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1.異世界転移①
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「早く家に帰らなきゃっ……!」
今日は珍しく定時で終われるかと思ったのに、退勤直前でトラブル発生。またかよ、と思いながらその処理を必死にやったものの、四時間もかかってしまった。三年同棲している恋人である流星に連絡を入れたら、『わかった。じゃあ外で食べるわ』と返事があったものの、本当に外で食べてくるかわからない。
というのも以前何度かそういったことがあり、その言葉を信じて夜遅くに家に帰ったらご飯を食べずに待っていたことがあった。『お前帰ってくるの遅すぎ。早く飯作って』と大きなため息を吐かれた時は呆然とした。外で食べるって言ってたじゃないか、そう言えば返ってきた言葉は『金があんまりないから』だった。
流星はスロットを打つことが趣味だ。同棲した当初はほとんどしなかったのに、ここ最近でまた通い出したらしい。住んでいるマンションの家賃や生活費などは折半だ。それはちゃんと入れてくれるからいいものの、残った金でスロットを打ち負けることが多い。そのため金がなくて俺が帰ってくるまで待っているということが多くなっていた。
そういうこともあって俺は早く家に帰って流星のためにご飯を作らなければならない。早く仕事を終わらせられるよう頑張ったものの、きっと今日も大きなため息とともに怒られるのだろう。それを思うと憂鬱になるが仕方ない。帰る家は同棲しているあのマンションしかないのだから。
流星と出会ったのは俺がまだ大学生の時だった。ゲイであることをずっと隠していたが、大学で都会へと出てきたことでゲイバーに通うようになった。そこで知り合ったのだ。
通う大学は違えど同じ歳ですぐに意気投合。よく二人で飲みに行ったり遊びに行ったりしたおかげか、恋人関係になるまでそう時間はかからなかった。
大学を卒業し社会人に。その時に同棲しようと持ち掛けられ俺はそれに頷いた。学生とは違い社会人ともなれば会えない時間も増える。俺はそれが凄く寂しかったのだ。
高校生の時に俺の親は事故で亡くなっている。兄弟もおらず天涯孤独の身。そんな俺に流星の存在はとても大きく、誰かと一緒に住めば寂しくないと思ってしまった。
最初は家事もお互いやるという話だったが、流星の仕事が忙しく帰りが遅い日が続いた。それで俺が家のことを一人でやっていたら、いつの間にか俺が家事をするということに自然となってしまった。
決めていた話と違うと思ったが、本当に流星の仕事が大変で休みの日でも家でパソコンを開いていることも多かった。だから仕方ないかと引き受けたのだ。
だけど俺も段々仕事が忙しくなってしまい、残業続きで帰る時間も遅くなった。それでも流星は家事をすることはなく、俺が帰ってくるのを待つようになった。
『また残業かよ。お前、仕事早く終わらせる気あるの?』
そう言われて愕然としたが、喧嘩をする体力がなく『ごめん』と謝るだけにした。仕事でくたくたで、早く寝てしまいたかったのだ。俺がそう言ってしまった手前、家事のことは何も言えなくなってしまった。
でも俺には流星の存在はやっぱり大きくて、好きという気持ちは変わらなかった。流星がいてくれるから。そう思って俺は家事も頑張ったのだ。
そのお陰か苦手だった家事も普通に出来るようになり、料理も色々と作れるようになった。休みの日に色々とレシピをググったり、たまった洗濯物を片付けたり掃除をしたり。たまに二人でデートに出かけて外食をする。そんな日々でも俺には十分だった。まだ流星も優しかったから。
だけど最近は冷たいと思うことも増えてきた。頑張って作った料理を前に『えー……俺、今日がっつり肉が食いたかったのに』と言われたり、『おい、埃溜まってるぞ。掃除しろよ』と言われたり、セックスもおざなりで乱暴になってきたり。
そうなってくると『俺って何やってるんだろう……』って思うことも出てきた。それでも俺は流星と別れるという選択を取ることは出来なかった。
依存している。自分でもそう思う。ゲイであることを隠し続け、そんな俺に初めて出来た恋人。そんな流星を失ったらと思うと恐怖が先に立った。
