4 / 8
村井サイクル「それとも私たち?」
しおりを挟む
「もっと得意なやつでお願いします!」
快太は土下座で、泣きのもう1回をセシリアにお願いしていた。
セシリアはタンクトップ姿に戻り、快太は転生時のジーンズとネルシャツに着替えている。
「……伝道師が得意とか不得意とかあるわけ?」
さすがのセシリアもテンション低めだ。
二連続で何の快感も得ないまま、ただ身体を汚されただけだった。
「ある……あります! その……宗派とかいろいろあるので」
「ふうん」
じとっと見られながらも、快太は続ける。
「なのでこの、村井サイクル先生の『それとも私たち?』はどうかな?」
「若妻ものじゃん。しかも姉妹って。あたしひとりで二役やんの?」
「う……」
快太はそこまで考えていなかった。
ざっと読んで、この作品がいちばん『さっさと挿入する』作品だったのだ。
(とにかく卒業だけでも今日したい……!)
彼の思いはそれだけである。
開始3コマめで「ああんっ」と言わせている、この素晴らしい作品をとにかく推したかった。
もうひとり必要なら、もうひとり女の子を呼んできてほしいくらいだった。
なのでーー
「あの~、伝道師サマが目を覚ましたってほんとですか?」
セシリアの友だちがドアから入ってきたときの彼の目は、童貞にあるまじき、獲物を見つけたハンターの目をしていた……かもしれない。
***
「あはは、セシリアすごく期待してたからね。伝道師サマと聖典に描いてあること全部ヤりたいって、毎日起きてるかどうか確認しに通ってたくらいだもん」
「言うなよもうっ」
その友だちは、リリアンと名乗った。
Tシャツに短いスカートというラフな格好をしている。
彼女はセシリアとは違って人間族だが、ふたりはとても仲がいいらしい。
黒髪のポニーテールを揺らし、キャッキャキャッキャと談笑しながら、
「なんで早漏で伝道師サマやってるんですか?」
直球を全力で投げ込んできた。
快太はあけすけにものを言う女性があまり得意ではないが、そもそも得意な女性のタイプなんているわけもないので、無駄な苦手意識だった。
「で、伝道師の修行って、ほとんどが座学なんだ。だからちょっと実践が不足していて……。ああでも、知識としては誰よりも詳しいから安心してくれていいよ」
「座学ってちょっと格好いいかも。あ、童貞ってわけじゃないですよね?」
「……全然違いますが?」
そうですよねごめんなさい、と上目遣いでリリアンが舌を出す。
見透かされているような気もするが、よくわからない。
そんなうちに、セシリアが提案した。
「じゃあリリアンも来たことだし、3人でヤるか!」
「ぃよっしゃあー!」
快太は思わず雄叫びを挙げる。
「伝道師サマ、ほんとに熱心なんですね~」
「はい~。さ、さ、どうぞこちらへ」
ふたりを洗面所のまえに、後ろ向きに立たせる。
本当はキッチンで展開する漫画なのだが、ここはベッドと洗面所しかないゲストルームのようなところなので、これでいいだろう。
再現度を気にするセシリアはぶつぶつ文句を言っていたが、最終的には棚から衣装を持ってきて、洗面所のまえに立った。
衣装は裸エプロンである。
「あ、快太、ひとついいか? 中に出すときは、あたしのほうにしてくれよ」
「え?」
その台詞だけでもう漏らしかねない快太だったが、
「あたしはエルフだから人間とヤっても平気なんだが、リリアンはお前と同じ人間族だから、その、念のためにな」
「わっかりました! セシリアに出します!」
はりきりまくった返事をしながら、セシリアを右に立たせる。
こっちが若妻役で、最終的に中に出されるほう。
左は妻の妹で、いったんそちらにも入れるのだが、「最後は姉さんにっ」という奥ゆかしさ(?)でまた右の若妻に入れることになるのだ。
始める直前、リリアンは微笑みながら、
「今日は大丈夫だから、わたしにもし出しちゃっても気にしないで。リラックスしていこ?」
なんてことを言ってくれた。
結構いい子だと快太はあっさり思った。
そしてーー
「じゃあ快太、いや、ヨシヒロ、始めてくれ」
セシリアの合図で始まった。
「おや、今晩のおかずはふたりで作ってるのか」
「お帰りなさい、ヨシヒロ♡」
「お義兄ちゃん、お邪魔してま~す」
帰宅したヨシヒロこと快太が、裸エプロン姉妹の臀部を撫でる。
「も~。ヨシヒロったら待てないの? ちょっと味見する?」
言いながらセシリアが快太に向けて軽く尻を突き出し、そこにあるふたつの豊かな膨らみを両手で開いた。
(きたきた、3コマ挿入~。先生天才すぎるッ。心からの感謝!)
