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第9章

第?章:奴隷のいる日常15(別視点:回想)

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 お互いの目を見て、表情だけで会話をしていると、いつの間にか頭がボーっとするのを感じた。

 それから、まるで初恋の一目惚れ直後の様な、異様な鼓動が耳に聞こえてくる。



 強い酒をヤケクソに飲んだ直後の様な、頭にもやがかかる違和感が広がっていた。
 これが、明らかに薬による作用である事は、誰であっても気付けるだろう。

 ネムが汲んできた水か、茶葉か、風で飛んできた村中にあるオレンジ色の花か、皿に何かが付着していたのか、それとも初めて食べた地竜の肉に何かあるのか。
 馬車の荷になら、解毒作用のある薬草があるが、それが効くかは分からない。
 あらゆる可能性を考えたが、その答えが分かる前に、思考領域が浸食を受けているのを感じた。

 つまり、全く持って冷静に考えられていないのだ。
 大怪我をしたら、ひっきりなしに痛いという信号が頭に伝わる様に、頭にもやもやとした何かがすごい勢いで満たされ、正常な思考を阻害している。



 私は茶の入った皿を地面に落としつつも、立ち上がる途中の姿勢のまま、正常な思考を保とうとその場で不自然に固まっている。

 すると、私の異変を、変化の瞬間から察知していたネムが、私の傍にすぐに駆け寄って来た。
 私は視線だけ上目遣いにネムを見るが、ネムが私の顔を覗き込んだ直後、私と同じ症状に陥っている事が目を見て分かった。

 助けを誰にも求められない、ネムと二人きりの状況。

 私の正常な思考は、既に出来ているつもりで出来ていない可能性が、と考えがよぎった。
 それほどに、冷静に混乱していた。

 じっとしている事以外に、この状況に抗う術を持っていないが、じっとしていても思考への謎の浸食が止まる訳では無い。



 その時、私の思考は逆に、クリアになっていくのを感じた。



 目の前に、ネムが裸で私を待っているのに、どうして私だけズボンを履いているのだ?

 身体が軽い。

 つい数刻前に、既に何度も情熱的に抱いたのに。
 初めてネムを犯そうと決意した時よりも強く、決意とも取れる引き返し不可能な思考で頭の中が固まっていた。

 私がベルトもしていないズボンを脱ごうと手をかけると、それはネムも同じであった。

 ネムは、ズボンが腰骨に引っかかって脱げないままの私を地面に押し倒すと、乱暴にズボンを脱がしてくれた。
 焚火で照らされる裸のネムが、私の身体を跨いで立ち上がる。

「ハーーーーーハーーーーー……」

 と、発情した様な、苦しそうな息を吐きながら、ネムは私の身体を品定めする様に視線で舐め回す。
 襲われそうだと言うのに、なんて楽しみなのだ。

 巨大な竜に握りしめられている様な力で、私の腕をネムが掴み、小さく悲鳴を上げる私の口を唇で塞いでくる。
 ネムの長い舌が口内を蠢き、私の舌を乱暴に蹂躙し始めると、私は勃起する事でネムの腹を押す程度の抵抗しか出来なくなっていた。

 苦しい。
 だが、それ以上に気持ちが良かった。

 私がネムの身体に快楽を刻み付け、何年も中へと精を出してきたのに妊娠を一度もしなかった。
 ネムの身体の準備が整っていなかった事や、体質の大きな変化が原因だとは思うが、それ以後も中に出し続けて来たのに妊娠をする事は無く、私は種族の差で着床し辛いのでは、等、密かに悩んでいた時期もあった。

 だが、今夜こそは孕ませてやろうと、絶対に孕ませる事が出来ると思っていたのに、全く同じ事をネムが考えているのも伝わって来た。



 私が辛うじて息継ぎをするが、ネムは休ませる気は無いらしく、今まで何度も挿入して来たペニスは、私への断りも無くネムの膣へと誘われる。
 前に、ネムに襲われた時よりも、ネムには余裕が感じられない。

