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2 お金がない!

2ー9 嫌な予感?

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 2ー9 嫌な予感?

 僕は、どうにかしてはずそうと指輪を引っ張った。
 「なんとかしてこれ、とれないの?」
 「おそらく解呪しなくてはとれないでしょうね。この指輪クラスの呪具ですと王都の神殿の神官長ぐらいの能力がなくては解呪することはできないでしょうね」
 マジですか?
 僕は、涙で潤んだ瞳でメイソン辺境伯を見つめた。
 「僕は、いったいどうしたらいいのですか?」
 「ご心配なく」
 ソドルがニコニコと微笑みかけてくるのが怖い。
 「幸いなことに、今、ルーザの街には、高名な聖者さまが逗留されているとか。お願いすればきっと解呪してくださることでしょう」
 聖者が来てる?
 僕は、少し引っ掛かるものがあったんだが、気にしている場合じゃないし。
 その聖者様とやらに頼むしかなさそうだけど、なんだか嫌な予感中だ。
 
 夕方にルーザの街から戻ってきたキーンにこの話をするとキーンは、真っ青になって僕に謝った。
 「すみません、ラムザ様。どうか、お許しください!」
 「大丈夫だよ、キーン」
 僕は、キーンに話した。
 「今、ほんとに偶然にもルーザの街にこの呪いを解くことができる聖者様が滞在されているらしい。メイソン辺境伯が明日にでもルーザの街に行って頼んでくださるとのことだ」
 「聖者様、ですか?」
 キーンが訝しげに呟く。
 「その聖者様って、もしかしてヤマト様ではありませんか?」
 はい?
 僕は、めまいがしていた。
 ヤマトだって?
 マジですか?
 
 「聖者様がわざわざこの辺境の地におみえになられている理由でございますか?」
 僕は、翌日、ルーザの街に向かう馬車の中でソドルとメイソン辺境伯に訊ねた。
 「それは、やはり、あれじゃないでしょうか?」
 ソドルが答えた。
 「この領地の近くにある水源地の浄化のためでございますよ」
 なんでもこのメイソン辺境伯の辺りがらなぞの病が流行りだしているのだという。
 その病は、どうやら何者かの呪いによってもたらされたものらしい。
 水が汚染されたために下流の人々が病を発症しているのだという。
 「私のおさめる領地にもこの病は流行りだしている。だから、以前より王に嘆願していたのだ。この度、やっと聖者様を派遣してくれたというわけだ」
 っていいうか、タイミングよくね?
 僕は、嫌な予感がマックスになっていた。
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