にゅるん。
「ああんっ?」
セシリアの喘ぎは、疑問形だった。
にゅるん。
(あ、あれ、どこ? 入れるの難しくない?)
にゅるん。
にゅるんっ。
「う、わ……」
どくんどくんどくん、と脈打つものを握り、快太がうめいた。
「……はあ」
セシリアが大きなため息をつき、洗面台の鏡越しに快太をにらみつける。
「お前、擦りつけただけでイッてどうするんだ? あたしのここ、そんなに入れたくないのか?」
「セシリア、泣いてる子をいじめるのよくないって」
「泣きたいのはこっちだよ。もう! また洗わないといけないじゃん」
死ねフニャチン!という捨て台詞を残して、セシリアはまた身体を流しに出て行った。
「まあまあ、面白いとは思いますよ?」
リリアンのフォローは、悔しさと情けなさで涙する快太には届いていなかった。
快太は土下座で、泣きのもう1回をセシリアにお願いしていた。
セシリアはタンクトップ姿に戻り、快太は転生時のジーンズとネルシャツに着替えている。
「……伝道師が得意とか不得意とかあるわけ?」
さすがのセシリアもテンション低めだ。
二連続で何の快感も得ないまま、ただ身体を汚されただけだった。
「ある……あります! その……宗派とかいろいろあるので」
「ふうん」
じとっと見られながらも、快太は続ける。
「なのでこの、村井サイクル先生の『それとも私たち?』はどうかな?」
「若妻ものじゃん。しかも姉妹って。あたしひとりで二役やんの?」
「う……」
快太はそこまで考えていなかった。
ざっと読んで、この作品がいちばん『さっさと挿入する』作品だったのだ。
(とにかく卒業だけでも今日したい……!)
彼の思いはそれだけである。
開始3コマめで「ああんっ」と言わせている、この素晴らしい作品をとにかく推したかった。
もうひとり必要なら、もうひとり女の子を呼んできてほしいくらいだった。
なのでーー
「あの~、伝道師サマが目を覚ましたってほんとですか?」
セシリアの友だちがドアから入ってきたときの彼の目は、童貞にあるまじき、獲物を見つけたハンターの目をしていた……かもしれない。
***
「あはは、セシリアすごく期待してたからね。伝道師サマと聖典に描いてあること全部ヤりたいって、毎日起きてるかどうか確認しに通ってたくらいだもん」
「言うなよもうっ」
その友だちは、リリアンと名乗った。
Tシャツに短いスカートというラフな格好をしている。
彼女はセシリアとは違って人間族だが、ふたりはとても仲がいいらしい。
黒髪のポニーテールを揺らし、キャッキャキャッキャと談笑しながら、
「なんで早漏で伝道師サマやってるんですか?」
直球を全力で投げ込んできた。
快太はあけすけにものを言う女性があまり得意ではないが、そもそも得意な女性のタイプなんているわけもないので、無駄な苦手意識だった。
「で、伝道師の修行って、ほとんどが座学なんだ。だからちょっと実践が不足していて……。ああでも、知識としては誰よりも詳しいから安心してくれていいよ」
「座学ってちょっと格好いいかも。あ、童貞ってわけじゃないですよね?」
「……全然違いますが?」
そうですよねごめんなさい、と上目遣いでリリアンが舌を出す。
見透かされているような気もするが、よくわからない。
そんなうちに、セシリアが提案した。
「じゃあリリアンも来たことだし、3人でヤるか!」
「ぃよっしゃあー!」
快太は思わず雄叫びを挙げる。
「伝道師サマ、ほんとに熱心なんですね~」
「はい~。さ、さ、どうぞこちらへ」
ふたりを洗面所のまえに、後ろ向きに立たせる。
本当はキッチンで展開する漫画なのだが、ここはベッドと洗面所しかないゲストルームのようなところなので、これでいいだろう。
