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13 婚約とドレスと女の戦い(2)

13ー11 レイアさん

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 13ー11 レイアさん

 唯一のたよりである王妃様とレイアさんの姿も見当たらないし。
 まあ、いいけどな。
 これ以上、いろいろな人を紹介されたら困るし。
 でも、これって一応、ライナス先生のお祝いだよね?
 なのに、レイアさんの姿が見えないのは、なんか奇妙だな。
 わたしが人情紙風船だな、とか思っていると、そっと背後から話しかけてくる声がきこえた。
 「あの、トガー様」
 振り向くとそこには、どっかで見たことのあるミニスカメイドの姿があった。
 確か、大公閣下のところのメイドさんだ。
 「失礼ですが、よろしいでしょうか?」
 「どうしたの?」
 問うとメイドさんは、かなり深刻な表情で答えた。
 「わたしと御一緒いただけるでしょうか?」
 うん。
 ちょうど退屈してたところだしな。
 わたしにとって渡りに船だ。
 わたしは、ライザを一人にするわけにはいかないからライザを連れてメイドさんの後に続いた。
 メイドさんは、足早にわたしたちを連れてレイアさんたちの住んでいる離宮へと向かった。
 離宮にたどり着くとわたしたちを大公閣下が疲れはてた様子で出迎えた。
 「どうかされたんですか?大公閣下」
 「トガー殿」
 大公閣下がため息をついた。
 「私にもよくわからないんだ」
 なんでもレイアさんの様子がおかしいのだとか。
 わたしたちは、本当は、一緒にパーティーにいくことになっていたのだが、わたしは、ライナス先生の叙勲式もあったので先にライザたちと王城へと出ていた。
 レイアさんたちは、後からパーティーに出席することになっていたのだ。
 わたしは、レイアさんの部屋のドアをノックした。
 だが。
 待てど暮らせど返事がない。
 「レイアさん?」
 わたしが呼び掛けると部屋の中から弱々しい声がきこえた。
 「トガー様?」
 ゆっくりと扉が開いてレイアさんが顔をのぞかせた。
 わたしは、レイアさんに訊ねた。
 「どうしたんですか?レイアさん」
 「トガー様、私、私・・・」
 涙ぐむレイアさんにわたしは、にっこりと微笑んだ。
 「大丈夫ですよ、レイアさん。とりあえず中に入ってもいいでしょうか?ここでは、なんなので」
 レイアさんが頷き、わたしは、部屋の中へと入った。
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