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4 離れて眠る夜
4ー6 別れ
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4ー6 別れ
「本当にすまない、ルルシア。お前も私の子であるのに変わりないのに、こんなことを頼むなんてどうか、愚か者と罵ってくれてもかまわん」
魔王のおっさんは、僕に告げた。
「どうか、アーキライトのことを諦めて2度と奴の前に現れないでくれ。頼む、ルルシア」
僕は、頭がぐわんぐわんして。
目眩に思わずその場に座り込んだ。
魔王のおっさんは、僕の前にしゃがみこむと僕に皮の袋に入った何かを手渡した。
「これは、『竜の目玉』だ。どんな病にでもきくし、死者をも甦らせる力を持つ。売ればお前が一生遊んで暮らせるだけの金になるだろう」
魔王のおっさんの言葉に僕は、打ちのめされていた。
これまで、いろいろあったにしてもおっさんは、僕の父さんなんだと思っていたのに。
魔王のおっさんは、アーキライトのために平気で僕を切り捨てようとしている。
僕は、俯くとくぐもった声できいた。
「母さんは?」
「リリアは、何も知らない」
魔王のおっさんは、淡々と話した。
「こんなことを頼んでいえることじゃないかもしれないが、リリアのことは、私が命にかけても守り抜く。だから・・心配しないでもいい」
魔王のおっさんは、僕を見つめていた目をそらした。
「すまない、ルルシア。許してくれ」
僕は、こくん、と頷くとかすれた声でなんとか言った。
「わかった・・」
僕は、魔王のおっさんの胸ぐらを掴むとおっさんに告げた。
「その代わり、母さんを頼む!母さんを不幸にしたら絶対に許さないからな!」
魔王のおっさんは、僕の目を見つめて頷いた。
僕は、おっさんの胸ぐらを掴む手を離した。
「少し、時間をくれ」
魔王のおっさんは、すっと立ち上がると部屋から出ていった。去り際におっさんは、小さな声で僕に言った。
「すまない」
悔しくて涙が頬を流れ落ちる。
僕は、いつしか嗚咽していた。
僕は。
家族を失った。
優しい母さん。
ちょっと嫌な奴だけど、憎めない義父。
何を考えているかわからないけど、美しくて、憧れていた兄さん。
全てを失ったんだ。
僕は、泣きながら立ち上がると下履きとズボンを身に付けた。
そして、小さな皮の鞄に荷物を積めてそして、部屋から出た。
扉を閉める前に僕は、振り向いた。
子供の頃から暮らしたこの農場を去るのは辛くて、悲しくて。
だけど。
魔王のおっさんのいうことも一理あるのだ。
アーキライトに僕の力が悪い影響を与えるかもしれないのなら、僕は、それを防ぎたい。
僕は、アーキライトを守りたかった。
だって。
アーキライトは、僕の初恋だから。
僕は、アーキライトが好きで。
好きで。
大好きで。
僕は、頬を流れる涙をそっと拭うと、その場から転移の術で姿を消した。
「本当にすまない、ルルシア。お前も私の子であるのに変わりないのに、こんなことを頼むなんてどうか、愚か者と罵ってくれてもかまわん」
魔王のおっさんは、僕に告げた。
「どうか、アーキライトのことを諦めて2度と奴の前に現れないでくれ。頼む、ルルシア」
僕は、頭がぐわんぐわんして。
目眩に思わずその場に座り込んだ。
魔王のおっさんは、僕の前にしゃがみこむと僕に皮の袋に入った何かを手渡した。
「これは、『竜の目玉』だ。どんな病にでもきくし、死者をも甦らせる力を持つ。売ればお前が一生遊んで暮らせるだけの金になるだろう」
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魔王のおっさんは、アーキライトのために平気で僕を切り捨てようとしている。
僕は、俯くとくぐもった声できいた。
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「リリアは、何も知らない」
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「こんなことを頼んでいえることじゃないかもしれないが、リリアのことは、私が命にかけても守り抜く。だから・・心配しないでもいい」
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「すまない、ルルシア。許してくれ」
僕は、こくん、と頷くとかすれた声でなんとか言った。
「わかった・・」
僕は、魔王のおっさんの胸ぐらを掴むとおっさんに告げた。
「その代わり、母さんを頼む!母さんを不幸にしたら絶対に許さないからな!」
魔王のおっさんは、僕の目を見つめて頷いた。
僕は、おっさんの胸ぐらを掴む手を離した。
「少し、時間をくれ」
魔王のおっさんは、すっと立ち上がると部屋から出ていった。去り際におっさんは、小さな声で僕に言った。
「すまない」
悔しくて涙が頬を流れ落ちる。
僕は、いつしか嗚咽していた。
僕は。
家族を失った。
優しい母さん。
ちょっと嫌な奴だけど、憎めない義父。
何を考えているかわからないけど、美しくて、憧れていた兄さん。
全てを失ったんだ。
僕は、泣きながら立ち上がると下履きとズボンを身に付けた。
そして、小さな皮の鞄に荷物を積めてそして、部屋から出た。
扉を閉める前に僕は、振り向いた。
子供の頃から暮らしたこの農場を去るのは辛くて、悲しくて。
だけど。
魔王のおっさんのいうことも一理あるのだ。
アーキライトに僕の力が悪い影響を与えるかもしれないのなら、僕は、それを防ぎたい。
僕は、アーキライトを守りたかった。
だって。
アーキライトは、僕の初恋だから。
僕は、アーキライトが好きで。
好きで。
大好きで。
僕は、頬を流れる涙をそっと拭うと、その場から転移の術で姿を消した。
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