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2 魔法学園の花ですか?
2ー9 性癖ですか?
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2ー9 性癖ですか?
アウラ王女殿下の言葉に俺は、困り果てていた。
どう答えても不敬にしかならん。
俺が口をはくはくさせていると教室の扉が開いて教師が入ってきた。
俺は、これ幸いとアウラ王女殿下から視線をそらした。
教師は、特別クラスの生徒たちを見回した。
小柄な藍色の髪を肩までで切り揃えた少し幼く見える女教師は、ちらりと俺を見た。
「授業を始める前に自己紹介をしようか。諸君は、これから4年間ともに学ぶ学友たちだ。お互いのことを知るのもいいことだろう」
女教師は、教壇にもたれて身を乗り出して控えめな笑みを浮かべる。
「私は、ミラン・フォルダ。魔法学を担当する教師であり、この特別クラスの担任を勤める。男の好みは、尻が大きな男だ。よろしく頼む」
はい?
俺は、遠浅に引いていた。
いきなり性癖暴露するとか、おかしいんじゃないか?
だが、俺とロタ以外の生徒たちは、面白げにニヤニヤ笑っている。
チッ。
俺は、舌打ちした。
猿なみのレベルの低さだな!
まあ、俺も先生の豊満なボディしか見てないし。
「失礼な!」
ロタが隣の席で拳を握りしめた。
俺は、そっと、ロタの肩に手を触ると小声でささやいた。
「落ち着け。これぐらいのこと、たえられないでどうする」
「しかし、オルナムさま」
「かまわんだろう。尻がどうとかどうでもいいし」
「どうでもよくはないです!」
ロタが頬を上気させてどん、と机を叩く。
一瞬、教室内が水を打った様に静まりかえった。
「じゃあ、次は、君」
ミラン先生がロタを指差した。
ロタは、クラス全員の視線を集めていることに気づくと顔を真っ赤にしてアワアワした。
ミラン先生が笑いを噛み殺しているのがわかった。
パニックになっているロタに代わって俺は、その場に立ち上がった。
「私の従僕であるロタの代わりに主である私が先に挨拶させていただく」
「ほう?」
ミラン先生が愉快そうに頷いた。
「かまわん。ジェントルファストだ」
「では」
俺は、ぐるりとクラス中の女たちを見回した。
「私は、エルガーナ辺境伯家が三男、オルナム・フォル・エルガーナ。男の身でありながら今日よりこの伝統ある魔法学園の末席を汚させていただきます」
「よく言う」
ミラン先生が皮肉っぽく笑った。
「このクラスの首席は、君なんだがね、エルガーナ」
アウラ王女殿下の言葉に俺は、困り果てていた。
どう答えても不敬にしかならん。
俺が口をはくはくさせていると教室の扉が開いて教師が入ってきた。
俺は、これ幸いとアウラ王女殿下から視線をそらした。
教師は、特別クラスの生徒たちを見回した。
小柄な藍色の髪を肩までで切り揃えた少し幼く見える女教師は、ちらりと俺を見た。
「授業を始める前に自己紹介をしようか。諸君は、これから4年間ともに学ぶ学友たちだ。お互いのことを知るのもいいことだろう」
女教師は、教壇にもたれて身を乗り出して控えめな笑みを浮かべる。
「私は、ミラン・フォルダ。魔法学を担当する教師であり、この特別クラスの担任を勤める。男の好みは、尻が大きな男だ。よろしく頼む」
はい?
俺は、遠浅に引いていた。
いきなり性癖暴露するとか、おかしいんじゃないか?
だが、俺とロタ以外の生徒たちは、面白げにニヤニヤ笑っている。
チッ。
俺は、舌打ちした。
猿なみのレベルの低さだな!
まあ、俺も先生の豊満なボディしか見てないし。
「失礼な!」
ロタが隣の席で拳を握りしめた。
俺は、そっと、ロタの肩に手を触ると小声でささやいた。
「落ち着け。これぐらいのこと、たえられないでどうする」
「しかし、オルナムさま」
「かまわんだろう。尻がどうとかどうでもいいし」
「どうでもよくはないです!」
ロタが頬を上気させてどん、と机を叩く。
一瞬、教室内が水を打った様に静まりかえった。
「じゃあ、次は、君」
ミラン先生がロタを指差した。
ロタは、クラス全員の視線を集めていることに気づくと顔を真っ赤にしてアワアワした。
ミラン先生が笑いを噛み殺しているのがわかった。
パニックになっているロタに代わって俺は、その場に立ち上がった。
「私の従僕であるロタの代わりに主である私が先に挨拶させていただく」
「ほう?」
ミラン先生が愉快そうに頷いた。
「かまわん。ジェントルファストだ」
「では」
俺は、ぐるりとクラス中の女たちを見回した。
「私は、エルガーナ辺境伯家が三男、オルナム・フォル・エルガーナ。男の身でありながら今日よりこの伝統ある魔法学園の末席を汚させていただきます」
「よく言う」
ミラン先生が皮肉っぽく笑った。
「このクラスの首席は、君なんだがね、エルガーナ」
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