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フィールドワーク編
手始めの前の足元固め
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エルフは居なかった。正確に言えば集落が壊滅していたというべきか。
結論から始めるとそうなるのだが、今のところはそこに至るまでの詳細が不明だった。過程としては他の亜人……この辺りでも良く見受けられるゴブリンとの種族競争に負けたという所だろう。
傭兵として呼び寄せたオーク、通称『ブー』からの一時報告はそんな所であった。
「下級ポーションと解毒剤用の薬草か。そこそこの価値かな」
「正確には植物由来の毒用ネ。もっともワタシ達オークには別ヨ。オーク生命力強い、これで十分他の毒にも耐えられる」
筋肉質の肉ダルマでは無く、まさしく豚顔の男がそこに居た。
古オークの末裔によく見かけられる特徴で、オークにしては知的だが、オークが持つ最低限の生命力を兼ね備えた者が持つ容姿であった。右目の周りを黒縁が覆っているのが特徴だろうか? 暑い国の出身ゆえかダンジョニアの涼しさ対策にゆったりとした服を着込んでいる。
エルフと違って古代種族の末裔であっても強くはない。
代わりにオークよりも社交的で話が通じるというのが貴重な連中だ。あまり強もない血統を大事にしているので、異種族の女性に手を出さないのもありがたかった。いや、女を口説いてオークに負ける気はないけどな。
「もう少し追跡調査するか? 具体的には村人が手を出しそうにない奥地まで」
「そうねえ。もっと貴重な薬草か木材でもあれば……」
「シャッチョーサン。ワタシの見解ヨロシ? 是? 多謝! エルフにも必要な薬草が幾つか見つかって無いネ。抗麻痺に除菌、その辺りは保証できるヨ。でも貴重な薬草微妙ネ、探し続けて強心薬や活性薬? 後は残したお宝探すかどうかの心ヨ」
俺とエレオノーラの会話を横目にオークが薬棚に向かう。
とある薬の所で立ち止まり、この薬なら見つかりそうだと選んだのが四種類。まだ探して居ないエリアにありそうな薬というのはこの辺までだという専門家としての意見らしい。これを先見性と誠意ある良い意見と取るか、嘘を含めた出しゃばりと見るかは人による。
とはいえ他のレンジャーや薬草師を雇えば判る話だ。
嘘では無く表面上は誠実に語っているとみるべきだろう。良い所を見せて雇用を継続させるのと、薬草が見つかれば追加のボーナスを求めていると言う程度の裏だろう。もっとも俺たちの予定を見越して、長期計画のアピールをしている可能性もゼロではない。
「……技と魔法が余計に使えるのはありがたいわね。でもお宝?」
「きっとお宝アルネ。ああ、でも金銀財宝違うの事ヨ。でも宝言えば旦那たちにはこっちが重要に違いないネ」
少し考えてエレオノーラは薬草の価値を認めた。
強心薬は気力を快復する薬で戦闘用の技などを使って萎えている時に役立つ。活性薬は魔力が回復するので重宝される薬だ。どっちも長期戦を行う傭兵などには有用な物だが、あえてこの薬に言及したことをエレオノーラは口に出した。
もし今後を見据えて様子を伺っているならば、話に加えても良いと少しだけ見せたつもりなのだろう。だからお宝などと口にせず、具体的に話せと言う事でもある。
「エルフ。エルフの生き残り、きっと居るネ」
「何しろエルフ、寿命長いが子供なかなか生まれない」
「獣や亜人に囲まれたくらいで子供たち道連れにするアルか?」
「ナイナイ。里の総力を結集して、子供たちくらい逃がそうとするネ。誇りと引き替えに華々しく散る? そんなプライド犬に食わせて埋めれば良いネ。エルフたち獣と違って死ぬ定めの子供見捨てないの事ヨ」
言われてみれば何となく納得できる話だった。
何かの問題があってエルフたちが壊滅する事件があったとして、壊滅と殲滅では意味が違うのだ。亜人種間の殲滅戦争が起きたならばいざ知らず、近隣で起きた生存競争ならば逃げようとするだろう。それこそ数人に道を切り拓かせて脱出するなり、崩れかけた洞穴か何かに偽装して様子を伺っている可能性はあった。
「里の遺産は子供たちの物。これ自明の理ヨ」
「でも、育てるための費用に少しばかり貰う、きっと悪くないネ」
「ワタシ金貰う。旦那たち、子供たちを引き取ってエルフの魔力貰う」
「これwin-win-winヨ。見つかたら、悦びの舞を踊るネ。もし旦那たちが子供要らない言うなら、他所のエルフ族探せば良いネ。何処のエルフも後継者不足で困っているの事ヨ。きっと商談に乗ってくれるネ」
こいつ……平然と子供をお宝扱いしやがったぞ。
しかも俺達にも使える貴重品と言ってるあたり、その主張は奴隷商人と大して変わりが無いと来た。ゲスであり俺達も同じ領域に引きずり落そうとする外道の中の外道と言えるだろう。問題はエレオノーラの反応なんだが……。