 背中を土まみれにして地面に寝そべり、ペニスだけを起こした状態の私は、舌を絡めながら私を至近距離で見下ろし続けるネムの顔しか見えない。

 焚火で揺らめく裸体の背後には、満天の星が瞬いているが、そんな物は今の私達には無いのと同じであった。



 ネムが、今度は私の顔を愛おしそうに舐めながら、がに股でペニスの上に、腰を勢いよく落とし始める。

 パチュン、パチュン、と水気を含んだ音が周囲に響く。
 その度に、同時にネムの尻尾が私の足をパチパチと叩いて乾いた音がした。

 完全に、ネムのペースで私が犯されている形だが、私だってネムの事を同じぐらい犯したい。

 そこで、タイミングを合わせて私が腰を僅かに浮かせてやると、膣の中が深く抉れ、ネムは白目を剥きそうになりながらガクガクしながらも、なんとかギリギリの所で私に視線を戻した。
 挑戦を受けるとでも言いたげな顔で、嬉しそうに腰を打ち付けるネム。

 だが、口ほどにも無い。

 ネムの子宮口や膣壁の感触が僅かに変わる。
 すると、私はネムに絶頂が近い事を悟り、油断しているネムの両手を握り引き寄せた。

 対面の騎乗位で私の顔を豊満な胸で押しつぶす形でバランスを崩したネムは、身体を起こそうと私の手を振りほどこうとするが、私は意地悪にネムを下から、ドチュ、ドチュ、と音を立てて執拗に素早く攻めていく。

 すると、私の頭頂部の臭いを嗅ぐような形で、ネムの身体が大きく痙攣し始めるのを全身で感じたのであった。



 完全な絶頂では無いが、ネムは不意を突かれて、軽くイッた様であった。

 掴み合っていた手を緩めると、額の角を土だらけに汚したネムが、不満そうに身体を起こした。
 まだ絶頂に達していない私のペニスを膣に咥え込んだまま、私の腰の上にペタンと座り、睨みを利かせる。

 ネムの顔を見ると、珍しくも私に対して怒っているのが分かった。
 怒ると言っても、怒りをぶつけると言う感じではなく、ズルや意地悪をされた事への不満を、大きくつぶらな涙目で訴えていた。



 軽くでも絶頂を迎えた事で、ネムは少しだけ正気が戻ったのだろう。
 だが、身体がセックスを求めてやまない状況は、何も変わっていない。

 どうして、こんなにも身体を欲しているのか、その事に困惑しながらも、ネムは切なそうに座ったままの体勢で、腰をゆっくりと動かそうとする。
 私が股間に力を入れてペニスをひくつかせると、まだ絶頂後の敏感さが残っているのか、ネムは面白い様に過剰な反応を見せた。

 お互い、亀頭と子宮口をあまり遠くに離したくないと言う点では、無言ながら意見が一致しているのが伝わり合っている。
 身体が、繋がっているそこから融け合っている様な錯覚さえ感じた。

 ネムが、まだ敏感だと言うのに、強すぎる刺激を与えて感覚を馬鹿にしようと強く腰を落とすが、上手に出来ないもどかしさが感じられる。

 すると、私はネムを一番深く座らせた状態で身体を起こし、ネムを今度は地べたに寝かせての攻守交替をする事になった。
 正常位で攻め立ててやると、先ほどまでの威勢はどこに置いてきたのか、ネムは情けなく腰を引いて逃げようとする。
 しかし、よほど気持ちが良いのか、ネムの唇に舌を入れても、ネムの舌は反撃する余裕すら無い。

 そのまま、ネムの片足を持ち上げ、私は両手で抱え込むと、大きく開いたネムの股に、さっきよりも更に深く股を打ち付けてやる。
 ピストンに疲れて、大きなストロークで何度か最奥を、さらに奥へと押し込む様に、攻城槌の様に突いてやると、ネムはチョロチョロと失禁し、それでも止めずに何度も何度も攻め立てていくと、仕舞いには勢いよく潮を吹いたが、そのまま私は射精するまで腰を止める事は無かった。



