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17 王都で先生になりました。

17ー10 学園長ですか?

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 17ー10 学園長ですか?

 ぶらぶらと校内の案内をしてもらった後、わたしたちは、福祉・医療系の教師の職員室へと戻り、そこでお茶を飲みながら話をしていた。
 「ここは、あと二人講師がいるのよ。光魔法のクトゥルフ先生と薬草学のトルム先生よ。ちなみに二人とも独身の男子よ」
 シーラさんがにやりと笑った。
 はい?
 わたしは、遠浅にひいていた。
 この人、もしかして肉食女子なんですか?
 しかし。
 シーラさんは、ぶつぶつと愚痴を漏らした。
 「エルフは年相応じゃないからとかいって敬遠されちゃうのよね。ほんと、最近の男どもときたら根性がないんだから!」 
 「はぁ・・・」
 「トガー先生は、『メルクリウス商会』の会頭なんですよね?あの浮島ラピュータスを造った大魔道師だときいてるわよ」
 シーラさんが瞳をキラキラさせながらわたしにきいてきたので、仕方なく頷く。
 「そうだけど、何か?」
 「スゴいなぁ。ラピュータスは、今ではこのグレングルド王国の福祉・医療分野での中心都市ですものね!」
 シーラさんがうっとりとした様子で続けた。
 「最新の魔道具や魔法が集まる未来都市。行ってみたいなぁ」
 「行けばいいじゃん」
 わたしが言うとシーラさんが一瞬固まった。
 んん?
 わたしは、シーラさんの方を振り向く。
 どうしたわけ?
 「行ければいいんだけどね」
 シーラさんが鬱々と話し出した。
 「教師って仕事は、年中無休だから、なかなか旅になんて出られないのよぉ!それに、とってもとっても薄給だしね!」
 「マジで?」
 わたしは訊ねた。
 「そんなブラックな会社なの?ここって」
 「ぶらっく?」
 きょとんとしているシーラさんにわたしは、説明した。
 「いや、ひどい労働環境ってことだよ」
 「それね!」
 シーラさんは、身を乗り出した。
 「マジで、イカれてるのよ、ここの学園長は!」
 「私がどうしたって?」
 「ふふぇっ!」
 シーラさんが飛び上がった。
 振り向くとそこには、ふさふさのたてがみみたいな豊かな茶髪をした大柄な老紳士の姿があった。
 「が、学園長?なんでこんなところに?」
 
 
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