「もう良いわ。この話はその線で進めましょう」
「どのみち子供が居るなら保護するのは当然だしねっ」
「その上でどうするかは後で決めるわ。あくまで子供たちの意思優先にすべきだし、そもそも大人のエルフも居るかもしれないわ。他のエルフに合流したいとか、逆に争乱のある地域からこっちに移住し対って連中も居るかもだしね!」
どうやら物事を一つ一つ解決することにしたようだ。
確かにここで断っても、本当に子供たちが生きているならば放置はイコール死につながるだけだ。あいつが俺達の目を盗んでまで保護に行くかと言えば、手切れになると判って居るならやるだろう。しかしこれからまだ契約が持続する可能性があるならば、ワザワザ顔を潰して行うとは思えないつまりここで操作を継続しないと成れば、子供を殺す決断になるのだから断るという選択肢はないという事なのだろう。
さて、俺も紹介した手前、何か言わなきゃならんだろうな。
「俺はそれまでにエルフの動向を軽く調べるって感じで良いか?」
「そうね。エルフが居るとは限らないけど、居た時に合流したいと言ったらガッカリはさせたくないもの。他人の不幸に首を突っ込む段階で気分は良くならないけれど、できるだけ後腐れない方が良いわ。それと……」
俺がメモを取り出すと、詳細な条件をエレオノーラが付け加えた。
そうそう都合よくこっちに移住したいエルフが居るとも思えないが、どこまで開拓して良いかの線引きなどを受け入れるメンツを優先したいのは当然のことだろう。もちろん子供たちが向こうに行きたいと言い、特に見返りがない場合はただの損だが……まあ、そこは森が手に入ったと思えば良いのだ。
その上でエレオノーラはブーへと睨み返した。
「この後、あんたの他にも術者を雇ってダンジョン攻略もするつもりなの。薬草を根こそぎって真似は駄目よ」
「是! 話はまとまたネ。この鼻に掛けて探して見せましょうとも」
こうして森での探索と、傭兵をどうするかの段階が終わった。
トレジャーハンターゆえに優秀な斥候でもあり、薬草もそれなりに扱えるブーを仲間にした事で、計画はかなり具体的に成ったと言えるだろう。呼ぶ予定の人形師にも活性薬は役に立つだろうし、ホムンクルスはゴーレムより華奢だがポーションが効く相手でもある。小さなダンジョンであれば探索が可能になったのは間違いがない。
後は戦闘用に調整したホムンクルスのデータを見て、計画を本格的に進めようじゃないか。
エルフは居なかった。正確に言えば集落が壊滅していたというべきか。
結論から始めるとそうなるのだが、今のところはそこに至るまでの詳細が不明だった。過程としては他の亜人……この辺りでも良く見受けられるゴブリンとの種族競争に負けたという所だろう。
傭兵として呼び寄せたオーク、通称『ブー』からの一時報告はそんな所であった。
「下級ポーションと解毒剤用の薬草か。そこそこの価値かな」
「正確には植物由来の毒用ネ。もっともワタシ達オークには別ヨ。オーク生命力強い、これで十分他の毒にも耐えられる」
筋肉質の肉ダルマでは無く、まさしく豚顔の男がそこに居た。
古オークの末裔によく見かけられる特徴で、オークにしては知的だが、オークが持つ最低限の生命力を兼ね備えた者が持つ容姿であった。右目の周りを黒縁が覆っているのが特徴だろうか? 暑い国の出身ゆえかダンジョニアの涼しさ対策にゆったりとした服を着込んでいる。
エルフと違って古代種族の末裔であっても強くはない。
代わりにオークよりも社交的で話が通じるというのが貴重な連中だ。あまり強もない血統を大事にしているので、異種族の女性に手を出さないのもありがたかった。いや、女を口説いてオークに負ける気はないけどな。
「もう少し追跡調査するか? 具体的には村人が手を出しそうにない奥地まで」
「そうねえ。もっと貴重な薬草か木材でもあれば……」
「シャッチョーサン。ワタシの見解ヨロシ? 是? 多謝! エルフにも必要な薬草が幾つか見つかって無いネ。抗麻痺に除菌、その辺りは保証できるヨ。でも貴重な薬草微妙ネ、探し続けて強心薬や活性薬? 後は残したお宝探すかどうかの心ヨ」
俺とエレオノーラの会話を横目にオークが薬棚に向かう。
とある薬の所で立ち止まり、この薬なら見つかりそうだと選んだのが四種類。まだ探して居ないエリアにありそうな薬というのはこの辺までだという専門家としての意見らしい。これを先見性と誠意ある良い意見と取るか、嘘を含めた出しゃばりと見るかは人による。
とはいえ他のレンジャーや薬草師を雇えば判る話だ。
嘘では無く表面上は誠実に語っているとみるべきだろう。良い所を見せて雇用を継続させるのと、薬草が見つかれば追加のボーナスを求めていると言う程度の裏だろう。もっとも俺たちの予定を見越して、長期計画のアピールをしている可能性もゼロではない。