再現度を気にするセシリアはぶつぶつ文句を言っていたが、最終的には棚から衣装を持ってきて、洗面所のまえに立った。
衣装は裸エプロンである。
「あ、快太、ひとついいか? 中に出すときは、あたしのほうにしてくれよ」
「え?」
その台詞だけでもう漏らしかねない快太だったが、
「あたしはエルフだから人間とヤっても平気なんだが、リリアンはお前と同じ人間族だから、その、念のためにな」
「わっかりました! セシリアに出します!」
はりきりまくった返事をしながら、セシリアを右に立たせる。
こっちが若妻役で、最終的に中に出されるほう。
左は妻の妹で、いったんそちらにも入れるのだが、「最後は姉さんにっ」という奥ゆかしさ(?)でまた右の若妻に入れることになるのだ。
始める直前、リリアンは微笑みながら、
「今日は大丈夫だから、わたしにもし出しちゃっても気にしないで。リラックスしていこ?」
なんてことを言ってくれた。
結構いい子だと快太はあっさり思った。
そしてーー
「じゃあ快太、いや、ヨシヒロ、始めてくれ」
セシリアの合図で始まった。
「おや、今晩のおかずはふたりで作ってるのか」
「お帰りなさい、ヨシヒロ♡」
「お義兄ちゃん、お邪魔してま~す」
帰宅したヨシヒロこと快太が、裸エプロン姉妹の臀部を撫でる。
「も~。ヨシヒロったら待てないの? ちょっと味見する?」
言いながらセシリアが快太に向けて軽く尻を突き出し、そこにあるふたつの豊かな膨らみを両手で開いた。
(きたきた、3コマ挿入~。先生天才すぎるッ。心からの感謝!)
にゅるん。
「ああんっ?」
セシリアの喘ぎは、疑問形だった。
にゅるん。
(あ、あれ、どこ? 入れるの難しくない?)
にゅるん。
にゅるんっ。
「う、わ……」
どくんどくんどくん、と脈打つものを握り、快太がうめいた。
「……はあ」
セシリアが大きなため息をつき、洗面台の鏡越しに快太をにらみつける。
「お前、擦りつけただけでイッてどうするんだ? あたしのここ、そんなに入れたくないのか?」
「セシリア、泣いてる子をいじめるのよくないって」
「泣きたいのはこっちだよ。もう! また洗わないといけないじゃん」
死ねフニャチン!という捨て台詞を残して、セシリアはまた身体を流しに出て行った。
「まあまあ、面白いとは思いますよ?」
リリアンのフォローは、悔しさと情けなさで涙する快太には届いていなかった。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件
フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。
寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。
プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い?
そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない!
スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【R18】イキ戻りの姫とカタブツ勇者
蛙壺
ファンタジー
クリスティ姫は『イキ戻り』体質だった。
どんな最悪の事態でも、イッてしまえば時間を巻き戻すことができる。
キスで、事前にセーブした場面まで。
「こんな結果をあなたは許せるのですか? さあ、過去を変えたいならわたしをすぐにイカせなさい。……あ、キスは上書きされるからダメよ」
カタブツ勇者はその要求に応えられるのか?
※投稿ガイドラインに沿って執筆しております。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる