捨てられ姫と偏屈魔法士


 ヴィルトゥエル王国の辺境の田舎村、「ミカニ村」で生まれ育った人族の少年、レイ。

 人族の中でも珍しく魔力を有していた彼は、国民の憧れの職である「魔法技師」になる為、日々見習い魔法士として訓練と勉強に明け暮れていた。
 しかし、田舎村の住人達はそんな「無駄な努力」ばかりをする彼を蔑み馬鹿にしていた。家族も村の役に立たないレイを早々に見捨て、レイの居場所は村の寂れた教会のみ。
 レイも当然村人達を嫌い、いつか村を出て王都に行く夢を持つのだった。


 そんなある日。


 いつものように大嫌いな家から飛び出して教会に向かったレイ。
 草原の一角が不自然に窪んでいるのを見たレイは、不思議に思いながらも道から外れ、窪みに近付いていく。ーーそして。


「……女?」


 草花を下敷きにして眠る、傷だらけの少女と出会ったのだ。





 
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,273 位 / 192,273件 恋愛 57,278 位 / 57,278件

あなたにおすすめの小説

【完結】君の世界に僕はいない…

春野オカリナ
恋愛
 アウトゥーラは、「永遠の楽園」と呼ばれる修道院で、ある薬を飲んだ。  それを飲むと心の苦しみから解き放たれると言われる秘薬──。  薬の名は……。  『忘却の滴』  一週間後、目覚めたアウトゥーラにはある変化が現れた。  それは、自分を苦しめた人物の存在を全て消し去っていたのだ。  父親、継母、異母妹そして婚約者の存在さえも……。  彼女の目には彼らが映らない。声も聞こえない。存在さえもきれいさっぱりと忘れられていた。

溺愛の価値、初恋の値段

C音
恋愛
トラブルに巻き込まれて職を失った海音は、テレビで初恋の相手―飛鷹空也が帰国していることを知る。中学生の頃、彼と一時は両想いになったものの、ある誤解がもとで喧嘩別れしていた。現在、実業家として活躍する彼は、別世界の人間。二度と会うこともないと思っていたのに、偶然彼の乗る車に接触して怪我をしたことから、同棲生活を送ることに。大人になった彼の積極的な行動に振り回されるうちに、初恋が再燃!?

冷たい婚礼に炎を灯して

ゆる
恋愛
伯爵令嬢カリナ・ステラリアは、政略結婚の影に隠れた孤独と束縛の中で、自らの夢を諦めずに絵を描き続ける。父や婚約者の冷淡な態度にも屈せず、初めて自分の作品を公の場で披露する機会を得るが、その先に待つのはさらに厳しい運命だった。それでも、彼女は筆を握り、冷たい現実を色鮮やかな未来に変えようと挑む――愛と自由を求める令嬢の物語。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

旦那様、離縁の申し出承りますわ

ブラウン
恋愛
「すまない、私はクララと生涯を共に生きていきたい。離縁してくれ」 大富豪 伯爵令嬢のケイトリン。 領地が災害に遭い、若くして侯爵当主なったロイドを幼少の頃より思いを寄せていたケイトリン。ロイド様を助けるため、性急な結婚を敢行。その為、旦那様は平民の女性に癒しを求めてしまった。この国はルメニエール信仰。一夫一妻。婚姻前の男女の行為禁止、婚姻中の不貞行為禁止の厳しい規律がある。旦那様は平民の女性と結婚したいがため、ケイトリンンに離縁を申し出てきた。 旦那様を愛しているがため、旦那様の領地のために、身を粉にして働いてきたケイトリン。 その後、階段から足を踏み外し、前世の記憶を思い出した私。 離縁に応じましょう!未練なし!どうぞ愛する方と結婚し末永くお幸せに! *女性軽視の言葉が一部あります(すみません)

彼女にも愛する人がいた

まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。 「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」 そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。 餓死だと? この王宮で?  彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。 俺の背中を嫌な汗が流れた。 では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…? そんな馬鹿な…。信じられなかった。 だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。 「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。 彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。 俺はその報告に愕然とした。

【完結】賢く立ち回ったと考えているのかもしれませんが、信用を失ったらどうなるのか想像できなかったのでしょうか?

白草まる
恋愛
領地の発展のために共同で事業を行うことになり、両家の繋がりを深めるために婚約することになったアマーリアとモーリッツ。 しかしモーリッツは別の女性を選びアマーリアに婚約破棄を告げた。 事業は履行するが婚約破棄した場合のペナルティは決められていないから問題ないという言い分だった。 いいように扱われたアマーリアは、このまま何もせずに済ませるはずがなかった。

婚約破棄してきたはずの初恋相手が今さら追いかけてきます

昼から山猫
恋愛
ある夜会で出会った少年と交わした淡い約束が忘れられず、一途に思い続けてきた子爵令嬢リディア。 しかし、その少年こそが成長して王国随一の貴公子となったエドワルドだった。 身分違いを理由に先方の家から冷遇され、正式に婚約破棄の知らせまで届いたリディアは、深く傷つきながらも自立の道を模索する。 その過程で彼女は思わぬ形で事業に成功し、次第に噂が宮廷に伝わり始める。 すると、かつて冷たい態度をとったエドワルドが再び現れて――。

処理中です...