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4 最果ての国へ

4ー8 迷子ですか?

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 4ー8 迷子ですか?

 しばらく行くと海の見渡せる高台に出た。
 「すごい!」
 私は、その光景に絶句していた。
 どこまでも続く青く澄んだ美しい海が広がっている。
 そして、その海原を見たこともないぐらい大きな幌船が何隻も滑るように通過していく。
 こんな光景、見たことない!
 前世で海を見たことは何度もあったけど、こんな美しい海原初めてだった。
 「幌船って綺麗ね!ランスロット」
 私がきゃっきゃと歓声をあげるのをやれやれという感じで見つめていたランスロットが応じた。
 「気持ちはわかりますが、もう少し立場をわきまえてくださいね、姉上」
 「平気よ、ランスロット」
 私は、ランスロットを見上げてにっこりと微笑んだ。
 「こんなとこに私のことを知ってる人なんていないわ!」
 そう。
 旅の恥はかき捨てなのだ!

 それから、数分後。
 私は、雑踏の中をさ迷っていた。
 ええ。
 もちろん、迷子ですよ。
 でも、例えランスロットとはぐれてしまってもぜんぜん平気!
 だって、私は、自立しようとしている大人の女ですもの!
 だが、さ迷えどもさ迷えども目的の場所にはたどり着けなかった。
 それに、ランスロットも見つけられないし。
 私は、行き交う人々の中で孤独を感じていた。
 まるで、田舎からでてきたばかりの人みたいに私は、人混みの中で迷っている。
 ランスロット!
 私は、辺りをきょろきょろと見回した。
 ランスロットは、どこ?
 不意に誰かにぶつかって弾き飛ばされる。
 「気をつけろ!」
 「ご、ごめんなさい!」
 私は、頭を下げた。
 見知らぬ人たちの冷たい視線に私は、すごく不安になっていた。
 このままランスロットに会えなかったらどうしよう。
 とりあえず、サバート商会を探そう!
 それか宿屋に戻るか。
 宿屋の名前は、『黒猫亭』だった筈。
 私は、来た道を戻ろうと振り向いた。
 しばらく歩いていったところで私は、恐ろしいことに気がついてしまった。
 もしかしたら、私、もう二人のところに戻れないかも!
 やばい!
 やばすぎるって!
 私は、ちょっと休憩するために人通りの少なそうな横道へと入った。
 道端の大きな岩に腰かけてホッと吐息をついた。
 ちょっと休んでからまたランスロットを探そう。
 
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