そんな自分自身に呆れ、そしてこれから起こるであろう流星から浴びせられるセリフと態度にげんなりしながらも、足を必死に動かし自宅へと急いだ。
早くと焦る気持ちからか普段は通らない道を選ぶ。ホテル街が近くあまりこの辺りを通らないようにしていたのだが、今日は珍しくそっちの道を選んだ。
「あれぇ? 帰らなくていいの~?」
「いいのいいの。外で食べるって言ってあるし、遅くなっても問題ないって」
なんだか聞き覚えのある声がして自然とそちらに顔が向いた。そこにいた人物を見て、俺はギシリと体が動かなくなる。
「っていうか流星の彼女酷くない? 同棲してるくせに家事ほとんどしないで遊び歩いてるんでしょ? そんな彼女に付き合ってる流星マジ優しすぎ!」
「だろ? だから俺だってたまには本当の癒しが必要なんだって。だ・か・らぁ~」
流星。隣にいる女の子はそう呼んだ。そしてその顔は俺のよく知る流星によく似ている。流星と呼ばれた男は小柄な女の子にギュッと抱き付くと、女の子は嬉しそうな声を上げた。
「や~ん♡ しょうがないなぁもう。今日はいっぱいしてあげる♡」
「やった! じゃ行こうぜ。好きだよ、梨花」
人の往来が多くある中で、ちゅっと軽くキスをすると肩を組んで二人はホテル街へと消えていった。
あれはどう見ても流星だ。隣にいた女の子もそう言っていたし、毎日見ているあの顔を見間違えるわけがない。しかもこんなところで堂々とキスをしてた。
「嘘だろ……」
多分、二人が会ったのは今日が初めてなんかじゃない。きっと今までにも何度もこうして会っている。
スロットを打って金がなかったんじゃない。あの子と浮気をして金を使っていたからなかったんだ。
どっどっどっと早鐘を打つ心臓が苦しい。手が震える。
俺が家事をしなくて遊び歩いてる? 冗談じゃない。仕事でどんなに疲れていても、やれることはやっていた。むしろ何もしていないのは流星の方じゃないか。
流星の方が先に帰ってきても、動画を観ているかゲームをしているだけで何もしない。俺の帰りが遅いと文句を言ってご飯を催促される。食べたら食べたまんまで洗うこともしない。掃除も洗濯も何一つしないくせに文句だけは一丁前。それでも。それでも――
「うっ……!」
俺は流星のことが好きで、流星がいてくれるならって頑張ってたのに。そんな俺は流星にはいらない存在だった。
悔しい。悲しい。どうして浮気なんか。
流星はバイだ。付き合う時もそれが不安だった。いつか可愛い彼女が出来て俺は捨てられるんじゃないかって。でも流星は『お前が一番だよ』って言ってくれて、俺はその言葉を信じた。信じてしまった。
どこに向かっているかなんてわからない。とにかく遠くへ逃げてしまいたかった。
がむしゃらに走りながらも頬を伝う涙は止まらない。運動不足がたたったのか、途中で足が縺れて派手に転んでしまう。アスファルトに打ち付けられた体は痛いし、周りからの視線も痛い。でも今の俺にはどうでもよかった。
ぐっと腕に力を入れて起き上がるとまたがむしゃらに走り出した。息も上がり呼吸が辛い。
そんな中、コンビニの灯りを目にする。ぐいっと目元を乱暴に拭うとその灯りの中へ飛び込んだ。
籠を手に持ち、手あたり次第ビールや缶酎ハイを突っ込んでいく。それをレジに持っていくと驚いた店員と目が合った。
「ふ、袋はお持ちでしょうか?」
「ないです。支払いはクレジットで」
「か、かしこまりました」
店員は訳ありな男をさっさと店から追い出したいのか、手早く清算させようと次々とバーコードを読み取っていく。清算も終わるとそのたくさんの酒類は袋に詰められ、俺に手渡された。それをガッと掴むと駆け足でコンビニを後にする。
そのままあてもなくひたすらに走り出した。すると街灯がうっすらと灯る公園を見つける。そのまま公園の中に入りベンチへと腰かけた。
はぁはぁと息は上がり、額からは汗が流れ落ちる。それを構うことなく袋の中から缶ビールを手に取ると、ぷしゅっと勢いよく蓋を開けた。ぐびぐびと喉が鳴る音が聞こえるくらいに一気に流し込んでいく。冷たいビールは今の体には心地よかった。
「ぐっ……ごほっごほっ」
勢いよく飲み過ぎたせいで咽てしまった。それでも反省することなく再び口を付け、勢いよくビールを流し込んで一缶飲みきった。
