34 / 105
4 魔法学園の花ですか?(3)
4ー5 ダンジョンへ
しおりを挟む
4ー5 ダンジョンへ
結局、前衛は、俺を中心に左右を王女殿下たちが勤めることになった。
後衛は、ロタ。
それと護衛のみなさん、かな。
とにかく嫌な感じの馬車の旅は終わり、なんとか無事に俺たちは、クィンティラ・ダンジョンに到着した。
俺たちは、それぞれ装備の入った荷物を背負ってダンジョンへと向かった。
が。
バルトレット王女殿下とアウラ王女殿下は、妙に荷物が少ない?
てか、ほとんど手ぶら?
ダンジョンで夜営するのに手ぶらって!
「二人とも荷物は?」
俺が問うと二人は、妙な顔をした。
「荷物?」
「はい」
二人は、顔を見合わせると首を傾げる。
うん?
俺も首を傾げていると、ロタが俺の脇腹をつついた。
「あれ」
ロタの指す方向を見るとそこには、大量の荷物を背負った騎士団の面々が待機していた。
マジか?
この王女殿下たち、荷物は、全部護衛に持たせてるの?
だが、俺は、何も言わなかった。
だって、俺、大人だし。
俺たち(とお供の皆さん)は、意気揚々とクィンティラ・ダンジョンへと入って行く。
とはいえ魔法学園の全校生徒が来ているわけだし、ダンジョンの中は、大混雑中だ。
俺は、初めてのダンジョンでちょっと浮かれていた。
というか、俺たちは、浮かれていた。
「ここは、混みすぎてて魔物が出てこない。もっと奥へ行くぞ!」
バルトレット王女殿下が言うとアウラ王女殿下も負けずに気勢をあげる。
「おう!どうです、姉上。魔物を多く仕留めた方が学期末のパーティーでオルナムをエスコートするというのは?」
「何度も言うが、オルナムは、私の婚約者だ!」
バルトレット王女殿下がじろっとアウラ王女殿下を睨み付ける。
「だが、いいだろう。私がお前ごときに負けるわけがないからな!」
はい?
俺は、二人の勢いに口を挟むことができなかった。
いや。
俺の気持ちは?
ってか、俺は、誰ともパーティーになんか行かないぞ!
しかし、そんな俺の心の叫びなど聞く者もなく。
「さあ、奥へ行くぞ!オルナム!」
バルトレット王女殿下が俺の手を引っ張る。
負けじとアウラ王女殿下が俺のもう片方の手を引っ張った。
「さあさあ!行くぞ、オルナム!」
俺は、二人に連行されていくかわいそうな少年という感じだった。
誰か!
たすけてぇ!
結局、前衛は、俺を中心に左右を王女殿下たちが勤めることになった。
後衛は、ロタ。
それと護衛のみなさん、かな。
とにかく嫌な感じの馬車の旅は終わり、なんとか無事に俺たちは、クィンティラ・ダンジョンに到着した。
俺たちは、それぞれ装備の入った荷物を背負ってダンジョンへと向かった。
が。
バルトレット王女殿下とアウラ王女殿下は、妙に荷物が少ない?
てか、ほとんど手ぶら?
ダンジョンで夜営するのに手ぶらって!
「二人とも荷物は?」
俺が問うと二人は、妙な顔をした。
「荷物?」
「はい」
二人は、顔を見合わせると首を傾げる。
うん?
俺も首を傾げていると、ロタが俺の脇腹をつついた。
「あれ」
ロタの指す方向を見るとそこには、大量の荷物を背負った騎士団の面々が待機していた。
マジか?
この王女殿下たち、荷物は、全部護衛に持たせてるの?
だが、俺は、何も言わなかった。
だって、俺、大人だし。
俺たち(とお供の皆さん)は、意気揚々とクィンティラ・ダンジョンへと入って行く。
とはいえ魔法学園の全校生徒が来ているわけだし、ダンジョンの中は、大混雑中だ。
俺は、初めてのダンジョンでちょっと浮かれていた。
というか、俺たちは、浮かれていた。
「ここは、混みすぎてて魔物が出てこない。もっと奥へ行くぞ!」
バルトレット王女殿下が言うとアウラ王女殿下も負けずに気勢をあげる。
「おう!どうです、姉上。魔物を多く仕留めた方が学期末のパーティーでオルナムをエスコートするというのは?」
「何度も言うが、オルナムは、私の婚約者だ!」
バルトレット王女殿下がじろっとアウラ王女殿下を睨み付ける。
「だが、いいだろう。私がお前ごときに負けるわけがないからな!」
はい?
俺は、二人の勢いに口を挟むことができなかった。
いや。
俺の気持ちは?
ってか、俺は、誰ともパーティーになんか行かないぞ!
しかし、そんな俺の心の叫びなど聞く者もなく。
「さあ、奥へ行くぞ!オルナム!」
バルトレット王女殿下が俺の手を引っ張る。
負けじとアウラ王女殿下が俺のもう片方の手を引っ張った。
「さあさあ!行くぞ、オルナム!」
俺は、二人に連行されていくかわいそうな少年という感じだった。
誰か!
たすけてぇ!
1
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
男女比1/100の世界で《悪男》は大海を知る
イコ
ファンタジー
男女貞操逆転世界を舞台にして。
《悪男》としてのレッテルを貼られたマクシム・ブラックウッド。
彼は己が運命を嘆きながら、処刑されてしまう。
だが、彼が次に目覚めた時。
そこは十三歳の自分だった。
処刑されたことで、自分の行いを悔い改めて、人生をやり直す。
これは、本物の《悪男》として生きる決意をして女性が多い世界で生きる男の話である。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる