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19 国民皆保険へ、レッツらゴー!
19ー5 あなたをお守りします。
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19ー5 あなたをお守りします。
宰相閣下は、戸惑っているわたしににっこりと微笑みかけた。
「はじめまして、トガー様。いつも学園で息子のジミーがお世話になっております」
「い、いえ、こちらこそ」
わたしは、焦っていた。
「息子さんにはお世話になっておりますぅ!」
「きっとご迷惑をおかけしていることでしょう。あれは、思い上がった小猿のような奴ですからね」
宰相閣下の言葉に、わたしは、思わず吹き出していた。
小猿って!
いやいやいや!
笑いが止まらない。
わたしがクスクス笑っているのを見て宰相閣下は、ふっと和らいだ笑みを口許に漂わせた。
「その方がよほどいい。さっきまでの怖い顔をしたあなたよりもずっと美しく見える」
ほえっ?
わたしは、宰相閣下のことをじっと見上げていた。
宰相閣下は、いたづらっぽく微笑むとわたしに椅子をひいてくれた。
「こちらにどうぞ、トガー様。フェブリウス伯爵も」
わたしとマックス様が腰かけるとすぐにわたしたちの前にお茶の入ったカップが置かれた。
意外とカップは、飾り気のないただの白いカップだった。
この世界じゃ、陶芸はまだまだ盛んとはいえないようだしな。
わたしは、『メルクリウス商会』で陶磁器の開発ができないものか、と考えていた。
きっと、もうかるだろうな!
「では、話し合いといきましょうか?トガー様。いや」
宰相閣下が手を組んでわたしをじっと見つめた。
「聖女殿」
息を飲むような瞬間だった。
その場にいる全員に緊張がはしった。
宰相閣下の言葉にわたしは、表情をこわばらせた。
「いや、わたしは、聖女などでは」
「もう、隠すのはおやめなさい、トガー様。あなたは、これまでの功績からしても間違いなく聖女です」
宰相閣下の隣に座っていた白い髭のじいちゃんが口を開いた。
「我々は、あなたがこの世界に来たときからあなたの言動を監視しておりました」
マジでか?
わたしが驚きを隠せずにいるとじいちゃんの隣に腰かけていたはかなげな金髪の美人エルフがわたしに話し掛けてきた。
「エルフの病のことでは同族が世話になりありがとうございました。本当に感謝してもしきれない」
「いえ、その」
「あなたのやってきたことは、どれもこの世界の人間たちを神の与えた枷から解き放とうとするもの。我々、人類に独自の生きる力を与えるためのものだ」
宰相閣下が重々しく話した。
「それは、禁忌ともいえることですが。かつて、それに触れた聖女お愛様は、人の子の王の手によって処刑された」
「だが、我々もいつまでも無力ではない」
髭のじいちゃんが話した。
「我々もまた神に対峙する方法を学んできたのです」
「かつて我々、人類は、聖女であるお愛様をお守りすることができなかった」
美人エルフさんが言った。
「だけど、今度こそはあなたをお守りします、トガー様」
宰相閣下は、戸惑っているわたしににっこりと微笑みかけた。
「はじめまして、トガー様。いつも学園で息子のジミーがお世話になっております」
「い、いえ、こちらこそ」
わたしは、焦っていた。
「息子さんにはお世話になっておりますぅ!」
「きっとご迷惑をおかけしていることでしょう。あれは、思い上がった小猿のような奴ですからね」
宰相閣下の言葉に、わたしは、思わず吹き出していた。
小猿って!
いやいやいや!
笑いが止まらない。
わたしがクスクス笑っているのを見て宰相閣下は、ふっと和らいだ笑みを口許に漂わせた。
「その方がよほどいい。さっきまでの怖い顔をしたあなたよりもずっと美しく見える」
ほえっ?
わたしは、宰相閣下のことをじっと見上げていた。
宰相閣下は、いたづらっぽく微笑むとわたしに椅子をひいてくれた。
「こちらにどうぞ、トガー様。フェブリウス伯爵も」
わたしとマックス様が腰かけるとすぐにわたしたちの前にお茶の入ったカップが置かれた。
意外とカップは、飾り気のないただの白いカップだった。
この世界じゃ、陶芸はまだまだ盛んとはいえないようだしな。
わたしは、『メルクリウス商会』で陶磁器の開発ができないものか、と考えていた。
きっと、もうかるだろうな!
「では、話し合いといきましょうか?トガー様。いや」
宰相閣下が手を組んでわたしをじっと見つめた。
「聖女殿」
息を飲むような瞬間だった。
その場にいる全員に緊張がはしった。
宰相閣下の言葉にわたしは、表情をこわばらせた。
「いや、わたしは、聖女などでは」
「もう、隠すのはおやめなさい、トガー様。あなたは、これまでの功績からしても間違いなく聖女です」
宰相閣下の隣に座っていた白い髭のじいちゃんが口を開いた。
「我々は、あなたがこの世界に来たときからあなたの言動を監視しておりました」
マジでか?
わたしが驚きを隠せずにいるとじいちゃんの隣に腰かけていたはかなげな金髪の美人エルフがわたしに話し掛けてきた。
「エルフの病のことでは同族が世話になりありがとうございました。本当に感謝してもしきれない」
「いえ、その」
「あなたのやってきたことは、どれもこの世界の人間たちを神の与えた枷から解き放とうとするもの。我々、人類に独自の生きる力を与えるためのものだ」
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「だが、我々もいつまでも無力ではない」
髭のじいちゃんが話した。
「我々もまた神に対峙する方法を学んできたのです」
「かつて我々、人類は、聖女であるお愛様をお守りすることができなかった」
美人エルフさんが言った。
「だけど、今度こそはあなたをお守りします、トガー様」
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