 * * *



 どれぐらい時間が経ったかは、分からない。
 周囲は、まだ暗い。

 私は、地面にいくつも何かを必死に掴もうとした爪の後を、ネムがつけているのに気付いた。
 驚きから、慌ててネムからペニスを引き抜く。

 気が付かない間に、4、5回は射精していたらしい。
 地面に、ネムの割れ目からボトボトと精子が垂れていく。
 ひとしきり流れ落ちると、奥からゴボリと精子の塊が溢れ、ネムの足を伝った。
 ネムは、ゼーゼーと息をし、それに合わせて膣口も呼吸する様にぴくぴく動く。

 最初の射精は気付いたが、その後は、あの快感の引きが弱いまま続くと言う初めての感覚で、極度の快感がピストンを繰り返している間中、永続して感じていた為に気付けなった。

 自分のペニスを見ると、真っ赤に腫れているし、裏筋を少し切っているのも分かった。
 細い血管が切れてしまったのか、内出血がみられる。
 明らかに、無理をさせ過ぎであった。

 だが、まだネムを抱きたいと言う衝動はおさまっていない。



 それはネムも同じようで、あんなに苦しそうだったのに、先ほどまで繋がっていた物を愛おしそうに見て、もう私に続きを催促するアイコンタクトを送っていた。
 身体がネムを求め、ネムも私を求めている状況で、私に行為を止める事は出来ない。



 腫れて痛い筈なのに、よろよろとしながら、もう一度。
 私は、勃起がおさまらないペニスをネムの背中に覆いかぶさる様にして、後ろから挿入した。
 ぺち、ぺち、とネムの尻が喜ぶ音が響きわたる。
 ネムの尻尾は右曲がりになってされるがままに振り回されていた。

 膣壁を抉るようにストロークを変則的にすると、ずぷぷぷぷと、お互いの触感が局部から伝わり合い、気持ち良さと共にお互いが完全に相手を理解しあっている様な安心感で満たされる。

