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第3章 ライバル宣言!

3ー5 帰宅

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 3ー5 帰宅

 馬車で『グリンヒルデ』に戻ったわたしは、部屋に戻るとすぐに部屋でドレスを脱いだ。
 メイドのルルゥさんがドレスを抱え込んで部屋から出ていくのと入れ違いにメイド長のリリアさんが入ってきた。
 「ほんとにお怪我はございませんか?カイラ様」
 「ええ、大丈夫です」
 わたしが答えるとリリアさんが疑いの眼差しでわたしを見つめる。
 「ほんとですか?」
 「本当です」
 わたしがかたくなに答えるとリリアさんが盛大なため息を漏らした。
 「そういうことにしておきましょうね、カイラ様」
 服を着替えて一息ついているとリリアさんがお茶を運んできてくれた。
 「ありがとう、リリアさん」
 わたしは、お礼をいってお茶の入ったカップを浮けとると一口お茶を飲んだ。
 甘い香りが口の中に拡がっていく。
 「おいしい」
 わたしは、ほっと吐息を漏らした。
 リリアさんは、お皿に入ったクッキーをマオに差し出しながらわたしに訊ねた。
 「パーティは、いかがでした?カイラ様」
 「はぁ」
 わたしは、苦笑いした。
 まさか、グリザリオス公爵閣下のパーティでルイーズに会うなんて思いもしなかった。
 しかし。
 再開したルイーズは、相変わらずの王女様っぷりだったな。
 まあ、外見だけは、貴族の子女のようにはなっていたけれど、内面は、ちっとも変わってなかった。
 孤児院にいたころと同じ。
 なんだか先が思いやられてしまう。
 わたしは、ため息をついた。
 「何か、気になることでも?」
 リリアさんに訊ねられてわたしは、話すべきか一瞬悩んだが口を開いた。
 「実は」
 わたしは、リリアさんに全てを話した。
 孤児院での幼馴染みのルイーズに再会したこと、そして、彼女に引っ張られて転んでしまったこと。
 リリアさんは、ルイーズのやったことに対して怒ってくれた。
 「それより、ルイーズに転ばされた後、セツラウス様にお姫様だっこで運ばれたって本当ですか?」
 なんでリリアさんが知ってるんですか?
 わたしは、かぁっと頬が熱くなるのを感じてうつむいた。
 「それは、その」
 「本当なんですね?」
 迫るリリアさんに思わず引いてしまう。
             
 
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