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第11章 交流戦

11ー11 勝者

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 11ー11 勝者

 わたしは、マオの上からオニタリスを繰り出す。
  闘技場の中の空気が振動する。
 地鳴りのような低い音が響き渡る。
 大気が振動している。
 キルハが一瞬怯んだ。
 わたしは、キルハに一撃を見舞った。
 オニタリスの刃をキルハは、己の剣で受けたがその衝撃で剣が折れた。
 「ええっ!?」
 キルハが己の手に残された剣の塚を見て声を漏らした。
 わたしは、キルハに告げた。
 「もう、止めた方がいい」
 だが。
 キルハは、剣の塚を握ったままわたしに向かって突き進んでくる。
 剣が折れたのに?
 わたしは、叫んだ。
 「止めなさい!キルハ様、死ぬ気なの?」
 「どうかしらね」
 キルハは、わたしに向かって刃のない剣を振りかざした。
 剣の塚から金色の光が伸びる。
 光の刃?
 わたしは、マオを下がらせようとしたけど間に合わず、光の刃をオニタリスで受け止めようとした。
 だが、光の刃はオニタリスを通過してわたしに襲いかかってくる。
 ヤバい!
 わたしは、思わず目を閉じた。
 「何?」
 キルハが驚きの声をあげる。
 わたしは、おそるおそる目を開く。
 キルハの剣は、わたしの頭上で止まっていた。
 わたしの周囲に障壁ができている。
 精霊たちがわたしを守っているのだ。
 わたしは、この隙を見逃さなかった。
 「マオ!」
 マオがすぐに横に動いた。それと同時にわたしは、オニタリスでキルハとその騎乗している猫竜を薙ぎ払った。
 「きゃあっ!」
 キルハが吹き飛ばされた衝撃で猫竜から落ちた。
 わたしは、マオの上に乗ったままオニタリスの剣先をキルハに向けた。
 審判が宣言する。
 「勝者、カイラ・ルドクリフ!」
 会場内の観客が一斉に声をあげる。
 キルハが悔しそうに唇を噛む。
 わたしは、マオから降りるとキルハに手を差し伸べた。
 だが、キルハは、その手を払った。
 「敵の情けなど受けない!」
 わたしが闘技場から出てくるのを待ち構えていたセシリア様がわたしを抱き締めてきた。
 「やったわね!カイラ!」
 「なんとか」
 わたしは、柔らかなセシリア様の体に抱き締められて怯んでいた。
 でもセシリア様は、かまわずわたしをぎゅうっと抱き締めていた。
 
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