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2章 中編

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「オスミルクって美味しいの?」

「モーリアは美味しいって言ってたぞ。父さんは、まだ自分のを飲んだことはないけどな」

 何も知らない子供のアキホに対して、グランがロクでもないことを教えている。

「コラッー、人が食べてる最中にそんな話をするのは止めろよ」

「アキホもオスミルク飲みたい!」

 クソ親父のせいで、妹がしょうもないことを言い出した。
 他のみんなはアキホにどう言い聞かせればいいのか分からず、気まずくなって黙り込んでいる。
 可愛い妹の願いなら、俺に出来ることは何でもしてあげたいとは思っている。
 だが、それだけは無理だ。倫理的に問題があるし、許されないだろう。

「がははは。アキホには、まだ早い。大きくなったら種フレに飲ませてもらえよ」

「すぐ飲みたい!」

「アキちゃんダメよ。そんな下品なこと言っちゃいけません」

「どうして? お母さんも飲んでるんでしょ。アキホにも、ちょうだい!」

 モーリアが窘(たしな)めようとしたが、アキホは駄々を続けている。
 困ったもんだ。やはり、ここは俺が一肌脱ぐしかないようだな。

「仕方ないなぁ。そんじゃアキホ、明日、もっと美味しいものを作ってやるから。明日まで待ってろよ」

「うん、わかったー。お兄ちゃん絶対、明日だからね」

 ふぅ、もうすぐ一日が終わる。なんだか今日は、ものすごく大変だった。
 でも、この後が本番でもあるんだよな。パイラッシュ、俺は疲れたよ……。

「さてと、ご馳走様でした。俺かなりクタクタだから、夜の搾乳前に少しだけ仮眠してくるよ」

「はい、お疲れ様です。ご馳走様でした」

 後片付けはサヒラに任せ、俺は自分の部屋に戻るとバタっと横たわった。
 朝からガラス工房でバイトして、午後はスライムと戦って、夕方には三つ子姉妹の搾乳までしていた。
 もしHPゲージが見れるなら黄色く点滅していることだろう。
 一休みして回復しないと体が持たない。

 ムニャムニャ……
 ……
 ……

 俺が部屋で寝ていると、突如として武装したブルッサが乱入してきた。『チェストー、天誅―』と叫んで木刀を振り回している。
 何かがおかしい。あの木刀は売却してしまったはずだ。それに胸が大きい。いつの間に巨乳になったんだ? スライムを胸パッド代わりに詰めているのだろうか。

 分かった、これは夢だな。それならば、どうでもいい。
 しばらくすると、ブルッサはゴンゴンと俺の頭を木刀で叩き始めた。

『おい、やめろっ。俺が何したって言うんだ。イテテ、夢だと思うけど痛いぞ』

『この浮気者ー! 不倫は成敗よ。早く私をダンジョンに連れて行きなさい』

 ゴン、ゴン。
 ゴン、ゴン、ゴン。いてぇ……

「ハッ」

 目が覚めると、バットを持ったヒビキが俺の枕元に立っていた。
 自分で作ったバットを護身用に枕元に携えていたのに、それで俺自身が殴られることになるなんて。

「寝てるの?」

 俺はヒビキから頭をポコポコと叩かれていたのだった。

「痛っ。何をするんだよ? 起きてるって」

「熟睡してるのかどうか、ちょっと確かめてみたんだけど」

「手荒だなぁ。別に叩かなくてもいいじゃないか。それで、何か火急の用かな?」

 火災か地震か津波でも発生したのだろうか。
 この村に生まれてから学校とかにも行っていないので、朝にいくら寝坊しても遅刻することもない。
 それに、今はまだ夜のようだ。叩き起こされる必要性に思い当たりが無かった。

「何か、じゃないでしょ。夜に3人の搾乳をするんじゃないの?」

「あ、そうだった。少しだけ仮眠のつもりが……。俺、どれくらい寝てたかな?」

「ランプ油の減り具合からすると、夕飯から2時間くらいは経ってるわね」

 夜は日時計が使えないので正確な時刻が分からないけれど、もう午後の10時頃になるのだろうか。

「いつの間に? ほんの10分くらいのつもりだったんだけど」

「10分どころじゃないわよ。あんまりメスを待ち惚けさせたらダメじゃないの」

「そうか、まだみんな起きてるのかな? 今から搾乳してくるよ」

「今、代わりにハルナが行ってるから。セイカもセニィも泣いてるわよ」

「え……? とりあえず俺も行ってくる」

「この家はグランが、あんなザマだから。カイ君がしっかり支えてよね」

 ちょっとだけ目をつぶって横になって休んでいたつもりだったが、俺は知らないうちに熟睡していたようだ。
 ヒビキから言われたことも気になるが、慌てて隣の部屋へと駆け込んだ。
 ノックするのも忘れて、ガチャっとドアを開け中へと入る。