「うぅっ……なんでっ……! なんでなんだよ!」
今日は珍しく定時で終われるかと思ったのに、退勤直前でトラブル発生。またかよ、と思いながらその処理を必死にやったものの、四時間もかかってしまった。三年同棲している恋人である流星に連絡を入れたら、『わかった。じゃあ外で食べるわ』と返事があったものの、本当に外で食べてくるかわからない。
というのも以前何度かそういったことがあり、その言葉を信じて夜遅くに家に帰ったらご飯を食べずに待っていたことがあった。『お前帰ってくるの遅すぎ。早く飯作って』と大きなため息を吐かれた時は呆然とした。外で食べるって言ってたじゃないか、そう言えば返ってきた言葉は『金があんまりないから』だった。
流星はスロットを打つことが趣味だ。同棲した当初はほとんどしなかったのに、ここ最近でまた通い出したらしい。住んでいるマンションの家賃や生活費などは折半だ。それはちゃんと入れてくれるからいいものの、残った金でスロットを打ち負けることが多い。そのため金がなくて俺が帰ってくるまで待っているということが多くなっていた。
そういうこともあって俺は早く家に帰って流星のためにご飯を作らなければならない。早く仕事を終わらせられるよう頑張ったものの、きっと今日も大きなため息とともに怒られるのだろう。それを思うと憂鬱になるが仕方ない。帰る家は同棲しているあのマンションしかないのだから。
流星と出会ったのは俺がまだ大学生の時だった。ゲイであることをずっと隠していたが、大学で都会へと出てきたことでゲイバーに通うようになった。そこで知り合ったのだ。
通う大学は違えど同じ歳ですぐに意気投合。よく二人で飲みに行ったり遊びに行ったりしたおかげか、恋人関係になるまでそう時間はかからなかった。
大学を卒業し社会人に。その時に同棲しようと持ち掛けられ俺はそれに頷いた。学生とは違い社会人ともなれば会えない時間も増える。俺はそれが凄く寂しかったのだ。
高校生の時に俺の親は事故で亡くなっている。兄弟もおらず天涯孤独の身。そんな俺に流星の存在はとても大きく、誰かと一緒に住めば寂しくないと思ってしまった。
最初は家事もお互いやるという話だったが、流星の仕事が忙しく帰りが遅い日が続いた。それで俺が家のことを一人でやっていたら、いつの間にか俺が家事をするということに自然となってしまった。
決めていた話と違うと思ったが、本当に流星の仕事が大変で休みの日でも家でパソコンを開いていることも多かった。だから仕方ないかと引き受けたのだ。
だけど俺も段々仕事が忙しくなってしまい、残業続きで帰る時間も遅くなった。それでも流星は家事をすることはなく、俺が帰ってくるのを待つようになった。
『また残業かよ。お前、仕事早く終わらせる気あるの?』
そう言われて愕然としたが、喧嘩をする体力がなく『ごめん』と謝るだけにした。仕事でくたくたで、早く寝てしまいたかったのだ。俺がそう言ってしまった手前、家事のことは何も言えなくなってしまった。
でも俺には流星の存在はやっぱり大きくて、好きという気持ちは変わらなかった。流星がいてくれるから。そう思って俺は家事も頑張ったのだ。
そのお陰か苦手だった家事も普通に出来るようになり、料理も色々と作れるようになった。休みの日に色々とレシピをググったり、たまった洗濯物を片付けたり掃除をしたり。たまに二人でデートに出かけて外食をする。そんな日々でも俺には十分だった。まだ流星も優しかったから。
だけど最近は冷たいと思うことも増えてきた。頑張って作った料理を前に『えー……俺、今日がっつり肉が食いたかったのに』と言われたり、『おい、埃溜まってるぞ。掃除しろよ』と言われたり、セックスもおざなりで乱暴になってきたり。
そうなってくると『俺って何やってるんだろう……』って思うことも出てきた。それでも俺は流星と別れるという選択を取ることは出来なかった。
依存している。自分でもそう思う。ゲイであることを隠し続け、そんな俺に初めて出来た恋人。そんな流星を失ったらと思うと恐怖が先に立った。
そんな自分自身に呆れ、そしてこれから起こるであろう流星から浴びせられるセリフと態度にげんなりしながらも、足を必死に動かし自宅へと急いだ。
