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2ー7 魔道具ですか?

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 2ー7 魔道具ですか?

 ソドルの一件からしばらくして僕がメイソン辺境伯の屋敷の裏にある畑の一角を借りてスコップで掘り返しているとメイソン辺境伯に声をかけられた。
 「何をしているんだ?ラムダ」
 「あっ、メイソン辺境伯」
 僕は、顔をあげて微笑みを浮かべた。
 「いえ、ちょっと花を育ててみようと思って」
 「花?」
 メイソン辺境伯が興味を示す。
 「なんの花だ?」
 「ええっと、その」
 うん。
 僕は、どう答えたらいいのか考えていた。
 花には違いないし。
 とはいえ僕の育てているのは、ポーションとかの材料となるゼツリ草だ。
 この花は、魔法薬師によって作られた花だった。
 つまり、自然界には存在しない花。
 この花を育てるには、毎日少しづつだが魔力を注がなくてはならない。
 キーンがルーザの街にある冒険者ギルドで手に入れてきたクエストだ。
 この花を育ててギルドに卸すと金貨5万枚の金になるのだとキーンが言っていた。 
 メイソン辺境伯は、黙って花を見ていたがすぐに眉をひそめた。
 「これは、ゼツリ草じゃないか?確か、この草を育てるには大量の魔力が必要なんじゃなかったか?」
 そう。
 メイソン辺境伯の言う通り。
 僕は、毎日、この花を育てるためにこうして世話をしながらも魔力を与え続けていた。
 なのに、なぜ、僕は、比較的平常を保っていられるのか?
 メイソン辺境伯は、僕をじっと見つめている。
 僕は、ますます顔が熱ってくるのを隠せなかった。
 メイソン辺境伯に見つめられて堪えきれなくって僕は、口を開いた。
 「あ、あの」
 僕は、熱くなった頬を見られまいとしてうつむき加減で答えた。
 「魔力をつかわなくてはいけないのですが、それは、その、キーン、が」
 僕は、メイソン辺境伯に向かって左手を差し出すとその中指にはめられた金色に輝く指輪を見せた。
 「この指輪を手に入れてきてくれたから。これがあれば僕は魔法を使っても平気なんです」
 「解呪の指輪、か?」
 メイソン辺境伯が僕の左手をとって指輪をまじまじと見つめた。
 「しかし・・こういったものは大層値がはるものだ。いったいどうやって手に入れたんだ?」
 「それが」
 僕は、にっこりと微笑みながらメイソン辺境伯に話した。
 「キーンが言うには、いただいたそうなんです。なんでも魔道具を扱っている商人の方がキーンから僕の話をきいて同情してくださったとかで」
 「貰った?これを?」
 メイソン辺境伯がなにやら訝しげに僕のことを見た。
 うん?
 僕は、首を傾げた。
 どうしたんだろう?
 
 
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