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4 最果ての国へ

4ー5 お掃除猫さん

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 4ー5 お掃除猫さん

 「そういわれてみればそうですね」
 ランスロットも同意した。
 「ちょっとした芸当みたいなものだと思ってましたが使い方次第で役立ちそうですね」
 「その風魔法を魔道具に付与してみたら面白いと思うんだけど」
 私は、二人に説明した。
 「これぐらいの四角い箱に風魔法を付与して遠く離れた者同士で話ができるようにするのよ」
 「なるほど、それはいい」
 グリフォン様が言うのにランスロットが問いかけた。
 「しかし、それでは1度に多くの人々が同時に使うことはできないのではないですか?つまり道具同士が混線してしまい話したい相手と話ができなくなるのでは、ということですが」
 「だから、一人一人に違うナンバーを割り振っておくのよ。それでそのナンバーを呼べばその人と話ができるようにするの」
 私たちは、新しい魔道具の話で盛り上がっていた。
 「そういえば姉上が作らせたあの掃除用の魔道具には驚きましたよ」
 ランスロットが言うと、グリフォン様が訊ねた。
 「掃除用の魔道具?」
 「ああ、あの『お掃除猫さん』のことね」
 私は、答えた。
 それは、自動で床掃除をしてくれるという精霊つきの魔道具のことだ。
 床の上をくるくると動き回っている姿がまるで猫のようだとマーサが言ったのでそう名付けたのだ。
 マーサいわく、「掃除中にネズミを追いかけてどっかに行っちゃいそうですだよ」
 これは、魔道具屋のランカイさんから商人のサバートさんのところに勝手に売り込まれてしまったらしく、サバートさんが私に会いたがっているとか。
 サバートさんというのは、この辺りで1番大きな商会の会頭だ。
 サバート商会は、王都にもあったからたまたま私もきいたことがあった。
 それぐらい有名な商会だ。
 私は、旅にでる前に少しだけランカイさんの店に顔をだしたんだけど、そのときランカイさんからきかされたのだ。
 ランカイさんは、少しだけ興奮している様子でこの『お掃除猫さん』の権利をサバートさんが欲しがっていることを告げた。
 私は、その件はランカイさんに任せることにした。
 するとランカイさんは、儲けのうちの6割を私にくれると言い出した。
 断ろうかとも思ったけど、これも自立へと続く道かもと思ったので了承した。
 
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