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2 新婚さんと住民0の領地

2ー3 恥ずかしくって

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 2ー3 恥ずかしくって

 僕は、熱い吐息を漏らした。
 ワイエス男爵は、僕のことをくんくん嗅いでいる。
 僕は、恥ずかしくって顔をほてらせる。
 「臭いですか?」
 僕は、床に入る前にランクルに頼んで湯をもらって体を拭いていた。
 けども、なんだか不安で。
 もしかして、僕、臭いのかも。
 ワイエス男爵は、僕の首もとを舌で舐めながらクスクス笑った。
 「ルーシェ、お前は、とてもいい匂いがする」
 「あっ!」
 ワイエス男爵が僕のネグリジェの裾を引き上げると僕の体を露にした。
 僕は、貧相な体が恥ずかしくて。
 両手で胸元を隠すと顔を背ける。
 「こんな貧相な体、恥ずかし」
 「なぜ?」
 ワイエス男爵がぺろりと僕の胸の頂を舐める。
 「かわいい、美しい体だ」
  ワイエス男爵のごつい指が僕の乳首をつまみ上げた。
 僕は、思わずびくん、と体をそらした。
 「あぁっ!」
 ワイエス男爵は、僕のそこを舐め、甘噛みした。
 「ひゃうっ!」
 僕は、その甘い痺れに腰を揺らした。
 なんだか、体の奥が変だ。
 熱い。
 僕は、涙目でワイエス男爵を見上げる。
 「ワイエス、男爵は」
 「グールド、だ」
 ワイエス男爵は、僕に告げた。
 「みなは、ルドと呼ぶ」
 「あっ・・ル、ドは、男の人が好きなんですか?」
 僕が訊ねると、ワイエス男爵は、ブフォッと吹き出した。
 「まさか。私は、君以外は、男を抱きたいなどと思ったことはない」
 マジか?
 僕が息を喘がせると、ワイエス男爵は笑った。
 「こんなことをするのは、お前だけだ。ルーシェ。愛する番よ」
 「ワイエス、男爵」
 僕は、必死でワイエス男爵の首もとへとしがみついた。
 「僕、僕、なんか、変、だ」
 「ルド、だ」
 ルドはそう言って僕に口づけした。
 「愛している、ルーシェ」
 「あぁっ!」
 ルドの多きな手が僕の立ち上がりかけたものを包み込んだ。
 くちゅくちゅと水音がきこえて、だんだんと僕は、意識が遠退いていく。
 こんな。
 こんなこと、初めて、だ。
 僕は、無我夢中でルドに抱きつくと、目を閉じた。
 それでも敏感な部分の感覚と淫らな音が僕のことを犯していく。
 「あっ、あっ、も、僕!」
 「いってもいいぞ、ルーシェ」
 ルドが囁いた。
 ルドの指が僕のものを擦りあげる。
 「はぅん!」
 僕は、体を震わせていってしまった。
 
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