早くと焦る気持ちからか普段は通らない道を選ぶ。ホテル街が近くあまりこの辺りを通らないようにしていたのだが、今日は珍しくそっちの道を選んだ。
「あれぇ? 帰らなくていいの~?」
「いいのいいの。外で食べるって言ってあるし、遅くなっても問題ないって」
なんだか聞き覚えのある声がして自然とそちらに顔が向いた。そこにいた人物を見て、俺はギシリと体が動かなくなる。
「っていうか流星の彼女酷くない? 同棲してるくせに家事ほとんどしないで遊び歩いてるんでしょ? そんな彼女に付き合ってる流星マジ優しすぎ!」
「だろ? だから俺だってたまには本当の癒しが必要なんだって。だ・か・らぁ~」
流星。隣にいる女の子はそう呼んだ。そしてその顔は俺のよく知る流星によく似ている。流星と呼ばれた男は小柄な女の子にギュッと抱き付くと、女の子は嬉しそうな声を上げた。
「や~ん♡ しょうがないなぁもう。今日はいっぱいしてあげる♡」
「やった! じゃ行こうぜ。好きだよ、梨花」
人の往来が多くある中で、ちゅっと軽くキスをすると肩を組んで二人はホテル街へと消えていった。
あれはどう見ても流星だ。隣にいた女の子もそう言っていたし、毎日見ているあの顔を見間違えるわけがない。しかもこんなところで堂々とキスをしてた。
「嘘だろ……」
多分、二人が会ったのは今日が初めてなんかじゃない。きっと今までにも何度もこうして会っている。
スロットを打って金がなかったんじゃない。あの子と浮気をして金を使っていたからなかったんだ。
どっどっどっと早鐘を打つ心臓が苦しい。手が震える。
俺が家事をしなくて遊び歩いてる? 冗談じゃない。仕事でどんなに疲れていても、やれることはやっていた。むしろ何もしていないのは流星の方じゃないか。
流星の方が先に帰ってきても、動画を観ているかゲームをしているだけで何もしない。俺の帰りが遅いと文句を言ってご飯を催促される。食べたら食べたまんまで洗うこともしない。掃除も洗濯も何一つしないくせに文句だけは一丁前。それでも。それでも――
「うっ……!」
俺は流星のことが好きで、流星がいてくれるならって頑張ってたのに。そんな俺は流星にはいらない存在だった。
悔しい。悲しい。どうして浮気なんか。
流星はバイだ。付き合う時もそれが不安だった。いつか可愛い彼女が出来て俺は捨てられるんじゃないかって。でも流星は『お前が一番だよ』って言ってくれて、俺はその言葉を信じた。信じてしまった。
どこに向かっているかなんてわからない。とにかく遠くへ逃げてしまいたかった。
がむしゃらに走りながらも頬を伝う涙は止まらない。運動不足がたたったのか、途中で足が縺れて派手に転んでしまう。アスファルトに打ち付けられた体は痛いし、周りからの視線も痛い。でも今の俺にはどうでもよかった。
ぐっと腕に力を入れて起き上がるとまたがむしゃらに走り出した。息も上がり呼吸が辛い。
そんな中、コンビニの灯りを目にする。ぐいっと目元を乱暴に拭うとその灯りの中へ飛び込んだ。
籠を手に持ち、手あたり次第ビールや缶酎ハイを突っ込んでいく。それをレジに持っていくと驚いた店員と目が合った。
「ふ、袋はお持ちでしょうか?」
「ないです。支払いはクレジットで」
「か、かしこまりました」
店員は訳ありな男をさっさと店から追い出したいのか、手早く清算させようと次々とバーコードを読み取っていく。清算も終わるとそのたくさんの酒類は袋に詰められ、俺に手渡された。それをガッと掴むと駆け足でコンビニを後にする。
そのままあてもなくひたすらに走り出した。すると街灯がうっすらと灯る公園を見つける。そのまま公園の中に入りベンチへと腰かけた。
はぁはぁと息は上がり、額からは汗が流れ落ちる。それを構うことなく袋の中から缶ビールを手に取ると、ぷしゅっと勢いよく蓋を開けた。ぐびぐびと喉が鳴る音が聞こえるくらいに一気に流し込んでいく。冷たいビールは今の体には心地よかった。
「ぐっ……ごほっごほっ」
勢いよく飲み過ぎたせいで咽てしまった。それでも反省することなく再び口を付け、勢いよくビールを流し込んで一缶飲みきった。
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