24 / 110
3 望まぬ妊娠
3ー2 愛人ですか?
しおりを挟む
3ー2 愛人ですか?
「確か、魔力交換の呪いがかけられた呪具の解呪をして欲しいんだったね?ラムダ」
ヤマトが僕の方へと手を差し伸べた。
「見せてごらん、ラムダ」
僕は、迷ったがおずおずとヤマトに手を差し出した。
ヤマトは、僕の手を握るとじっと見つめた。
「ああ、こんなにも手が荒れて。かわいそうに。ずいぶんと苦労したんだね、ラムダ」
「誰のせいだと思っているんだ!」
僕は激昂してすぐに手を引っ込めようとしたが、ヤマトは、僕の手を強く握りしめ離そうとはしなかった。
「愛しい君」
ヤマトが僕の手を両手で包み込むとそっと僕の指にキスをした。
すると。
パリン、という乾いた音がして僕の指の指輪が壊れて飛び散った。
そのとたんに、僕の体に何か、熱いものが流れ込んでくるのがわかった。
「んぅっ!」
僕は、その魔力の流入に堪えられずソファに倒れ込んだ。
体が。
熱い。
突然の熱に襲われて息を乱している僕を見下ろしてヤマトが低く笑った。
「ああ、いい忘れていたがこういった呪具は片方だけをこわしてもダメなんだよ、ラムダ。壊すときは両方を同時に壊さなくてはならない。でないと、こんな風に今まで吸収された魔力が行き場を失って一気に溢れてくるんだよ」
「ヤマ、ト、お前・・・」
「どうしたんだ?ラムダ。魔力が逆流してきて苦しいのか?」
ヤマトが僕の頬に軽く触れた。
「はぁあんっ!」
少しかすっただけなのに、僕の体を甘い痺れが走った。
わなないている僕を見つめてヤマトが微笑んだ。
「かわいそうに、ラムダ。私がすぐに楽にしてあげるからね」
ヤマトが僕の隣に体を寄せてきたので僕は、身を捩って逃れようとした。
「やっ!いや、だっ!」
僕は、ヤマトの手を払って叫んだ。
「僕にさわるな!」
「おやおや」
ヤマトがふぅっとため息をついた。
「まだ、自分の立場がわからないのか?ラムダ。君のとるべき道は一つしかないんだよ。すなわち僕の愛人になるという道だ」
「あ、いじ、ん?」
「そうだよ、ラムダ」
ヤマトは、クスクスっと笑うと僕のことを抱き寄せた。
「君には悪いが、私は聖者だ。おおっぴらには妻も子も持てないのでね。ああ、もちろん君のことは大切にするし、子どもだって教団の秘術を使えば何人だって作ることができる」
はい?
なんですと?
甘い痺れに体を麻痺させられながらも僕は、考えていた。
こいつ、僕に子どもを産ませるつもりなのか?
「確か、魔力交換の呪いがかけられた呪具の解呪をして欲しいんだったね?ラムダ」
ヤマトが僕の方へと手を差し伸べた。
「見せてごらん、ラムダ」
僕は、迷ったがおずおずとヤマトに手を差し出した。
ヤマトは、僕の手を握るとじっと見つめた。
「ああ、こんなにも手が荒れて。かわいそうに。ずいぶんと苦労したんだね、ラムダ」
「誰のせいだと思っているんだ!」
僕は激昂してすぐに手を引っ込めようとしたが、ヤマトは、僕の手を強く握りしめ離そうとはしなかった。
「愛しい君」
ヤマトが僕の手を両手で包み込むとそっと僕の指にキスをした。
すると。
パリン、という乾いた音がして僕の指の指輪が壊れて飛び散った。
そのとたんに、僕の体に何か、熱いものが流れ込んでくるのがわかった。
「んぅっ!」
僕は、その魔力の流入に堪えられずソファに倒れ込んだ。
体が。
熱い。
突然の熱に襲われて息を乱している僕を見下ろしてヤマトが低く笑った。
「ああ、いい忘れていたがこういった呪具は片方だけをこわしてもダメなんだよ、ラムダ。壊すときは両方を同時に壊さなくてはならない。でないと、こんな風に今まで吸収された魔力が行き場を失って一気に溢れてくるんだよ」
「ヤマ、ト、お前・・・」
「どうしたんだ?ラムダ。魔力が逆流してきて苦しいのか?」
ヤマトが僕の頬に軽く触れた。
「はぁあんっ!」
少しかすっただけなのに、僕の体を甘い痺れが走った。
わなないている僕を見つめてヤマトが微笑んだ。
「かわいそうに、ラムダ。私がすぐに楽にしてあげるからね」
ヤマトが僕の隣に体を寄せてきたので僕は、身を捩って逃れようとした。
「やっ!いや、だっ!」
僕は、ヤマトの手を払って叫んだ。
「僕にさわるな!」
「おやおや」
ヤマトがふぅっとため息をついた。
「まだ、自分の立場がわからないのか?ラムダ。君のとるべき道は一つしかないんだよ。すなわち僕の愛人になるという道だ」
「あ、いじ、ん?」
「そうだよ、ラムダ」
ヤマトは、クスクスっと笑うと僕のことを抱き寄せた。
「君には悪いが、私は聖者だ。おおっぴらには妻も子も持てないのでね。ああ、もちろん君のことは大切にするし、子どもだって教団の秘術を使えば何人だって作ることができる」
はい?
なんですと?
甘い痺れに体を麻痺させられながらも僕は、考えていた。
こいつ、僕に子どもを産ませるつもりなのか?
59
お気に入りに追加
682
あなたにおすすめの小説
推し様の幼少期が天使過ぎて、意地悪な義兄をやらずに可愛がってたら…彼に愛されました。
櫻坂 真紀
BL
死んでしまった俺は、大好きなBLゲームの悪役令息に転生を果たした。
でもこのキャラ、大好きな推し様を虐め、嫌われる意地悪な義兄じゃ……!?
そして俺の前に現れた、幼少期の推し様。
その子が余りに可愛くて、天使過ぎて……俺、とても意地悪なんか出来ない!
なので、全力で可愛がる事にします!
すると、推し様……弟も、俺を大好きになってくれて──?
【全28話で完結しました。R18のお話には※が付けてあります。】
転生悪役令息の俺、婚約破棄して脇役第二王子を射止めたい!
櫻坂 真紀
BL
BLゲームに登場する、脇役第二王子に恋する俺。
気がつくと俺は、そのゲームに異世界転生していた。
喜んだのもつかの間、自分が悪役令息である事に気づく。
しかも俺には、婚約者までいて……?
悪役令息に転生した俺の恋は、まず婚約破棄しなきゃ始まらない──!?
【本編10話+R18の番外編3話で完結です。】
あなたへの初恋は胸に秘めます…だから、これ以上嫌いにならないで欲しいのです──。
櫻坂 真紀
BL
幼い頃は、天使の様に可愛らしかった俺。
でも成長した今の俺に、その面影はない。
そのせいで、初恋の人にあの時の俺だと分かって貰えず……それどころか、彼は他の男を傍に置き……?
あなたへの初恋は、この胸に秘めます。
だから、これ以上嫌いにならないで欲しいのです──。
※このお話はタグにもあるように、攻め以外との行為があります。それが苦手な方はご注意下さい(その回には!を付けてあります)。
※24話で本編完結しました(※が二人のR18回です)。
※番外編として、メインCP以外(金子さんと東さん)の話があり、こちらは13話完結です。R18回には※が付いてます。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
虐げられ聖女(男)なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました【本編完結】(異世界恋愛オメガバース)
美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!
婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる