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プロローグ
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「……これ、どういうこと?」
ベッドで目覚めた天楽快太は、自分の置かれた状況に戸惑った。
異世界に来たことはすぐにわかった。
大学からの帰り道、トラックに跳ねられた記憶があるからだ。
それはもう見事に。
1本だけ残ったボウリングのピンがスペアを決められるがごとく。
それでこれなら、まあ十中八九、異世界転生ということでいいだろう。
でもーー
「なんで俺、学生服を着せられてるんですかね?」
大学生なので私服を着ていたはずだった。
若返ったのかと思ったが、壁の鏡に映った自分は19歳のままに見える。
そもそも、快太の高校はブレザーだったのでこんな制服は着たことがない。
ていうか、
「あの、すみません。なんか答えてもらえませんか?」
さっきから快太は独り言をしているつもりはなかった。
すぐそばにいる、女の人に話しかけているつもりだったのだが。
「……違うぞ」
その女性は、床に落ちた細長い物体を拾う体勢のまま、ダメ出しをしてきた。
ハスキーで魅力的な声だった。
あまり楽な姿勢ではないと思うのだが、彼女はその状態で固まっている。
快太から見ると、前かがみになった女性の大きな胸が丸見えなのだが……。
その、わりと先のほうまで。
「その体勢、やめたほうがいいんじゃ……」
「違うぞ!」
今度は強くダメ出しされた。
衝撃で巨乳がぷるるんと揺れる。
胸にばかり気を取られていたが、この女性、どうやらエルフのようだ。
耳の先が長い。
そして、セーラー服を着ている。
巨乳のエルフがセーラー服を着て、前かがみで胸を見せつけながら言う。
「そこはこう言え。『おおおおっぱい見えてる!』だ」
「まあ見えてますけど」
「ちゃんと言え! この体勢つらいんだから!」
それはそうだろう。
仕方がないので、快太は言ってみた。
「おおおおっぱい見えてる!」
すると、
「きゃっ⭐︎ ウソ、見えてた⁉︎ エッチっ!」
裏声だ。
耳まで真っ赤にして、エルフの女性が慌てて胸を押さえる。
「もうっ、ユウくんったらエッチなことばっかり考えてるんだから。仕返し……しちゃう!」
「うわっ」
ユウくん……ではない快太は思わず軽く叫んでしまった。
女性が、快太のズボンのチャックに手を伸ばしたからだ。
開けようとするのを手で押さえて食い止める。
ぐぐぐ、としばらく抵抗するも、彼女のほうが快太より力が強かった。
「ちょっ、ちょっと!」
「も~。こんなにおっきくしちゃって♡」
たしかに童貞なのでこのシチュエーションで自動的に大きくなってはいるが、
「え、え、え?」
ぱくり、とエルフがそれを口に咥えた。
ちゅばっ、ちゅばっ、と音を立てて舐める。
「なんだか…これ……」
顔の動きに合わせて揺れる長い耳を見ながら、快太は思い出した。
これは、エロ漫画で読んだシーンそのままだと。
買うまえにちょっとだけ立ち読みした、巻頭カラーの作品の冒頭そのままだった。
いや、エルフではなかったけど。
学生服とセーラー服の男女が、保健室であれこれする話だったはずだ。
(そういや俺、昔からの癖でエロ本買った帰りは服のお腹のところに隠すんだよな。あのとき、トラックに跳ねられたときも……お腹に入れてたかもしれない)
初めての快感に痺れる頭で、快太はそんなことを考えていた。
ベッドで目覚めた天楽快太は、自分の置かれた状況に戸惑った。
異世界に来たことはすぐにわかった。
大学からの帰り道、トラックに跳ねられた記憶があるからだ。
それはもう見事に。
1本だけ残ったボウリングのピンがスペアを決められるがごとく。
それでこれなら、まあ十中八九、異世界転生ということでいいだろう。
でもーー
「なんで俺、学生服を着せられてるんですかね?」
大学生なので私服を着ていたはずだった。
若返ったのかと思ったが、壁の鏡に映った自分は19歳のままに見える。
そもそも、快太の高校はブレザーだったのでこんな制服は着たことがない。
ていうか、
「あの、すみません。なんか答えてもらえませんか?」
さっきから快太は独り言をしているつもりはなかった。
すぐそばにいる、女の人に話しかけているつもりだったのだが。
「……違うぞ」
その女性は、床に落ちた細長い物体を拾う体勢のまま、ダメ出しをしてきた。
ハスキーで魅力的な声だった。
あまり楽な姿勢ではないと思うのだが、彼女はその状態で固まっている。
快太から見ると、前かがみになった女性の大きな胸が丸見えなのだが……。
その、わりと先のほうまで。
「その体勢、やめたほうがいいんじゃ……」
「違うぞ!」
今度は強くダメ出しされた。
衝撃で巨乳がぷるるんと揺れる。
胸にばかり気を取られていたが、この女性、どうやらエルフのようだ。
耳の先が長い。
そして、セーラー服を着ている。
巨乳のエルフがセーラー服を着て、前かがみで胸を見せつけながら言う。
「そこはこう言え。『おおおおっぱい見えてる!』だ」
「まあ見えてますけど」
「ちゃんと言え! この体勢つらいんだから!」
それはそうだろう。
仕方がないので、快太は言ってみた。
「おおおおっぱい見えてる!」
すると、
「きゃっ⭐︎ ウソ、見えてた⁉︎ エッチっ!」
裏声だ。
耳まで真っ赤にして、エルフの女性が慌てて胸を押さえる。
「もうっ、ユウくんったらエッチなことばっかり考えてるんだから。仕返し……しちゃう!」
「うわっ」
ユウくん……ではない快太は思わず軽く叫んでしまった。
女性が、快太のズボンのチャックに手を伸ばしたからだ。
開けようとするのを手で押さえて食い止める。
ぐぐぐ、としばらく抵抗するも、彼女のほうが快太より力が強かった。
「ちょっ、ちょっと!」
「も~。こんなにおっきくしちゃって♡」
たしかに童貞なのでこのシチュエーションで自動的に大きくなってはいるが、
「え、え、え?」
ぱくり、とエルフがそれを口に咥えた。
ちゅばっ、ちゅばっ、と音を立てて舐める。
「なんだか…これ……」
顔の動きに合わせて揺れる長い耳を見ながら、快太は思い出した。
これは、エロ漫画で読んだシーンそのままだと。
買うまえにちょっとだけ立ち読みした、巻頭カラーの作品の冒頭そのままだった。
いや、エルフではなかったけど。
学生服とセーラー服の男女が、保健室であれこれする話だったはずだ。
(そういや俺、昔からの癖でエロ本買った帰りは服のお腹のところに隠すんだよな。あのとき、トラックに跳ねられたときも……お腹に入れてたかもしれない)
初めての快感に痺れる頭で、快太はそんなことを考えていた。
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