「あ、カー君。起きたの?」

 室内にはハルナと、メイドさん達(サヒラ、セイカ、セニィ)が揃っていた。
 床には樽と湯の入った桶が置いてある。
 3人とも上着を脱いでいて、既にオッパイは丸出しになっている。

「ゴメン、遅くなったな。もう搾り終わったの?」

「先に、タオルでみんなの胸を拭いてたところだよ。まだ搾ってないから」

「そうか。それなら、あとは俺がやるから」

 熱湯で絞ったタオルを使って、ハルナが3人の清拭だけ済ませたようだ。
 綺麗に消毒されたオッパイが搾られるのを待つだけとなっている。
 ここまで、お膳立てしてあれば残りの作業は容易いことだ。

「坊ちゃま、お疲れではないのですか?」

「いや、大丈夫だよ」

「さっきまで、ずっとカイホ君が来るのを待っていたんだけど、今夜はやけに遅かったから」

「それで部屋の中を見たら、坊ちゃまが気持ちよさそうに眠っていましたので」

「少し仮眠していただけさ」

 どうやら俺が寝ている間に、みんなから覗き見されていたようだ。
 少し(2時間)だけ仮眠(熟睡)を取って、十分に回復している。
 むしろ、起こされるときにHPが減っただけだ。MPはどうだか分からないけど、魔法6発くらい使えると思う。

「カイホさんも疲れが溜まっているみたいだし、このまま寝かせておこうって。ハナルさんと話してたんです」

 セイカも俺の疲労を心配し、気を使ってくれたのだろう。
 溜まってはいないので大丈夫だ。

「もうバッチリ、目がギンギンに覚醒してるぞ。何も問題ないなら、いつものように始めようか」

 通常なら1人ずつ、清拭→搾乳という手順を踏むはずだ。
 それなのに、先に3人の清拭だけ済ませて、搾乳が後回しになっていた。つまり、俺が来るのを時間いっぱい待っていたのだろう。
 今夜はパイサックをするだけで終わりになる。

「じゃあ、お姉ちゃんはアキホを寝かしつけてくる。カー君も無理しないでね」

「オールナイトで徹乳できる自信もあるし、余裕だよ」

 姉に見られていては、やりにくい。
 ハルナが部屋の外に出ると、それから俺は搾乳樽を手に取った。

「早く搾って。カイホ君にしてもらないと寝られないよぉ」

 セニィは既に眠そうな目をしている。
 たぶん、俺が搾乳しなくても寝落ちする寸前だったかもしれない。
 もう夜も遅いし、急いで捌いてしまおう。

「200cc:パイサック!」

 ギュイィィン。ビュッビュゥー。
 魔法をかけると、体は反応しているようだ。セニィは脳が寝ボケ半分でも、オッパイの突起だけはピクンと大きくして勢い良くミルクを噴射している。

「はぁっん。うぅんっ。ムニャムニャ」

「おいおい、搾乳中に寝るのか。まあ、しょうがないな」

 左乳を搾り終わると、俺はセニィを後ろから抱きかかえるようにして右乳を樽に向けた。
 この体勢を取れば倒れそうになっても俺が支えるので、セニィが寝ていようが起きていようがかまわないはしない。

