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9 最果ての国へ(6)
9ー9 適応?
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9ー9 適応?
そうして私たちは、トカゲの村の人々に見送られて都へと旅立った。
私たちは、かつてのブルーベル王国の街道に沿って歩いていくことにした。
その方が近道するより安全だというのがライさんの意見だった。
そのまま行くとちょっと大きな街へとついた。
そこは、ライさんがいうには『イリスク』という街らしかった。
私たちは、その街で宿をとることにした。
村人たちがなけなしのお金を持たせてくれたのだが、それだけでは心もとないのでライさんが私があげた髪飾りを売りに行ってくれた。
髪飾りはとても高値で売れ、ライさんは、私たちのためにいい宿をとってくれた。
うん。
ほとんど人間の宿と変わりない。
私たちは、その日は、全員同室で休むことにした。
リザードマンの世界では、男女が別々の部屋に止まるということはないのだという。
あまりそういう区別はしないらしい。
それに私だけ別室だと危険かもしれないとグリフォン様も言った。
三人部屋だったのでベッドは、それぞれにあった。
それでも私は結界を張って休むことにした。
当然だ!
『人間の女は、こんなに扱いにくいものなのか?』
ライさんがグリフォン様に訊ねた。
グリフォン様は、言葉も理解できない筈なのに頷いた。
「どこでも女というものは扱いづらいもんだ」
なんか、種族を越えて話が通じてるし!
「もう!好きなように言ってください!」
私は、ぷんすか怒ってそのままベッドに入った。
私がいないとグリフォン様とライさんは会話ができない筈なのだが、なぜか二人は意気投合して二人で酒を酌み交わしていた。
私は、二人の微妙に噛み合わない会話をききながらいつしか眠りに落ちていった。
翌朝、私は、グリフォン様に起こされた。
昨夜は、食堂に出向くのが危険かもということで私たちは、というか私は何も食べてはいなかった。
早朝はやく、まだ食堂がすいているうちに私たちは食堂へと行った。
店のメイドさんらしい背の低い青黒い肌をした娘さんが食事を持ってきてくれた。
『ゴブリンだ。ここは、ゴブリンの経営する宿屋だからな』
ライさんが教えてくれた。
私たちは、メイドさんが持ってきた薄い板のように伸ばしたパン生地の上に野菜や肉ののせられたものを焼いたピザのようなものを食べた。
なかなかおいしい。
本当は、ダイエット的に朝は、食べないことにしていたが今日は仕方ない。
チートデイということにしておこう。
ライさんとグリフォン様は、骨付きの肉にかぶりついていた。
朝からすごい食欲だな!
よく見ていると二人は、何やら身振り手振りで会話らしきものを成立させていた。
何?
私は、感心していた。
二人ともすごい適応能力だな!
そうして私たちは、トカゲの村の人々に見送られて都へと旅立った。
私たちは、かつてのブルーベル王国の街道に沿って歩いていくことにした。
その方が近道するより安全だというのがライさんの意見だった。
そのまま行くとちょっと大きな街へとついた。
そこは、ライさんがいうには『イリスク』という街らしかった。
私たちは、その街で宿をとることにした。
村人たちがなけなしのお金を持たせてくれたのだが、それだけでは心もとないのでライさんが私があげた髪飾りを売りに行ってくれた。
髪飾りはとても高値で売れ、ライさんは、私たちのためにいい宿をとってくれた。
うん。
ほとんど人間の宿と変わりない。
私たちは、その日は、全員同室で休むことにした。
リザードマンの世界では、男女が別々の部屋に止まるということはないのだという。
あまりそういう区別はしないらしい。
それに私だけ別室だと危険かもしれないとグリフォン様も言った。
三人部屋だったのでベッドは、それぞれにあった。
それでも私は結界を張って休むことにした。
当然だ!
『人間の女は、こんなに扱いにくいものなのか?』
ライさんがグリフォン様に訊ねた。
グリフォン様は、言葉も理解できない筈なのに頷いた。
「どこでも女というものは扱いづらいもんだ」
なんか、種族を越えて話が通じてるし!
「もう!好きなように言ってください!」
私は、ぷんすか怒ってそのままベッドに入った。
私がいないとグリフォン様とライさんは会話ができない筈なのだが、なぜか二人は意気投合して二人で酒を酌み交わしていた。
私は、二人の微妙に噛み合わない会話をききながらいつしか眠りに落ちていった。
翌朝、私は、グリフォン様に起こされた。
昨夜は、食堂に出向くのが危険かもということで私たちは、というか私は何も食べてはいなかった。
早朝はやく、まだ食堂がすいているうちに私たちは食堂へと行った。
店のメイドさんらしい背の低い青黒い肌をした娘さんが食事を持ってきてくれた。
『ゴブリンだ。ここは、ゴブリンの経営する宿屋だからな』
ライさんが教えてくれた。
私たちは、メイドさんが持ってきた薄い板のように伸ばしたパン生地の上に野菜や肉ののせられたものを焼いたピザのようなものを食べた。
なかなかおいしい。
本当は、ダイエット的に朝は、食べないことにしていたが今日は仕方ない。
チートデイということにしておこう。
ライさんとグリフォン様は、骨付きの肉にかぶりついていた。
朝からすごい食欲だな!
よく見ていると二人は、何やら身振り手振りで会話らしきものを成立させていた。
何?
私は、感心していた。
二人ともすごい適応能力だな!
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