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6 ダンジョンと魔王

6ー6 新しい我らの王

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 6ー6 新しい我らの王

 なんか、嫌な奴だな!
 俺たちは、しばらくそのまま主の部屋に留まって主の死骸の周囲をうろついていたが、それにも飽きてしまった頃にロナードがため息をついた。
 「もう、帰ろうぜ」
 俺たちは頷くと、まだうつ向いているライディアを促して部屋から出ていこうとした。
 そのとき、俺の視界の隅を何かがよぎったような気がした。
 んん?
 俺は、振り返って主の部屋を見た。
 なんだ?
 俺は、部屋の奥へと向かって歩きだした。
 「クロ?」
 リリウスが呼び掛けるのにも構わず俺は、部屋の奥へと進んだ。
 部屋の奥には、壁があった。
 俺は、壁に描かれた紋様を目でたどった。
 すると、1ヶ所だけ他と異なる紋様の部分があった。
 俺は、手を伸ばすとそこに触れてみた。
 すると、堅牢そうなその壁が音をたてて崩れ落ちていった。
 「マジかよ!」
 ルウシエとロナードが駆け寄ってくる。
 「隠し部屋か?」
 その壁の向こうには一面の水面が広がっていた。
 俺は、魔法書『スキルイーター』を取り出すとページを繰った。
 ピカリと光っているページがあった。
 そこを開くと氷魔法がのっていた。
 俺は、水面を凍らせるとその上を歩いていく。
 「クロージャー!」
 ルウシエが俺を呼んだ。
 「ここは、まだ知られていない場所だ。勝手に進むのは危険だ!」
 だが、俺は、止まらなかった。
 遠くから何かが俺を呼ぶ声がきこえるような気がした。
 「クロージャー!」
 ちっとルウシエが舌打ちをする。
 「仕方ない。俺たちも行くぞ!」
 外のメンバーも俺の後をついてくる。
 俺は、氷の上を歩き続けた。
 やがて、真っ白い台座の上に黒く輝く玉がのったものが現れた。
 「あれは」
 ロナードが興奮を隠せずに声をあげた。
 「もしかして、ダンジョンコア、か?」
 俺が近付いていくとその玉は、まるで共鳴するかのように澄んだ音を発した。
 俺は、そのコアののった台座によじ登るとコアの上に手を置いた。
 すると、台座の周囲の氷が割れそこから白い小さな龍が現れた。
 『お待ちしていました、我が主よ』
 龍は、俺の心に話しかけてくる。
 『新しい我らの王よ』
 なんですと?
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