「……技と魔法が余計に使えるのはありがたいわね。でもお宝?」
「きっとお宝アルネ。ああ、でも金銀財宝違うの事ヨ。でも宝言えば旦那たちにはこっちが重要に違いないネ」
少し考えてエレオノーラは薬草の価値を認めた。
強心薬は気力を快復する薬で戦闘用の技などを使って萎えている時に役立つ。活性薬は魔力が回復するので重宝される薬だ。どっちも長期戦を行う傭兵などには有用な物だが、あえてこの薬に言及したことをエレオノーラは口に出した。
もし今後を見据えて様子を伺っているならば、話に加えても良いと少しだけ見せたつもりなのだろう。だからお宝などと口にせず、具体的に話せと言う事でもある。
「エルフ。エルフの生き残り、きっと居るネ」
「何しろエルフ、寿命長いが子供なかなか生まれない」
「獣や亜人に囲まれたくらいで子供たち道連れにするアルか?」
「ナイナイ。里の総力を結集して、子供たちくらい逃がそうとするネ。誇りと引き替えに華々しく散る? そんなプライド犬に食わせて埋めれば良いネ。エルフたち獣と違って死ぬ定めの子供見捨てないの事ヨ」
言われてみれば何となく納得できる話だった。
何かの問題があってエルフたちが壊滅する事件があったとして、壊滅と殲滅では意味が違うのだ。亜人種間の殲滅戦争が起きたならばいざ知らず、近隣で起きた生存競争ならば逃げようとするだろう。それこそ数人に道を切り拓かせて脱出するなり、崩れかけた洞穴か何かに偽装して様子を伺っている可能性はあった。
「里の遺産は子供たちの物。これ自明の理ヨ」
「でも、育てるための費用に少しばかり貰う、きっと悪くないネ」
「ワタシ金貰う。旦那たち、子供たちを引き取ってエルフの魔力貰う」
「これwin-win-winヨ。見つかたら、悦びの舞を踊るネ。もし旦那たちが子供要らない言うなら、他所のエルフ族探せば良いネ。何処のエルフも後継者不足で困っているの事ヨ。きっと商談に乗ってくれるネ」
こいつ……平然と子供をお宝扱いしやがったぞ。
しかも俺達にも使える貴重品と言ってるあたり、その主張は奴隷商人と大して変わりが無いと来た。ゲスであり俺達も同じ領域に引きずり落そうとする外道の中の外道と言えるだろう。問題はエレオノーラの反応なんだが……。
「もう良いわ。この話はその線で進めましょう」
「どのみち子供が居るなら保護するのは当然だしねっ」
「その上でどうするかは後で決めるわ。あくまで子供たちの意思優先にすべきだし、そもそも大人のエルフも居るかもしれないわ。他のエルフに合流したいとか、逆に争乱のある地域からこっちに移住し対って連中も居るかもだしね!」
どうやら物事を一つ一つ解決することにしたようだ。
確かにここで断っても、本当に子供たちが生きているならば放置はイコール死につながるだけだ。あいつが俺達の目を盗んでまで保護に行くかと言えば、手切れになると判って居るならやるだろう。しかしこれからまだ契約が持続する可能性があるならば、ワザワザ顔を潰して行うとは思えないつまりここで操作を継続しないと成れば、子供を殺す決断になるのだから断るという選択肢はないという事なのだろう。
さて、俺も紹介した手前、何か言わなきゃならんだろうな。
「俺はそれまでにエルフの動向を軽く調べるって感じで良いか?」
「そうね。エルフが居るとは限らないけど、居た時に合流したいと言ったらガッカリはさせたくないもの。他人の不幸に首を突っ込む段階で気分は良くならないけれど、できるだけ後腐れない方が良いわ。それと……」
俺がメモを取り出すと、詳細な条件をエレオノーラが付け加えた。
そうそう都合よくこっちに移住したいエルフが居るとも思えないが、どこまで開拓して良いかの線引きなどを受け入れるメンツを優先したいのは当然のことだろう。もちろん子供たちが向こうに行きたいと言い、特に見返りがない場合はただの損だが……まあ、そこは森が手に入ったと思えば良いのだ。
その上でエレオノーラはブーへと睨み返した。
「この後、あんたの他にも術者を雇ってダンジョン攻略もするつもりなの。薬草を根こそぎって真似は駄目よ」
「是! 話はまとまたネ。この鼻に掛けて探して見せましょうとも」
こうして森での探索と、傭兵をどうするかの段階が終わった。
トレジャーハンターゆえに優秀な斥候でもあり、薬草もそれなりに扱えるブーを仲間にした事で、計画はかなり具体的に成ったと言えるだろう。呼ぶ予定の人形師にも活性薬は役に立つだろうし、ホムンクルスはゴーレムより華奢だがポーションが効く相手でもある。小さなダンジョンであれば探索が可能になったのは間違いがない。
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