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3 精霊の器と魔王の種

3ー3 無理なんてしてないわ

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 3ー3 無理なんてしてないわ

 それから私たちは、主に私の要望で食堂に場所を移して話すことになった。
 だって、このまま二人にネグリジェ姿をさらし続けるのは堪えられなくって。
 少し、ダイエットのおかげで痩せてきたけどまだまだふくよかというか、ぷよっている体のラインをさらし続けるのは、精神的にきつかった。
 二人が部屋を出ていった後、私は、マーサの手を借りながら手早く普段着に着替えた。
 うん。
 少し、サイズがあわなくなってきてる?
 マーサもそれに気づいた様子で独り言のように呟く。
 「ドレスを新調なさった方がいいかもしれないですだね、お嬢様」
 「そうかも」
 私は、マーサにいい仕立て屋を手配してもらえるようにと頼んだ。
 それから私たちは、食堂へと向かった。
 たった3日寝込んだだけだが、足元がふらつく。
 「大丈夫ですだか?お嬢様」
 心配そうに支えてくれているマーサに私は、にっこりと微笑んだ。
 「大丈夫よ、マーサ。ありがとう」
 私たちが食堂につくとすでにランスロットとグリフォン様は、食事をしているところだった。
 二人は、朝からすごいボリュームの食事にむさぼりついていた。
 まるで、何日も食べてなかったかのようだ。
 私も、席に着くと運ばれてきた二人に比べると質素な食事に手を伸ばす。
 本当は、この時間食事はとらないんだけど、今は、特別だ。
 すごくお腹がすいていた。
 ランスロットは、私の食事を見てため息をつく。
 「なんで、そんな農民のような食事を?」
 「ダイエットしてるのよ、私」
 私が答えると、ランスロットが訊ねた。
 「だいえっと?」
 「ええ」
 私は、ランスロットに説明した。
 「つまり、痩せるための食事ってことよ」
 「殿下に言われたことをきにされているんですか?」
 ランスロットが憤りを隠すことなく告げた。
 「あんなこと気にしなくてもいいですよ。姉上は、そのままで十分美しいですから」
 はいぃっ?
 私は、信じられないものを見る目でランスロットのことを見てしまった。
 「なんで?いつも、太ってるって言ってたじゃない」
 「それは・・でも、姉上が無理をしなくてもいいと私は思います」
 ランスロットが言うのに私は、にっこりと笑った。
 「無理なんてしてないわよ、ランスロット」
 「なら、いいんですが」
 
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