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3 精霊の器と魔王の種
3ー7 最果ての国
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3ー7 最果ての国
「妹?」
「そうだ」
グリフォン様は、頷くと告げた。
「俺のたった一人の肉親だ」
それからグリフォン様は私とランスロットに長い長い物語を話し始めた。
「俺と妹のマデリンは、かつて北の果てにあった国ブルーベル王国の最後の生き残りだ」
「ブルーベル王国?」
ランスロットが眉をひそめた。
「最果てにあった国でしたね。確か、数年前に魔物に滅ぼされたとか」
「ああ。ブルーベル王国は、最果ての国だった。小さく、領土は貧しくて生きるために国民はみな、他国で傭兵をして生計をたてていた。国には、戦えない者、つまり年寄りと子供が残されていたが、みな家族のように助け合い、幸せに暮らしていた」
グリフォン様が遠い目をした。
「俺は、ブルーベル王国の次期王として産まれた。魔法の使えない俺は、あまり歓迎されなかった。だが魔法は使えなかったが、俺には、ギフトがあったから次期王として認められた」
グリフォン様は、己の両手の平をじっと見つめた。
「俺に与えられたギフトは、『剣聖』だ。俺は、戦えば戦うほどに強くなるというギフトを持っている。まさに傭兵の国には、相応しい力だ。俺は、鍛練を重ねて7歳の時にはすでに完成された剣技を極めて傭兵として他国で暮らしていた。俺が傭兵として他国へと出た頃に妹は産まれた」
グリフォン様は、一呼吸おいてから続けた。
「妹のマデリンが産まれたとき、城の魔道師が予言した。『この姫は、生かしておくべきではない』と。だが、父王は、妹を殺すことはなかった。父王は、マデリンを城の奥深くに隠して育てていた。妹は、生まれながらに『魔王の種』を持つ者とされていた。つまり、将来の人類の敵となることが決められていた。だが、希望はあった。『魔王の種』と対となる『精霊の器』を持つ者が目覚めることがなければいくら『魔王の種』を持っていたとしてもそれが目覚めることはないからだ」
グリフォン様は、記憶をたどりながら話しているようだった。
「父王は、臣下の者たちや国民たちに『精霊の器』を持つ者を探すように布令を出した。『精霊の器』を持つ者を探しだしてその力が目覚める前に封印してしまえば『魔王の種』を持つ妹が『魔王』として目覚めることはないからな。俺も傭兵をしながら世界中を旅して『精霊の器』を持つ者を探した。だが、『精霊の器』の持ち主は、なかなか見つかることはなかった」
「妹?」
「そうだ」
グリフォン様は、頷くと告げた。
「俺のたった一人の肉親だ」
それからグリフォン様は私とランスロットに長い長い物語を話し始めた。
「俺と妹のマデリンは、かつて北の果てにあった国ブルーベル王国の最後の生き残りだ」
「ブルーベル王国?」
ランスロットが眉をひそめた。
「最果てにあった国でしたね。確か、数年前に魔物に滅ぼされたとか」
「ああ。ブルーベル王国は、最果ての国だった。小さく、領土は貧しくて生きるために国民はみな、他国で傭兵をして生計をたてていた。国には、戦えない者、つまり年寄りと子供が残されていたが、みな家族のように助け合い、幸せに暮らしていた」
グリフォン様が遠い目をした。
「俺は、ブルーベル王国の次期王として産まれた。魔法の使えない俺は、あまり歓迎されなかった。だが魔法は使えなかったが、俺には、ギフトがあったから次期王として認められた」
グリフォン様は、己の両手の平をじっと見つめた。
「俺に与えられたギフトは、『剣聖』だ。俺は、戦えば戦うほどに強くなるというギフトを持っている。まさに傭兵の国には、相応しい力だ。俺は、鍛練を重ねて7歳の時にはすでに完成された剣技を極めて傭兵として他国で暮らしていた。俺が傭兵として他国へと出た頃に妹は産まれた」
グリフォン様は、一呼吸おいてから続けた。
「妹のマデリンが産まれたとき、城の魔道師が予言した。『この姫は、生かしておくべきではない』と。だが、父王は、妹を殺すことはなかった。父王は、マデリンを城の奥深くに隠して育てていた。妹は、生まれながらに『魔王の種』を持つ者とされていた。つまり、将来の人類の敵となることが決められていた。だが、希望はあった。『魔王の種』と対となる『精霊の器』を持つ者が目覚めることがなければいくら『魔王の種』を持っていたとしてもそれが目覚めることはないからだ」
グリフォン様は、記憶をたどりながら話しているようだった。
「父王は、臣下の者たちや国民たちに『精霊の器』を持つ者を探すように布令を出した。『精霊の器』を持つ者を探しだしてその力が目覚める前に封印してしまえば『魔王の種』を持つ妹が『魔王』として目覚めることはないからな。俺も傭兵をしながら世界中を旅して『精霊の器』を持つ者を探した。だが、『精霊の器』の持ち主は、なかなか見つかることはなかった」
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