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第5章 生徒会と悪役令嬢

5ー1 魔力測定

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 5ー1 魔力測定

 その日、わたしたちは、いつもより大きな講堂に集められた。
 そこには今年の一年の半分ぐらいが集められていた。
 まずは、騎士科の生徒の半数。
 そして、魔法科の4つのクラスのうちの2クラスの生徒たちがその講堂にきていた。
 「なんだか、どきどきするね」
 セツ様がいわれるのでわたしは、無言で頷いた。
 ほんとに。
 胸がドキドキして口から心臓が飛び出しそうだ。
 こんなこと、神託のとき以来だ。
 あのときは、最悪だった。
 わたしは、幼馴染みのルイーズと一緒に神託を受けたのだが、火の神の祝福を受けたルイーズにくらべるとわたしは、どの神からの祝福も得られなかった。
 あのときの絶望を思い出すと今でもぞっとしてしまう。
 「大丈夫か?カイラ。顔色が悪いぞ」
 ライモンドがじっとわたしを覗き込む。
 距離の近さにわたしは、驚いて頬が熱くなるのを感じた。
 「だ、大丈夫だよ、ライモンド」
 「ならいいんだが」
 ライモンドがにっと笑った。
 「たまに緊張しすぎて倒れるやつがいるらしいからな」
 ああ。
 わたしは、頷いた。
 わかるわぁ。
 また、神託のときみたいなことになったらと思うとね。
 そうこうしているうちに前方から測定が始まっていたらしくどっと歓声がきこえた。
 どうやら高い魔力量を出した生徒がいたらしい。
 わたしは、もうドキドキのあまり意識が遠退きそうになっていた。
 「そんなに気にするな、カイラ」
 セツ様がいってくれた。
 フレデリク様も慰めるようにわたしに声をかけてくれた。
 「魔力量は、人それぞれ違う。例え低くても気にすることはないさ」
 しばらくして騎士科の生徒の名が呼ばれた。
 魔力測定器の前に並んで待っているわたしのそばにルイーズが近づいてきた。
 すごいどや顔だし。
 たぶんいい結果がでたのだろう。
 「あら、神の加護ももたない平民がこんなところで何をしているのかしら?」
 ルイーズが話しかけてくる。
 だから。
 ほっといてくれればいいのに!
 わたしが無視するとルイーズは、ふん、と鼻を鳴らした。
 「わたしは、魔力量300へクティヴだったのよ。ちなみにそれだけの魔力量があれば大魔道師にだってなれるのよ」
 ルイーズはきいてもないのにペラペラと話す。
 わたしがそれでも無視しているとルイーズが顔を真っ赤にして小声で言った。
 「神の加護ももたないんだから。せいぜいがんばるがいいわ。どうせ、たいした記録も出せないでしょうけどね」
 
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