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10 ダンジョン攻略!

10ー8 『ノイエクリスナ』

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 10ー8 『ノイエクリスナ』

 ライさんは、私たちの相談役になってくれることになった。
 これまで魔王と呼ばれていたエイダルムさんは、摂政となった。
 「この国の名を『ノイエクリスナ』と名付けます」
 マデリンさんが宣言した。
 『ノイエクリスナ』
 それは、『新しい望み』の国だった。
 『ノイエクリスナ』は、今、世界で最も大きくて力を持った国となった。
 なぜなら『ノイエクリスナ』は、魔界と呼ばれる最果ての全てを包括する国だからだ。
 この最強の国の誕生を祝して我々は、周辺の国々へと使者を派遣した。
 そして。
 創国の祝の祭りが執り行われることになった。
 世界の各国より代表が招かれ盛大なパーティーが開かれることとなった。
 私は、カイさんに手紙を書いてパーティーに招いた。
 ぜひこの『ノイエクリスナ』にサバート商会の支店を開いて貰いたかったのだ。
 この魔王国『ノイエクリスナ』は、まだまだ幼い国だ。
 だが、無限の可能性を秘めている。
 そして。
 もちろんイグニス王国の我が家にも手紙を送った。
 ランスロットは、無事なのだろうか?
 私は、ランスロットのことが心配だった。
 最後の別れのときのことが思い出されて。
 私は、自分の唇に触れた。
 あのとき。
 私にランスロットは、口づけしたのだ。
  私は、ランスロットを思って吐息をついた。
 返事は、すぐに届いた。
 ランスロットは、リリアさんとラッシーを連れてイグニス王国の我が家へと戻っていた。
 私からの手紙を受け取ったランスロットは、すぐに会いに行くと手紙を寄越した。
 ランスロットに会える。
 そう思うとなぜか、胸が高鳴った。
 それから一ヶ月後。
 ぞくぞくと各国の要人達が集まってくるのを城のマデリンさんの居室から眺めているとマデリンさんに訊ねられた。
 「本当にイグニス王国の使者も招いてよかったの?エリン」
 「それは、大丈夫よ」
 私は、答えた。
 本当は、不安もあった。
 何しろあの国は、私を殺そうとしていたのだ。
 「でもイグニス王国だけを招かなければきっと反感をかうでしょう?」
 「それはそうだけど」
 マデリンさんがふふっと笑った。
 「あなたが望めばイグニス王国なんて簡単に滅ぼすことができるのよ?」
 ずいぶんと物騒な話に私は、苦笑した。
 「そこまで恨みも憎みもしてませんから」
 
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