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第3章 作曲編
10 クロエは夜行性
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スヤスヤ、スヤスヤ……。
ミサオは踊り疲れてそのままベッドに寝転がっていた。
いつのまにか音楽は停止していた。当然、パソコンも勝手に切れている。
視界はゴーグルをつけているため真っ暗だった。
呼吸が深くなる。
踊り疲れた体を休ませようと、体の重さはベッドの柔らかさに吸い込まれていく。
全身の力が抜けると、心地よい脱力感が睡魔を誘っている。
ヘッドホンがノイズキャンセリングされている。
静かだ。
雑音は一切耳に入ってこない。
人の忍びよる足音や、吐息などは、まったく気がつかない。
このように……。
ふ~。
黒い人影がミサオの耳元に息を吹きかけても、まったく起きる気配がない。
深い眠りについているようだ。
黒い人影はゆっくりと眠っているミサオを眼下にして四つんばいで騎乗位になる。
下に垂れ下がった長い髪を掻き分け耳にかけた。
それは紛れもなく女であった。
この家にはケリーとクロエの二人しか女はいないはずなのでどちらかだ。
女の唇が小悪魔のように、にやりと微笑んだ。
女はミサオの唇に顔を近づける。
ゆっくりと……。
キスをする。
ミサオは……。
起きるようすがない。
口の中をむにゃむにゃと動かしている。おそらく嫌がる感じではなく。むしろ、
「うーん……」
と、気持ちよさそうに寝息をたてた。
夢の中でも誰かとキスをしているのだろうか。
女はミサオの唇からそっと離れた。
そして、ベットから降りる。
物音がしないように静かに扉を開けて出て行った。
女は隣の部屋へと入っていく。
自室に戻って椅子に座った。
勉強用のテーブルランプの照明をつける。
暗闇のなかで照らされた顔は赤く染まり恍惚としていた。
「ふー、気持ちよかったあ」
女の正体はクロエだった。
椅子の背もたれに体を預けて、女の喜びに浸る。
全身の力が抜けてふわふわと浮遊する感覚を味わっている。
カーテンの隙間から差し込む月夜の光が、クロエの表情と優しくとけあう。
頭の中は真っ白になって何も考えられなかった。
意識が朦朧として、まるで関節のない人形のようにぐったりしていた。
ミサオは踊り疲れてそのままベッドに寝転がっていた。
いつのまにか音楽は停止していた。当然、パソコンも勝手に切れている。
視界はゴーグルをつけているため真っ暗だった。
呼吸が深くなる。
踊り疲れた体を休ませようと、体の重さはベッドの柔らかさに吸い込まれていく。
全身の力が抜けると、心地よい脱力感が睡魔を誘っている。
ヘッドホンがノイズキャンセリングされている。
静かだ。
雑音は一切耳に入ってこない。
人の忍びよる足音や、吐息などは、まったく気がつかない。
このように……。
ふ~。
黒い人影がミサオの耳元に息を吹きかけても、まったく起きる気配がない。
深い眠りについているようだ。
黒い人影はゆっくりと眠っているミサオを眼下にして四つんばいで騎乗位になる。
下に垂れ下がった長い髪を掻き分け耳にかけた。
それは紛れもなく女であった。
この家にはケリーとクロエの二人しか女はいないはずなのでどちらかだ。
女の唇が小悪魔のように、にやりと微笑んだ。
女はミサオの唇に顔を近づける。
ゆっくりと……。
キスをする。
ミサオは……。
起きるようすがない。
口の中をむにゃむにゃと動かしている。おそらく嫌がる感じではなく。むしろ、
「うーん……」
と、気持ちよさそうに寝息をたてた。
夢の中でも誰かとキスをしているのだろうか。
女はミサオの唇からそっと離れた。
そして、ベットから降りる。
物音がしないように静かに扉を開けて出て行った。
女は隣の部屋へと入っていく。
自室に戻って椅子に座った。
勉強用のテーブルランプの照明をつける。
暗闇のなかで照らされた顔は赤く染まり恍惚としていた。
「ふー、気持ちよかったあ」
女の正体はクロエだった。
椅子の背もたれに体を預けて、女の喜びに浸る。
全身の力が抜けてふわふわと浮遊する感覚を味わっている。
カーテンの隙間から差し込む月夜の光が、クロエの表情と優しくとけあう。
頭の中は真っ白になって何も考えられなかった。
意識が朦朧として、まるで関節のない人形のようにぐったりしていた。
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