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4 春だから『農家に婿を大作戦』始動!だって、人口増やしたいんだもん。

4ー1 奴隷の国ですか?

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    俺は、ある計画を考えていた。
   題して、『農家に婿を大作戦』だ。
  「次に魔界に行商に行くときには、奴隷を100人ぐらい買うつもりなんだけど」
    俺は、エリオスに相談した。
   「わかるかもしれないけど、この村には、若い男がいないんだよ。だから、魔界から男を呼ぼうと思うんだ」
    「なるほど」
     エリオスがにやりと笑った。
    「魔族がやっていることと同じことを、もっとスマートにやるつもり、というわけだ」
    「だけど、魔族から変な探りを入れられないようにしたいんだ」
   俺は、正直に話した。
   「何か、いい方法がないかな」
    「それは、魔界からのスパイがこの国に入ることを防ぎたいということか?カナメ」
    エリオスが呻いた。
   「難しいな。リイルたちからすれば、主たちのことを探るチャンスだろうしな」
    「難しいか?」
    俺は、溜め息をついた。
    エリオスは、俺に言った。
   「逆に考えたらどうだ?」
    「逆?」
    「つまり、スパイを籠絡し、こちらの都合のいい情報を流すのだ」
    逆スパイか!
   俺は、ちょっと考え込んだ。
   「そんなことが可能かな?」
    「可能だ」
    エリオスがにやっと笑った。
    「この村には、それだけの魅力を持った女たちがたくさんいるからな」
    俺は、夏にこの計画を実行することをみんなに伝えた。
   村の女たちは、ざわめいた。
   それでも、それからしばらくは穏やかな日々が続いた。
   とはいえ、ちょっとした問題は起きる。
   村から離れた場所にある畑が魔物に荒らされるということがあった。
   どうやら森に魔物が住み着いているらしい。
    俺は、この村全体をぐるりと囲む外壁を造った。
   門は、2ヶ所。
   1ヶ所は、砂漠の民に向けて。
   もう1ヶ所は、魔族に向けて。
   「この国は、人と魔族の国だ」
    俺は、宣言した。
   「何者も拒まない。何者も蔑まない。何者にもへつらわない」
    「国の名前を決めないと、ね」
     姫が言った。
   「エレクシア王国、なんてどうかしら?」
    「エレクシア?」
    俺がきくと姫は、にっこりと微笑んだ。
   「エレクシアとは、古代語で『奴隷』のことを表す言葉よ、カナメ」
    「奴隷の国、か」
    俺は、頷いた。
   「いいんじゃないか。エレクシア王国」
    「今は、まだ、小さな国、というか村だけど、ね」
   姫が俺に微笑んだ。
   マジ、反則だろ?
   この女、こういう顔してるときは、すごいきれいだし。
   性格は、最悪だけどな。
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