「すぐ終わるからな。そしたら寝ていいから。200cc:パイサック!」

 事情を知らない人が見たら、寝込みを襲っているのだと誤解されかねないな。
 あくまでも毎晩の日課で健全な搾乳をしているだけだ。

「ひゃぁっ。んっ、はぁん」

 半分寝てるかと思ったが、やはり刺激を与えると目が覚めてしまうようだ。
 右乳からもミルクを樽に流し入れ、セニィの分が完了した。

「大丈夫か? もう済んだぞ」

「ねぇカイホ君。セニィも種フレにしてよ」

「ん? 急に何を言ってるんだ。俺は誰も種フレになんかするつもりはないぞ」

「えー、そんなぁ。じゃあ種フレじゃなくて、メス穴奴隷でもいいから。お願いだからセニィは売り飛ばさないで」

「ちょっと待て、やっぱ寝ボケているのか? 全く話しが見えないな。それにメス穴奴隷って一体どういう意味だ?」

「坊ちゃま、種フレは両者の合意による対等な関係ですが、それとはまた別の形態もあるのです。メス穴奴隷というのはオスが一方的にメスを玩具にすることです」

 セニィがおかしなことを言い出し、俺の疑問に対しサヒラが説明してくれた。
 言葉の意味は何となく分かったが、話の流れが完全にチンプンカンプンだ。

「とにかく、種フレだの奴隷だの、セニィをそんな待遇にするつもりはない。一応はメイドさんてことになっているんだけど、俺は家族だと思っているから」

「カイホ君と、ずっと一緒にこの家に住んでいたいの。もしセイカを売り飛ばしても、セニィだけでも家においてよ」

「変な夢でも見てたのか? セイカもセニィも売り飛ばしたりするわけないじゃないか。イヤじゃなければ、いつまでも好きなだけ家に居ていいと思うぞ」

「そう、よかった。それならもう寝るね。おやすみ」

 そう言うとセニィは布団の上にバタっと仰向けに倒れた。
 いつも早業のように寝付くんだよなぁ。

「そんじゃサヒラ、セニィに服を着せてあげてくれ。その間にセイカを搾るよ」

「はい」

「さっきハルナさんに拭いてもらったので、すぐ搾れます」

「今夜は揉み揉み無しだが仕方ない。ではさっそく。200cc:パイサック!」

 ビュビュビュッビュー。
 本日、何度目になるのか数えていないから分からないけど20回以上は発動したパイサックをセイカの左乳にも使用した。
 夕食から2時間ほど経過したせいだろうか。今夜は普段よりミルクの出る勢いが少しだけ強い気がする。

「あっ、くふぅん。はぁはぁ……」

 搾乳している間、今日のセイカは両手で俺の肩を掴んで何だか甘えるようにもたれかかっている。
 あらためて彼女のオッパイをよく観察すると、突起からサークルまで薄い桜色をしている。とても綺麗だ。
 ロチパ三姉妹の揉み具合も悪くなかったが、やはり鑑賞用ならセイカが最高だ。

「よし、左は終わりだ。すぐ右もいくぞ。200cc:パイサック!」

「ふぅっん、あ、あぁっ。ひぐっ、ヒック」

 ふと、セイカの顔を見ると、彼女は目を少し赤くして涙を流していた。

「あ、どうした? 痛かったか?」

「い、痛くはないです。気持ちいいです」

「ゴメン、何か俺しくじったかな? どうして泣いてるんだ?」

「いえ、何でもないです」

「そうか。俺が仮眠してる間、今夜ずっと待たせちまったからな。悪かったよ」

「そうじゃないです。それは関係ありません」

「もしかして、夕飯は水団じゃなくてパンの方が良かったのか? とりあえず終わったから服は着ていいぞ」

 いつもと同じように搾乳をしただけで、変なことは何もしていない。
 今日はオッパイを強く引っ張ったり、つねったりもしていない。

「はい。あの、カイホさん。セイカは売り飛ばされてもかまいませんので。せめてセニィだけでも、このまま家においてあげられないでしょうか?」

「はぁ? さっきセニィも言ってたけど、何の話なんだ? 2人とも売り飛ばしたりなんてしないぞ」

 セイカを泣かせるようなことは、全く心当たりはない。
 訳も分からず混乱していると、サヒラがセイカをなだめるように声を掛けた。

「セイカ、今夜は遅いから先に寝ていなさい。何も心配することはありませんよ」

「分かりました。おやすみなさい」

 サヒラに促され、すぐにセイカは布団をかぶって潜ってしまった。
 また明日にでも聞いてみるか。

「それでは坊ちゃま、私の搾乳もお願いします」

「そうだな、とりあえずサヒラの分も終わりにするか」

「こうして坊ちゃまに搾乳していただけるのも、いつか終わりが来ると思うと名残惜しいですね」

「ん? さっきセイカとセニィも言ってたけど、どこからそんな話が出たんだ? まさかグランが勝手に売り飛ばそうとしてるわけじゃないだろうな?」

 搾乳ついでで、サヒラのオッパイをまさぐりながら話をすることにした。

「坊ちゃまに新しい種フレが出来て、セニィは自分が用済みで放牧されると勘違いしていたんだと思います」

「まったく、みんなして種フレ種フレって騒いでしょうもないなぁ。ブルッサだのパニコだのは種フレでも何でも無いって何度も言ってるのに」

「それは分かっていて、冗談でからかっているだけかと」

「やっぱりそうか、タチが悪すぎるぞ。そんで、サヒラの搾乳が終わりってどういうことだ?」

「旦那様から何も聞いていないのですか?」

「俺は一切聞いてない。何か問題でも起きたのか?」
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