 左側から振り向きざまに私の顔を愛おしそうに見るネムと目が合っていて、それだけで、より深く繋がっている事が確認できていた。



「ネム! お前は! お前は!」

 私は、いよいよバカになっていた。
 片言の様に、一突きするごとに、ネムに気持ちを伝えなければ気が済まない。

「私は! 奴隷と! して! お前を! 最高だ! 買った! それ! は! うっ!」

 ネムを再び正常位にして地面に組み敷き、私はバカのまま、ネムの顔を正面にして言葉をつづけた。

「それは! 間違い! だった! 私は! 愚か者! だ!」

 正気ではない私の言葉だが、ネムは急に不安そうな目になって、犯され感じながら私を見上げた。

「買った、こと、まちがい?」

「ああ! 間違い! だった! わざと! 木苺を! 肉を! ああ! くそ!」

「ムウ? なに?」

「ネム! うあぁ! ネム!」

「なに? まちがい??」

 ネムの顔は、要領を得ない私の言葉を必死に解釈しようしているのが見て取れた。

「ああ! くそ! いくぞ! いくぞ! うっぐぅぅぅあ”あ”あ”!」

 私は空の睾丸を必死に絞って果てると、ネムの上に覆いかぶさった。
 だが、ネムはグッタリする私に、不安でたまらないと言った目で、しつこく聞いてきた。

「まちがい、なに? なに? ムウ? ムウ?」

 その時、私の知能指数は、恐らく在り得ない程低かった事だろう。
 少なくとも、複雑な事を考える事は無く、嘘もつけなかった。

 それゆえに、私の考えは、数百年の中で最もシンプルで、私の本心を的を射た形で表していた。

「ネム……」



「なに? まちがい?」

 ネムの瞳は、不安で涙が溜まっていた。
 ネムは、すっかり正気に戻っている様であった。

 一方の私は、正気とは程遠い状態だが、最も正直であった。

「お前とは、別の形で、出会いたかった……」

「べつのかたち? であいたかった? いみ? なに?」

「もっと…………早く、お前を」

「ハフハ? ムウ、むずかしい……」

「最初から、お前を『嫁』に迎えればよかったと言ったんだ」

「ムウ、いった、ちがう。よめ? むかえれば?」



 私は、ネムを抱きしめると、耳元で、ゆっくり、小さな声で囁いた。

「……………………………と、言ったんだ」

「いちばん、あいしてる、もっと、もっと、いちばん、あいしてる?」

「なんでそうなる。良いか、もう一度だけ言うぞ」

 バカは、恰好つかない。
 ネムは、首をコクコクと小さく縦に振る。



「お前の事を……私が死ぬまで、一番の、大切にしたい……で、分かるか?」

「オッオ……ネム、おなじ」



 * * *



 全然分かってなかった。

 それから、私は、セックスそっちのけで地面に絵を描いたり、木苺やドオンゴの骨を物に例えたり、あらゆる説明を試みる事で、どうにか正確な意思の疎通を図る。

 そして、なんとなく理解したネムは、この「にやけた」表情である。

 それは、自分の母親と父親との関係とは違い、主である私と奴隷だったネムとも、今の私と解放奴隷のネムとも違う、ネムには難しい概念の関係。

 一方的に犯されて子を身ごもり飼い殺されるのでも、食べ物を与えられる代わりに言う事を聞くのでも無い。

『お互いが、相手の事を自分自身と同じ様に大事』と言う、理想的なパートナーとの関係。

 その意味を理解した時、ネムは私に言った。

「スス、ネム、スス」と。



「本当に、わかったのか?」

「スス、ネム、わかった。ムウ、ネム、こと、買った。まちがい、ちがう」

「ネム……」

「いう。まって。まって。あいしてる、こと、どれい」

「……」

「ネム、ムウ、いちばん、あいしてる、こと、どれい」

「……」



 ようやく、分かった。
 ネムめ。
 やはり「分かってなかった」のだ。

 私は、ネムの片言の説明を聞いて、無数の解釈がありえるのに、ネムの表情と声色から、その意味を完璧に理解出来た。

 ネムは、自分の母親と同じ様に、自分を孕ませる誰かの手に渡る事を、奴隷商人の檻の中に入るよりも前から待っていた。
 そして、それが元々当たり前だと考え「奴隷」と言う言葉の意味は、ネムにとっては「母親と同じ立場」と言う間違った認識だったのだ。

 そんな認識で、私に買われたネムは、ある意味で、最初から「母親と同じ立場」と言う、性奴隷と母親が合わさった概念の物に自ら進んでなろうとしていた。

 ネムにとって、性奴隷と嫁には、大きな差が存在しなかったのだ。



 ネムは、ある意味、奴隷として振舞っていたと同時に、ずっと嫁としても振舞っていた。
 その事に、私はようやく気付いたのだ。

 さらに、ネムは「愛している」と言う意味を私に教えられた事で、初めて自分の認識している「母親と同じ立場」は、「性奴隷」と「嫁」と言う二つの概念が融合している事に気付き、言葉は同じでも意味では分離を行っていた。
 私の奴隷であった時でさえも、ネムは一度だって性奴隷だった事はなく、嫁と自身を定義し、疑う余地もなく信じていた。

 私は、ネムを奴隷として、私の悪趣味の被害者として出会いをした物と、長年考えて来た。
 それは、心のどこかで後ろめたい物としてチラつき、私がネムを解放奴隷にした原因の一つでもあった。

 だが、それは、加害者になろうとした私の独りよがりであった。

 私の汚さ、おぞましさ、狡猾さは変えられない事実である。

 だが、ネムが自分を被害者と感じた事は、私の所に来てからは一度も無く、ネムにとって私は最初から「自身を選んだ夫」であり「最も愛している伴侶」と言う認識だった。



「あ……」

 私の目からは、気が付けば涙が自然と溢れ出していた。
 最悪の選択、最低の出会いから始まった筈だったのに、言葉と文化が違った事で、私がネムを救ったとネムが認識している事に、私の中の罪悪感が、ほんの少しだけ軽くなったのを感じた。

