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3 魔法学園の花ですか?(2)

3ー5 女の勘

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 3ー5 女の勘

 アウラ王女殿下が窓から出ていくのと同時にロタが入ってきた。
 「オルナム様?」
 「ああ?」
 俺は、慌ててさっきまでむさぼられて腫れている口元を隠した。
 ロタに見つかる前にそっとヒールをかける。
 ロタは、俺が魔法を使うのに気づいて俺を覗き込んだ。
 「どうしました?何か、ありましたか?」
 「何も」
 俺は、答えた。
 ロタが疑うような眼差しで俺を見たので、俺は、シャツを身に付けながらロタに訊ねた。
 「どうかしたのか?」
 「いえ」
 ロタが俺に制服の上着を差し出す。
 「ただ、その、アウラ王女殿下の姿が見当たらなかったので、もしかしたらまた、オルナム様にちょっかいだしてるんじゃないかと思って」
 鋭いな!
 俺は、知らん顔をしながら、内心、びびっていた。
 ロタ、すごいな!
 これが女の勘とかいうやつ?
 こわっ!
 着替えが終わると俺とロタは、食堂へと向かった。
 もう、昼過ぎだ。
 腹の虫も鳴いている。
 この魔法学園の食堂は、武骨だがなかなかうまい料理を出す。
 俺たちは、今日のおすすめを頼むと空いている窓際の席に腰を下ろした。
 昼を少し過ぎていたからか食堂は、それほど混んではいなかった。
 俺とロタは、食堂のウエイトレスが運んできた皿の料理に手を伸ばした。
 今日は、揚げた肉団子にソースをかけたものと、山盛りのナスとトマトのパスタだった。
 俺とロタが向かい合って食べていると入り口辺りでざわめきがあがった。
 なんだ?
 俺は、もぐもぐしながら入り口の方を見てから、すぐに顔を戻した。
 まずい!
 バルトレット王女殿下だ!
 俺は、急いで残ったパスタを口の中に掻き込んだ。
 ロタも、慌てて口の中のものを飲み干す。
 「オルナム」
 バルトレット王女殿下の低い声に俺は、ぞくっとしていた。
 いや。
 何も悪いことなんて、してないし!
 というか、アウラ王女殿下とのことは、野良犬に噛まれたようなもんだし!
 まあ。
 初めてだったんだけど。
 俺は、ゆっくりと後ろを振り向いた。
 真横にバルトレット王女殿下が立っていてもう少しで頬が触れそうになる。
 ちかっ!
 近いって!
 「どうした?オルナム」
 バルトレッド王女殿下が口元を微かに緩めて俺を覗き込んだ。
 「顔が赤いぞ」
 「はひっ!」
 俺は、なんとかバルトレット王女殿下から距離をとろうとのけぞる。
 そんな俺を見て王女殿下は、くすくすと笑った。
 「ほんとにかわいい奴だ」
 
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