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3 魔族と同盟を結ぼう!だって、魔王をテイムしてるんだもん。

3ー9 闘う行商人です。

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    3日後。
    俺たちを乗せた空舟は、魔族の都  クロウナーゼに到着した。
   俺たちは、魔王城へと船を進めていた。
   この高さならいくら魔族でもなかなか攻撃は、できない筈だが警戒は怠らなかった。
   『カナメ様!』
     コントロールルームのアリサから連絡が入る。
   『前方の空にワイパーンの群れが現れました!』
    「そうか」
     俺と猫耳族に擬態しているエリオス、もとい、エリオットは、船の舳先に出ると、それぞれ敵と対峙するための準備をした。
   俺は、魔導銃に特性の銃弾をこめ、エリオットは、俺がとりあえず用意した大剣を背に構えた。
    ワイパーンの群れは、背筋が震えるような殺気を発していた。
    俺たちは、群れに向かって一撃を放った。
   俺の魔法、『炎獄』の炎がワイパーンの群れを焼き払う。
   続いて、エリオスの振るった大剣からの衝撃波が生き残ったワイパーンたちを切り裂いた。
    「なんだ、ワイパーンってたいしたことないな」
    俺が言うと、エリオスがくっくっ・・と低く笑った。
   「悪いのは、ワイパーンではない。我々が強すぎるんだよ、カナメ」  
    それからしばらくして、今度は、翼を持った少女が船までやってきた。
   少女は、俺たちに向かって叫んだ。
   「殺さないで!私は、城よりの使者です!」
    その飛翼族の娘は、エリスと名乗った。彼女は、宰相からの親書を持参していた。
   「返事を受け取ってくるようにとのことですが」
   エリスが言ったので、俺は、その場で宰相からの手紙に目を通した。
   それは、俺たちを城へ招くという内容だった。
   俺は、頷いた。
   「そちらから攻撃を仕掛けてきたからこちらも応じたが、そちらが受け入れてくれるというなら、我々も応じていいだろう」
    「それでは、そうお伝えします」
     エリスは、ホッとした様子で城へと飛び立った。彼女が去っていくのを見送ってからエリオットが口を開いた。
    「たぶん、罠だ」
     「わかってるさ」
       俺は頷いた。
    「将を射んとすれば、まず、馬から、だ」
     それから、一時間ほどしてエリスが再びやってきた。
   「どうぞ、おいでください。城の前にて、宰相閣下がお待ちしております」
    「わかった」
     俺とエリオットは、小型のボートくらいの大きさの空船に乗り込むと、エリスの後について城に向かった。
    空船の本体は、アリサに任せてそのまま上空に留まらせておくことにした。
   城の入り口の前に降り立った俺たちを宰相で狼の頭部を持ったフェンリル族の長であるリイルと他の重鎮たちが待ち構えていた。
    「さきほどは、失礼しましたな。私は、この城の宰相  リイル・ペンタス。どうぞ、お見知りおきを」
    「どうも、商人のカナメ・ハシダと申します。突然の来訪、お許しください」
    「商人?」
     リイルの目が細まった。
    「人の商人が我々、魔族に何を売り付けるおつもりかな?」
    「まあ、たいしたものはありませんが、塩とか、香辛料などを扱っております」
   「塩、か」
    リイルが頷いた。
   「それは、ありがたい」
    
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