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6 リハビリと改革と恋愛?

6ー4 よろしくって?

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 6ー4 よろしくって?

 「これならよろしくって?トガー」
 翌々日に、わたしの前に現れたエミリアさんを見てわたしは、絶句した。
 エミリアさんは、美しい銀色の髪をばっさりと肩までで切り落とし、長い爪を短く切っていた。
 そして、ドレスも普通の町の奥さん風のワンピースに着替えていた。
 「これで私が本気であなたのお役にたちたいと思っていること、理解していただけたかしら?」
 ここまでやるなんて!
 この世界では、貴婦人が髪を切るのは、罪を犯した時か女神の教会に入るときだけだった。
 この人がなぜ、ここまでするのかがわたしにはわからなかった。
 「何が目的なんです?」
 わたしは、治療院への道すがらエミリアさんにズバンと直球できいた。
 この女、何を企んでいるんだ?
 エミリアさんは、わたしに笑いかけた。
 「疑り深いのね、トガー。まあ、私にも下心はあるけどね」
 やっぱりか!
 エミリアさんは、わたしに告げた。
 「強いていうなら、あなたのお目付け役というか、付き添いというか。そんな感じかしらね」
 お目付け役ですと?
 どういうこと?
 納得できないわたしにエミリアさんがにんまりと笑う。
 「独身の女がああいう場所に1人で毎日のように出入りしていると悪い評判がたつのよ。それを兄上がとっても心配しているの」
 マジでかよ?
 なんでご主人様がわたしの評判なんかきにしてるわけですか?
 小首を傾げているわたしを見て、エミリアさんはため息をついた。
 「トガー、あなたは、仕事はできるのかもしれないけど、ちょっと鈍感だといわれない?」
 わたしが鈍感ですと?
 わたしは、ちょっとムカついていた。
 このわたしが、鈍感?
 人間の機微について知り尽くしてはいないけど、わりと理解はしているはずだし!
 何よりも、エミリアさんにそんなこといわれたくないわっ!
 まったく!
 腹立たしい兄妹だぜ!
 まあ、いいか。
 わたしは、心の中でにやっと悪い笑いを浮かべていた。
 そっちがその気なら、こっちも考えがあるというものだ。
 ライナス先生は、治療院の職員の数をだいぶん増やしていたがそれでも、まだまだ手が足りなかった。
 なんでも雑用をしてくれる下働きは大歓迎だ。
 
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