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2 初めての人間の町と望まれぬ王子
2ー7 竜の王様ですか?
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2ー7 竜の王様ですか?
領主の館の守衛は、俺とリリウスのことをじろりと見下ろすと肩の辺りにつけていたバッジみたいな魔道具に向かって何やら囁いた。
なんだ?
俺は、身構えていた。
館の中から兵士たちを呼ばれるのかもしれない。
だが、それは俺の考えすぎだったようだ。
しばらくして門の脇にある小さな扉から顔を出したのは、白髪の厳めしい老人だった。
「あなた様がクロージャー様でございますか?」
「そうだけど」
俺が答えると老人が俺たちに跪かんばかりになって頭を下げた。
「ライディア様をお助けくださってまことにありがとうございます」
はい?
俺は、門前で老人に泣きつかれて戸惑っていた。
「あの、どうぞ、お気遣いなく」
俺が老人を推しやりながらそう応じると、老人は、慌てて俺から離れてぴしっと姿勢を正した。
「申し訳ございません。私は、ライディア様に幼少の頃よりお仕えしておりますオルティスと申します。この度は、よくぞ、お出でくださいました。ライディア様も首を長くしてお待ちです。どうぞ、こちらへ」
俺たちは、オルティスの後について門をくぐった。
門の中には広い前庭があり、何匹かの飛竜が羽を休めていた。
「わわっ!」
俺とリリウスは、飛竜の巨大さに驚きを隠せずに離れた場所からまじまじと眺めていた。
すると、突然、竜たちが俺を取り囲んだかと思うと次々に体を地に伏せ始めた。
なんだ?
俺は、救いを求めてオルティスの方を見たが、オルティスも動揺を隠せていない。
まずいんじゃね?
その時、何匹かの飛竜の中でも一際巨大な1匹と目があった。
殺される!
俺がそう思ったときのことだ。
『我らの新しい王よ』
それは、竜たちの声だった。
俺には、なぜか、それがわかった。
なんですと?
俺は、意味もわからずただその場に立ちすくんでいた。
「お前は、誰だ?」
竜たちの背後から声がしたかと思うと、銀色の髪の長い少女が顔を覗かせた。
「そんなことより、こいつらを何とかしてくれ!」
俺が叫ぶと、少女は、指を唇に推しあて指笛を吹いた。
竜たちが徐々に散らばって、包囲網を解いていく。
俺は、ほっと息をついた。
「プライドの高い竜たちがひれ伏すとは、お前は、いったい何者だ?」
少女の全身を見て俺は、ちょっとビックリしていた。
美しい銀髪をした雪の精霊のようなその少女には、俺たちと同じ長い竜の尻尾がはえていた。
「お前は、口がきけないのか?」
少女に言われて俺は、はっと気づいてようやく返答をした。
「俺は、トカゲの谷のクロージャー、だ」
「トカゲ?」
少女がふん、とバカにしたように笑った。
「クロージャー、か。わたしは、青竜族の族長オラフの娘 オウラだ」
オウラと名乗った少女は、上半身に白銀色の薄い鎧を身につけていてあきらかに戦士のように見える。
だが、その鎧の下から覗く長い生足に俺は、どきん、としていた。
ちょっと、スカート短すぎ!
目のやり場に困るじゃないか!
オウラは、俺たちよりも4、5才ほど年上のようだったが、俺からすればまだまだ子供であることに変わりはない。
領主の館の守衛は、俺とリリウスのことをじろりと見下ろすと肩の辺りにつけていたバッジみたいな魔道具に向かって何やら囁いた。
なんだ?
俺は、身構えていた。
館の中から兵士たちを呼ばれるのかもしれない。
だが、それは俺の考えすぎだったようだ。
しばらくして門の脇にある小さな扉から顔を出したのは、白髪の厳めしい老人だった。
「あなた様がクロージャー様でございますか?」
「そうだけど」
俺が答えると老人が俺たちに跪かんばかりになって頭を下げた。
「ライディア様をお助けくださってまことにありがとうございます」
はい?
俺は、門前で老人に泣きつかれて戸惑っていた。
「あの、どうぞ、お気遣いなく」
俺が老人を推しやりながらそう応じると、老人は、慌てて俺から離れてぴしっと姿勢を正した。
「申し訳ございません。私は、ライディア様に幼少の頃よりお仕えしておりますオルティスと申します。この度は、よくぞ、お出でくださいました。ライディア様も首を長くしてお待ちです。どうぞ、こちらへ」
俺たちは、オルティスの後について門をくぐった。
門の中には広い前庭があり、何匹かの飛竜が羽を休めていた。
「わわっ!」
俺とリリウスは、飛竜の巨大さに驚きを隠せずに離れた場所からまじまじと眺めていた。
すると、突然、竜たちが俺を取り囲んだかと思うと次々に体を地に伏せ始めた。
なんだ?
俺は、救いを求めてオルティスの方を見たが、オルティスも動揺を隠せていない。
まずいんじゃね?
その時、何匹かの飛竜の中でも一際巨大な1匹と目があった。
殺される!
俺がそう思ったときのことだ。
『我らの新しい王よ』
それは、竜たちの声だった。
俺には、なぜか、それがわかった。
なんですと?
俺は、意味もわからずただその場に立ちすくんでいた。
「お前は、誰だ?」
竜たちの背後から声がしたかと思うと、銀色の髪の長い少女が顔を覗かせた。
「そんなことより、こいつらを何とかしてくれ!」
俺が叫ぶと、少女は、指を唇に推しあて指笛を吹いた。
竜たちが徐々に散らばって、包囲網を解いていく。
俺は、ほっと息をついた。
「プライドの高い竜たちがひれ伏すとは、お前は、いったい何者だ?」
少女の全身を見て俺は、ちょっとビックリしていた。
美しい銀髪をした雪の精霊のようなその少女には、俺たちと同じ長い竜の尻尾がはえていた。
「お前は、口がきけないのか?」
少女に言われて俺は、はっと気づいてようやく返答をした。
「俺は、トカゲの谷のクロージャー、だ」
「トカゲ?」
少女がふん、とバカにしたように笑った。
「クロージャー、か。わたしは、青竜族の族長オラフの娘 オウラだ」
オウラと名乗った少女は、上半身に白銀色の薄い鎧を身につけていてあきらかに戦士のように見える。
だが、その鎧の下から覗く長い生足に俺は、どきん、としていた。
ちょっと、スカート短すぎ!
目のやり場に困るじゃないか!
オウラは、俺たちよりも4、5才ほど年上のようだったが、俺からすればまだまだ子供であることに変わりはない。
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