好きだった。やっとやっと君を手に入れた。だから覚悟してくれ。もう絶対に離さない。」
「はい、はい。僕もアーネスト様から離れません。ずっとお側に居させてください。」
それは自然と重なった。アーネスト様との優しいキス。
初めての時と同じように、啄みながら軽く触れ合う。でもそれは自然と深くなっていく。口の中にアーネスト様の熱が伝わってくる。僕の舌をちょんちょんとノックしたかと思うと、一気に舐められた。
「んふ…。ん…。」
ゾワッと何かを感じて自然と声が漏れてしまった。
恥ずかしい。変な声聞かせちゃった…。
でもアーネスト様は止まらず、何度も何度も口の中を蹂躙していく。口蓋も歯列も何もかも。ごくっ…とお互いの唾液を飲み込んだ。
はぁはぁ…。どうしよう。頭がくらくらしてきちゃった…。
立っていられなくなってかくんと力が抜けてしまって、慌ててアーネスト様が受け止める。
「…すまないアシェル。止まらなくて、つい…。」
「はぁ…はぁ…。いえ…僕こそ、すみません…。」
「ぐっ!……我慢、しなくてもいいよな?無理だろこれは…。」
あれ?アーネスト様どうしたんだろ?なんかうめき声が聞こえたと思ったんだけど…。我慢?何を我慢するの?もうキスしてくれないの?嫌になっちゃった?そんなの、ダメ…。
「…アーネスト様、もっとキス、して下さい。」
もう自分からしちゃえ。熱に浮かされた僕はアーネスト様の首に腕を回して自分から口付けた。
一瞬ぴくりとしたアーネスト様だけど、さっきよりも激しく口付けてくれた。
「っアシェル!もう無理だ、我慢できない!君の…君の全てが欲しいっ!」
強く抱きしめられて、そう請われる。僕の全部?僕の全部はもうアーネスト様の物だよ。
「…はい。全て差し上げます。」
どういう意味かちゃんと分かっていないのに、僕はそう答えてしまった。
それを聞いたアーネスト様は僕を横抱きにすると、奥にある寝室へと入った。ベッドにそっと寝かされる。
「…アシェル、この意味がわかるよな?今から何をするのかも。…もし嫌だと思うなら今、逃げてくれ。」
少し苦しそうに僕を見るアーネスト様。
そっか。これって、そういう意味なんだ。どうしよう。どうしたい?僕は……。
「嫌です。逃げません。……好きですアーネスト様。僕はアーネスト様の物です。だから…っ!」
抱いて下さい。
その言葉を発する前に、僕の唇は塞がれた。一瞬ギラっと目が光ったアーネスト様に、ぎゅっと力強く抱きしめられて深く深くキスをされる。
僕は今、アーネスト様に食べられてるんだ。
まさに今食べられている。そう表現できる激しいキスだった。やがてアーネスト様の手は僕の体を行き来する。
服のボタンを外されて、前がはだけていく。顕になった僕の肌をアーネスト様の手が上へ下へと徘徊する。
「うひゃあっ!」
胸の先端を摘まれて僕は変な声を上げてしまった。
それを聞いてにっと笑うと、アーネスト様の唇は僕の首、鎖骨と降りていき、やがて胸の先端へとたどり着いた。
ちろちろと舐められ、指でもくにくにといじられて僕は頭がぼーっとする。
「あはっ…あ、あ、アー、ネスト様ぁっ!」
「はぁ、可愛い。アシェル可愛いよ。」
なにこれなにこれ。僕の体、熱い!ゾワゾワしてゾクゾクしてくすぐったくて。
「気持ちいい?」
え…?これって、気持ちいいってこと?これがそうなんだ。
「は、い……。気持ち…いい、です…あ、あん…!」
たまにカリッと噛まれたり、吸われたり。アーネスト様は僕を簡単に翻弄する。僕は必死にそれを受け止めているだけだった。
そうしていつの間にか、僕の服は全て取り払われてしまった。全てを曝け出してしまっている。
「あ…。や、恥ずか、し…。」
手で体を隠そうとしたら、両手首を掴まれて上へと上げられた。
「全部、全部見せて。」
そう言ったアーネスト様の顔。獣と言えるほどギラギラとして捕食者の目だった。僕はそれが嫌だと思えず、逆にうっとりとしてしまう。
僕を食べて。全部、何もかも食べ尽くして。
声に出したのかどうかもわからないけど、そう思ったすぐ後にアーネスト様は僕の足の間に顔を埋めて、大きく膨らんだ僕のアレを口に含んだ。
「ひゃっ!待って、まっ、て…あ、アーネ、スト、さ…っ!あ、あ、あ!…ひぅっ…!」
今までに感じたことのない感覚が僕を襲う。何これ!僕はどうなるの!?
「あ、あ……あん、あっ!…は…っ。」
僕はただ声を上げるしかできない。何も考えられなくなる。ただひたすらじゅるじゅると、僕が食べられる音が耳を犯す。
「あ、あ、あ、ダメ、ダメです!はな、して!なんか…あ、くる!…ダメっ…だめぇっ!」
離してって言っても離れてくれず、そのまま僕はアーネスト様の口に放ってしまった。
「はっ…はっ…はっ…。」
呼吸が乱れてる。僕は必死に息をする。
「アシェル…。」
そう呟くアーネスト様は、恍惚とした表情を浮かべていて僕の心臓はドキドキと高鳴る。
その顔は喜んでるの?それなら嬉しい。
そしてぐいっと僕の足を広げたと思ったら、アーネスト様の指が僕の蕾に這わされた。
「ココで、俺のを受け入れて。」
そう言われて、ぐちゅぐちゅと指で広げられていった。
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