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9 魔王と聖者と浄化の旅(3)
9ー9 恥ずかしくて
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9ー9 恥ずかしくて
確か、ロイたちが浄化の儀式が始まると同時に奇襲をかけて人質たちを救出することになっているはずだし。
僕は、左の薬指にはめられた指輪をじっと見つめた。
きっとロイたちが助けてくれる。
それまで時間を稼がなくては。
僕は、ヤマトから離れるとイグルトに向き合った。
「1つだけ頼みがあるんだ」
「なんだ?」
イグルトが訊ねるのに僕は答えた。
「これからヤマトが行う湖の浄化の儀式に僕も立ち会わせて欲しい。というか、僕も協力させて欲しいんだ」
「協力、だと?」
「ああ」
僕は、頷いた。
「あの湖は巨大だ。あれぐらい大きければヤマトの・・聖者様の浄化の力だけでは十分には浄化することができないかもしれない。だから、僕の力を聖者様に使ってもらいたいんだ」
「なるほど。それは、いい考えかもしれんな」
イグルトがにやっと笑った。
「お前たちも魔力の譲渡のルートが出来上がっているわけだしな」
イグルトの言葉に僕は、かぁっと頬が熱くなる。
あからさまにそういうことをほのめかされるのはやっぱり苦手だ。
とまどっている僕を見てイグルトがふっと柔らかい微笑みを浮かべた。
「あれほど激しく体を重ねながらもまだ、頬を赤らめるような羞恥の心があるのだな。かわいい奴だ」
ヤマトがイグルトを睨み付けると僕のことを抱き寄せた。
イグルトは、一瞬で表情を押し隠して僕たちに告げた。
「それでは、これより聖者殿にはグレーシアル湖の浄化に向かっていただこうか」
僕とヤマトは、はっと見つめあった。
そして。
僕らは、頷きあった。
大丈夫だ。
僕らならできる!
ヤマトは、僕のことを抱き上げると歩きだした。
イグルトは、僕たちに背を向けると先頭に立って歩き始めた。
イグルトたちが宿泊しているこの宿のすぐ裏にグレーシアル湖はある。
僕は、ヤマトにお姫様抱っこで運ばれることに抵抗があった。
いや。
まだ体に力が入らなくって自由に歩けない僕のことを思ってのことなんだけどね。
でも。
やっぱり人目もあるし、すごく恥ずかしいわけで。
僕は、何度も下ろして欲しいとヤマトに頼んだんだがヤマトは、それをまったく無視して歩き続けた。
確か、ロイたちが浄化の儀式が始まると同時に奇襲をかけて人質たちを救出することになっているはずだし。
僕は、左の薬指にはめられた指輪をじっと見つめた。
きっとロイたちが助けてくれる。
それまで時間を稼がなくては。
僕は、ヤマトから離れるとイグルトに向き合った。
「1つだけ頼みがあるんだ」
「なんだ?」
イグルトが訊ねるのに僕は答えた。
「これからヤマトが行う湖の浄化の儀式に僕も立ち会わせて欲しい。というか、僕も協力させて欲しいんだ」
「協力、だと?」
「ああ」
僕は、頷いた。
「あの湖は巨大だ。あれぐらい大きければヤマトの・・聖者様の浄化の力だけでは十分には浄化することができないかもしれない。だから、僕の力を聖者様に使ってもらいたいんだ」
「なるほど。それは、いい考えかもしれんな」
イグルトがにやっと笑った。
「お前たちも魔力の譲渡のルートが出来上がっているわけだしな」
イグルトの言葉に僕は、かぁっと頬が熱くなる。
あからさまにそういうことをほのめかされるのはやっぱり苦手だ。
とまどっている僕を見てイグルトがふっと柔らかい微笑みを浮かべた。
「あれほど激しく体を重ねながらもまだ、頬を赤らめるような羞恥の心があるのだな。かわいい奴だ」
ヤマトがイグルトを睨み付けると僕のことを抱き寄せた。
イグルトは、一瞬で表情を押し隠して僕たちに告げた。
「それでは、これより聖者殿にはグレーシアル湖の浄化に向かっていただこうか」
僕とヤマトは、はっと見つめあった。
そして。
僕らは、頷きあった。
大丈夫だ。
僕らならできる!
ヤマトは、僕のことを抱き上げると歩きだした。
イグルトは、僕たちに背を向けると先頭に立って歩き始めた。
イグルトたちが宿泊しているこの宿のすぐ裏にグレーシアル湖はある。
僕は、ヤマトにお姫様抱っこで運ばれることに抵抗があった。
いや。
まだ体に力が入らなくって自由に歩けない僕のことを思ってのことなんだけどね。
でも。
やっぱり人目もあるし、すごく恥ずかしいわけで。
僕は、何度も下ろして欲しいとヤマトに頼んだんだがヤマトは、それをまったく無視して歩き続けた。
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