「ムウ? いたい? ネム、わるい?」

「悪いのは……私の方だ……」

「わるい、こと、ちが……ちがう」

 ネムの胸に抱きしめられ、私は頭を撫でられた。



 私は、なんて鈍く、愚かなのだろう。

 私がネムを救ったのでは無い。
 最初から、私がネムに救われていたのだ。



「ネム、私を愛してくれて、ありがとう……」

「わたし、あいしてる、ムウ……あるじ、どれい、よかった……」



 自然な成り行きだった。
 遠くの山が朝焼けで色づく中、私とネムは、恋人としてもう一度愛を確かめ合う事にした。

 私の涙をネムは舐めとり、お互いを感じ合いながら舌を絡め合う。
 それから、ネムが充血して痛々しい色形をした私のペニスに、昨晩の中で最も優しく愛撫を始める。
 愛おしさだけを感じる丁寧なマッサージで睾丸に出番が迫っている事が伝わると、ネムの手の中で今回最後にもう一回だけ出す分の液が作られていく。

 裏筋の切れた所を舐められ、驚くほど痛むが、それ以上に今のネムに入りたくて血液が股間に集まっていく。
 亀頭はカリ首が立ち、皮がピンと張って出来た光沢に、焚火と朝日を反射する。

 ネムが私の準備が出来たと横になって股を開き、両手で美しいヴァギナを開くと、私は挿入せずに顔をうずめ、クリトリスの包皮の鼻をうずめ、指と舌で自らの残した精子をかきだしながら、丁寧に愛撫を始めた。

 ネムの膣も、数えきれないセックスで疲れていたが、それでも愛撫に応えようと朝日を反射し、私の舌や指と糸を引くようになっていく。
 その顔を見上げると、いつもは自信に溢れているか、あっけらかんと受け入れていたネムの顔が、羞恥心でも芽生えた様な、嗜虐心をくすぐる艶っぽい高揚を帯び始めていた。

 その愁いを秘めた瞳には、もう入れて欲しいと切なさが滲み出ている。



 だから、私は、ネムがもう一度両手で入れやすい様にと広げた膣にペニスを添えた。

 ネムの胸を愛撫しようと倒れ込むままに、狭い膣の中にペニスが根元まで埋もれていく。

 今度は、すぐにピストンを始めない。

 ネムの膣内の火傷しそうな体温を感じながら、胸や脇を舐めて愛撫していく。
 ネムは、尻尾で私の足を愛おしそうに撫でて邪魔をしてくるので、尻尾を捕まえてペニスの様に裏筋をしごき、そのまま尻の穴へと指を這わせていく。

 指を飲み込もうとする尻の穴を遊んでほぐしながら、少しずつピストン運動を始め、ストロークを少しずつ変えて一番感じる場所を探してやる。

 ネムがいつも感じる天井や膣口の浅い場所、一番奥にあるプリプリとした子宮口と言った場所以外にも、カリ首でひっかいたり、亀頭の先で抉るように掘ってやると、新しい刺激で愛液が蜜のように溢れ出す。

 天然の潤滑液によって滑りが良くなると、ペニスの先からもぬるぬるとした体液が溢れ、排尿する様に力を入れると、射精とは全然違う我慢汁の排出によって、さらに滑りが良くなった。

 その状態で、あとはスピードを速め、ピタリと息の合ったセックスは最高潮に達していく。

「しゅき♡ しゅき♡ んんっ♡」

 と、ネムが声をあげるが、私は腰を大きく動かして、最奥を集中的に攻める事で、逃げるネムの腰に快楽を刻み付けていく。

「あっ♡ あっーーーーー♡ あっーーーーー♡♡♡」

 ネムがのけぞる程の絶頂で気をやりそうな裏で、同時に私は半開きの口を無理やり噛み締めて、子宮口の穴に密着させた鈴口から、本日最後の射精にしては頑張った量と濃さのある精子を吐き出して果てたのであった。

 私は、ビクビクと脈打ち、最後の一滴までネムに飲ませようとするペニスを愛おしそうに包み込む感触を股間に感じながら、ネムの身体を抱き寄せ、ネムもまた、私の身体にギュッとしがみつく。

「ネム……」
「……す……き♡」



 * * *



 太陽が真上を過ぎた頃、ヘロヘロになった私とヘムは、近くを流れる小川に腰までつかり、土だらけの身体を二人で洗い合っていた。

「いたい?」

「少し、な」

 使いすぎと水の冷たさですっかり縮こまったモノの、ふやけながらもマダラ色になっている様を見て、ネムは今更ながら心配する。



 それにしても、昨晩のあれは、何だったのだ?
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